『いつまでも消えない怒りがなくなる 許す練習』の要約と感想

「許せない想い」から解放されることが、本書の目的だといいます。

 

がしかし、本書を読んでも「許せない想い」から解放されることはないでしょう。 

なぜなら、アドバイスが曖昧だったり、ただの精神論だったりして、役に立つとはいえないからです。

 

むしろ「なんだこの本。時間とカネ返せ」ってな怒りがひとつプラスされるだけかもしれません。 

 

この記事では、杉山崇著『いつまでも消えない怒りがなくなる 許す練習』の要約と感想をご紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

 

 

『いつまでも消えない怒りがなくなる 許す練習』の要約と感想

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まずは本書の要約から。

 

著者は心理学者・臨床心理士である。

私たちが許せない想いを抱えてしまうのは、人類が「覚える生き物」として進化してきたからだ。

 

許すためには感謝の気持ちが欠かせない。

目標、後悔、マインドフルネスなど、「消えない怒り」をなくすためのさまざまな方法を解説する。

 

以上がおもな内容です。

著者のアドバイスは、いずれも参考になりませんでした。 

 

そもそも、なんでもかんでも「許す」のが良いとは限りません。 

たとえば本書の出版は、ほんとうに許可して良かったのかどうか、検討の余地があります。

 

役に立たないアドバイス

いつまでも消えない怒りをなくす方法とは、いったいどのようなものでしょうか。

 

たとえば著者は、後悔している人ほど許せない想いに駆り立てられやすい、と述べています。

したがって、"誰か"や"何か"を許すためには、まず後悔の念を手放さなければならないそうです。

 

もっとも肝心なのは、後悔の念を手放すための方法です。 

後悔している気持ちは、どうすれば消せるのでしょう。

 

著者は、後悔していることがあるなら乗り越えよう、とアドバイスしていました。

つづけて、かならず乗り越えられるから、とも語っています。

 

われわれが知りたいのは「後悔を乗り越える方法」なのですが、方法には触れていません。 

かならず乗り越えられるから、乗り越えようよ、ってなもんです。

 

たとえるなら、サッカーのコーチが「いっぱい練習しよう。そうすればかならず上手になれるから」とだけアドバイスし、練習内容を教えてくれないようなものだといえます。

つまり、アドバイスになっていません。

 

ほかにも、許せないことよりもっと大切な目標があるなら、そっちに集中すべき、とも著者は述べていました。

許せないことから目を背けろ、というわけです。

 

そんなことができたら最初からそうしていますし、そもそも、大切な目標への集中を妨げるからこそ、「許せない想いや怒り」を消したいと読者は思っているのではないでしょうか。 

誰かを恨んでいたら勉強に集中できませんし、イライラしていたら仕事に身が入りません。

 

「あいつを許せない。復讐してやる」

といった怨恨の念が頭のなかをグルグルするだけです。

 

  • 後悔を乗り越えよう
  • 大事な目標に集中しよう

このようにナンセンスでアバウトなアドバイスが、本書にはいくつか載っています。 

 

 

やたら読者に媚びている

役に立たないアドバイスを誤魔化すためなのか、著者はやたらと読者にたいして媚を売っていました。

 

たとえば、

私はあなたを祝福したいと思います。なぜなら、あなたは困難な日々を生き抜いてきたからです」

と杉山氏はわれわれを褒めています。

なにも知らないクセに、ってなもんです。 

 

あるいは、

「あなたは十分がんばりました。そんなあなたの魂を、私は誇らしく思います」

とも著者は述べています。

 

なんとも気色の悪いメッセージです。

私たちはけっして気休めの言葉をかけてほしいわけではありません。

ただ、消えない怒りをなくす方法が知りたいだけです。

 

ところが肝心な許す方法は

  • 後悔を乗り越えよう
  • 大事な目標に集中しよう

このように役に立たず、あとは気味の悪い賞賛がつづくだけの本でした。

 

それから著者は本書のなかで、

「耐えてきた苦痛と苦悩の重さに、命の価値は比例する」 

という問題発言をしています

 

命の価値に差があるとする考えは、いかがなものでしょうか。

ずっとラクをして幸せに生きてきた人間の命には、さほど価値がない、ということになってしまいます。

これは「許されない発言」です。

 

そんな著者は、困難な日々を乗り越えてきた私たち(なにも知らない)のことを、敬意を込めて「サヴァイヴァー」と呼びたいそうです。

勝手にしてくれ、としかいいようがありません。 

サバイバーではなく、サヴァイヴァーってところが、なんともまた。

 

まとめ

端的にいうなら本書は、内容がないおべっか本です。 

 

内容がないので、本書についてこれ以上語ることもありません。

マインドフルネスで「許せない私」を許そう、といった言葉遊びのようなアドバイスで、救われる人がいるのかどうかは不明です。

 

諦めきれないことがあるなら諦めきれないと諦めよう、みたいな、ブルーハーツの歌詞的発想です。

 

いつまでも消えない怒りがなくなる 許す練習

いつまでも消えない怒りがなくなる 許す練習

  • 作者:杉山 崇
  • 発売日: 2020/09/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

以上、杉山崇著『いつまでも消えない怒りがなくなる 許す練習』の要約と感想でした。

結論。有益なアドバイスゼロ。おべっか満載。われわれは誇り高きサヴァイヴァー。かならず乗り越えられるから、後悔を乗り越えよう。えいえいおー。

 

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