テレビ東京の番組『カンブリア宮殿』から、ゲストとして出演した社長たちの言葉や考えを厳選し、まとめたのが本書です。
成功者の考えに触れたい方におすすめです。
この記事では、村上龍著『カンブリア宮殿 スゴい社長の金言』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『カンブリア宮殿 スゴい社長の金言』の要約と感想
まずは本書の要約から。
『カンブリア宮殿』の番組MCである作家・村上龍とゲストの対話を収録。
1人の経営者につき、3ページほどを割いている。
Amazon、ソフトバンク、ヤフージャパン、楽天、ユニクロ、アイリスオーヤマなど、一流企業経営者たちの言葉を紹介する。
以上がおもな内容です。
トップクラスの経営者たちの言葉に「テンポ良く触れられる」のが、本書の特徴です。
成功してビッグになりたい方に本書はおすすめです。
本書に登場する経営者たち
本書には一流経営者たちの言葉がおさめられています。
たとえば、ネット通販大手Amazonの経営者であるジェフ・ベゾス氏です。
Amazonは顧客を中心として考えることをポリシーとしており、顧客ニーズの把握に力を入れているといいます。
顧客ニーズを把握し、どのように提供するか考える方法を「逆回りに働く」と彼は呼んでいました。
「自分たちのスキルをどう活かせるか」を多くの企業が考えますが、ベゾス氏は、それではダメだと述べています。
成功の秘訣は、逆回りに働くこと、です。
ほかにも本書には、
- 孫正義
- 柳井正
- 永守重信
- 三木谷浩史
- ジェームズ・ダイソン
など、さまざまな一流経営者が考える「成功の秘訣」が載っていました。
まるで良いトコ取りをしたような、コストパフォーマンスの高い本だといえます。
村上龍のコメント
本書が良いのは、経営者の言葉だけでなく、番組MCを務める村上龍氏の言葉もまた、参考になるところです。
さすがは作家なだけあって、村上氏は鋭い観察眼を発揮しています。
たとえば本書冒頭で、「成功と満足が結びついてはならない」と村上氏は述べています。
成功を目標にすべきでない、ということです。
豊田章夫社長はクルマが大好きで、似鳥昭雄社長は、リーズナブルな値段の家具を人々に提供することに、異様な執念を持っていたといいます。
このように、成功それ自体に優先するもの、心から愛することのできるものを持っていることが大事なのだ、と彼は述べていました。
自らの偏愛や執念を、他者の幸福や喜びのために使うこと、つまり自分の満足よりも他の人の満足を優先させる姿勢こそが、一流経営者の共通点なのだといいます。
「自分さえ良ければ、他人はどうでもいい」という考えでいては、大成功をおさめるのは難しそうです。
それから村上龍氏は、成功体験に縛られないためには「不安」が必要で、不安は「想像力」によって発生すると述べています。
不安を抱きつづけるのは、一度の成功で終わることなく、数十年にわたって地位を保ちつづけるための秘訣だといえるでしょう。
ただいっぽうで、多くの企業や個人が成功体験に縛られ、沈んでいくといいます。
なぜなら、誰も「不安」など抱きたくないからです。
私たちが変化し、成長し、活躍しつづけるためには「不安」が必要だということを、村上氏が指摘しています。
経営者の言葉だけでなく、さまざまな経営者と接してきた村上氏の言葉もまた参考になります。
つまるところ本書は、名言だらけ、金言だらけの一冊です。
まとめ
さまざまな経営者たちの、さまざまな考えに触れることのできる本でした。
ジェームズ・ダイソン氏は「人と違うことをして世界を変えたいなら、他人のアドバイスは聞くな」と述べています。
このアドバイスに従っても良いのかどうか、悩みます。
人のアドバイスを聞かないようにしたら、結果としてダイソン氏のアドバイスに従ったことになり、アウトだからです。
アイリスオーヤマの大山氏は、「成功するには一番魚のいるところに船を持っていくことだ」と述べていました。
……ダイソン氏の言葉が脳裏に浮かびます。
ソフトバンクの孫正義氏は「目標は言葉にすることが大事だ」とアドバイスしています。
……ダイソン氏の言葉が脳裏に浮かびます。
まるで料理本のなかに「他人が作ったレシピなど参考にするな」と書かれているようなものです。
人と違うことをして世界を変えたい方には、本書をおすすめしません。
なぜなら、他人のアドバイスを聞くべきではないからです。
以上、村上龍著『カンブリア宮殿 スゴい社長の金言』の要約と感想でした。
結論。トップクラスの経営者たちの言葉にテンポ良く触れられる本。人と違うことをして世界を変えたい方以外に本書はおすすめ。
経営者の言葉に関して、当サイトではこんな本も紹介しています。
成功を目指すのではなく、「失敗を避ける」というアプローチもあります。
最強ボクサーであるメイウェザーが、試合でKOを狙うのではなく、「負けないこと」を最優先にしているのとおなじです。
経営の失敗にはいくつかのパターンがあるため、知識として持っておいて損はないはずです。
大切なのは、失敗しないことです。