テレビ業界には、番組の企画や構成を考える「放送作家」と呼ばれる人たちがいます。
この放送作家のYouTube版が、YouTube作家、なのだそうです。
YouTube作家として活動する5名が、YouTube業界に入ったきっかけや、仕事で意識していることなどを語っていました。
この記事では、長崎周成、白武ときお、谷田彰吾、山口トンボ、カツオ著『YouTube作家的思考』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『YouTube作家的思考』の要約と感想
まずは本書の要約から。
動画の企画、構成、分析などをメインで行っているのがYouTube作家だ。
YouTube作家はYouTuberを陰でサポートし、チャンネルの人気維持や向上に貢献している。
- どうしてYouTube作家になったのか
- それまではどんな仕事をしていたか
- 何を考えて働いているか
- チャンネルの運営で大事なこと
- YouTubeは今後どうなるか
などについて、第一線で活躍する5名の作家たちが語る。
以上がおもな内容です。
1人のYouTube作家につき1章、計5章で本書は構成されていました。
YouTubeで稼ぐことに興味のある人が、ターゲット読者だといえそうです。
5人のYouTube作家が語る内容とは
本書に登場するのは、
- 長崎周成
- 白武ときお
- 谷田彰吾
- 山口トンボ
- カツオ
以上5名のYouTube作家です。
それぞれが、
- YouTube作家になったきっかけ
- 誰のチャンネルを担当しているか
- どんな仕事内容か
- YouTube作家に求められるもの
- YouTubeでウケるコンテンツ
- テレビとYouTubeの関係性
- YouTubeの現状と今後
などについて語ってました。
- 長崎周成
- 白武ときお
- 谷田彰吾
- 山口トンボ
こちらの4名は自分自身の経験を語っている割合が多く、カツオ氏だけは、YouTubeの現状を詳しく解説しているような印象を受けました。
たとえばカツオ氏は、
- YouTube1.0世代の一発屋化問題
- 芸能人のYouTube参入
- YouTubeが奪う雑誌のジャンル
- YouTubeのテレビ化
などについて自らの考えを述べています。
YouTubeでいま起こっていること、これから起こるであろうことを知れるため、YouTubeについての理解が深まります。
テレビの未来は明るい?
本書に出てくるYouTube作家たちは、口をそろえて「テレビの未来は明るい」と語っていました(全員ではないけれど)。
スポンサー企業からの広告費が減りつづけ、世間ではオワコン扱いされているテレビですが、YouTube作家はテレビに希望を見出しているのだそうです。
本気でそう考えているのか、自らがテレビ業界の出であること(または現在もテレビと関わる機会があること)から忖度しているのか、実際のところはどうなのかわかりません。
- テレビマンの未来は明るい
- テレビマンは優秀な人ばかり
- テレビが斜陽産業だとは思わない
異口同音にテレビを褒めている様は、なんだか気色悪く感じられました。
テレビ業界にも居場所を残しておくための「保険」のつもりなのかもしれません。
テレビにくらべてYouTubeの歴史は浅いため、まだYouTubeを信用できていないのでしょう。
YouTubeの盛り上がりは一過性のブームかもしれませんし、他のプラットフォームや動画配信スタイルに取って代わられるかもしれません。
YouTubeバブルが弾けたらテレビに戻れるようにしておこう、ってな下心が見え隠れしているのが、気になります。
テレビマンの未来は明るいそうですが、YouTubeの未来は、案外暗い可能性があります。
まとめ
YouTube作家という職業について知れる本です。
同時に本書からは、YouTubeがいまどんな状況で、稼ぐのにはどんなコンテンツが向いていて、YouTubeが今後どんなメディアを呑み込んでいくのか、といった情報も仕入れられます。
数年前までは先行者利益を得られたのでしょうが、現在のYouTubeはレッドオーシャンと化しており、参入したところで成功は望めそうにありません。
芸能人でさえ、YouTubeでは苦戦しています。
私たち一般人がYouTubeに参入したところで、ただ少ない登録者数と少ない再生回数が晒され、恥をかくだけです。
ただし、YouTuberになるのではなく、YouTuberを支える「YouTube作家」としてこの業界に入っていくなら、まだチャンスは残っているのかもしれません。
- 発想力に自信あり
- 分析力に覚えあり
- 人前に出るのは苦手
- 喋りがうまいわけじゃない
こんな方は、ぜひ本書を読んでみてはいかがでしょうか。
ただし、YouTube作家になる道は「テレビ業界からの鞍替え」しか載っていません。
ほかの方法は自力で探してみてください。
以上、長崎周成、白武ときお、谷田彰吾、山口トンボ、カツオ著『YouTube作家的思考』の要約と感想でした。
結論。YouTube作家になった経緯、お仕事内容、ふだん意識していること、YouTubeの今後、テレビの明るい未来などが知れる本。
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