胡散臭さとツッコミどころが満載の本です。
たとえば、幸せになるためには、白い修正液をつかって爪の真ん中に直径1ミリほどの白点を描くと良い、と著者はアドバイスしていました。
「なにそれ」と爪を周囲からバカにされ、不幸せになるリスクのほうが高そうですが、描いてしまって大丈夫なのでしょうか。
この記事では、西谷泰人著『幸せグセがつくきらめきのルール 新装版』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『幸せグセがつくきらめきのルール 新装版』の要約と感想
まずは本書の要約から。
著者は手相家・ライフコンサルタント。
8万人の運命鑑定からわかった、誰でも運を良くできる15の法則を紹介する。
履き心地の良い靴を履くと、最高の人材に会える。
観葉植物は邪気を吸い取ってくれる。
良いことは人に話すな。
もし良いことを人に話してしまったら、両手でかき集めて、自分の口に吸い込む動作をしたのち「よし、ぜんぶ回収できた」というべし。
など、幸せになる方法を説く。
以上がおもな内容です。
荒唐無稽なアドバイスのオンパレードでした。
夢に関する主張の矛盾
本書に書いてある内容は、 信じるに値しません。
たとえば、夢判断を暮らしに活用しよう、と著者は述べています。
というのも、夢の8割はその日あるいは翌日に、1割は1週間以内に、1割は近い未来に起こる出来事を教えてくれるから、だそうです。
なるほど、夢というのは「未来を見ている」と解釈できるようです。
ところが本書には、自分が死ぬ夢や自殺する夢を見たら、「予想外の金運に恵まれ、金運が良くなる」と書かれていました。
死ぬ夢を見ても、当日や翌日に死んだり、1週間以内に死んだり、近い未来に死んだりするわけではないようです。
「夢は未来を教えてくれる」という主張は、嘘だったのでしょうか。
それとも夢というのは、婉曲的な表現でわれわれに未来を教えてくれる、ということなのでしょうか。
もし後者だとしても、なぜ死ぬ夢が金運アップにつながるのか理屈が分かりません。
著者はこの点について詳しく説明しておらず、「そういうものだ」ってな態度で押し通していました。
「デタラメではない」という保証が、どこにもありません。
この内容を読者に「信じろ」というのは無理があります。
独特な世界観に迷い込む
著者曰く、両手の指は、太陽系にある各惑星からの波動を受信するアンテナの役割を担っているといいます。
指の先端にある爪は、大事な受信機、なのだそうです。
もし「大事な受信機」で鼻クソをほじっているとしたら、いますぐやめたほうが良いかもしれません。
手のひらの手相は、受信した波動をもとに精密に描いたホロスコープ(天体の配置図)だといえるのだそうです。
手相が天体の配置図だとしたら、問題です。
なぜなら、手相が天体の配置図であれば人によって差は出ないはずですし、そもそも手相がその人自身を表していないことになるので、手相占いをも否定することになるからです。
手相家として活動する著者は、墓穴を掘っちゃった、といえるのではないでしょうか。
つづけて、指の爪に現れる白い点は「幸運の兆し」であるとし、もし白い点がなければ、
- 白いマニュキュア
- 白いフェルトペン
- 白い修正液
などを使い、自分で爪に描いてしまって良いのだそうです。
これで幸運を呼び寄せられるといいます。
たしか爪は大事な受信機だったはずですが、白いフェルトペンで落書きをしてしまっても良いのでしょうか。
なんとも独特な著者の世界観には、ついていけれません。
まとめ
スピリチュアルの真骨頂ってな本でした。
最初から最後まで荒唐無稽です。
たとえば、観葉植物は邪気を吸い取ってくれるそうですが、吸い取った「邪気」はいったいどこへ行くのでしょう。
- 植物が浄化してくれる
- 掃除機みたいに溜めてパンパンになる
どちらなのかが書かれていません。
前者なら問題ありませんが、後者なら、観葉植物を定期的に買い替えなければならないため、わりと重要なポイントです。
もしも観葉植物が邪気を浄化できないとしたら(掃除機みたいに吸い込むだけだとしたら) 、邪気まみれの観葉植物を部屋に置いておくのは、かえって不運を招きそうで良くない気がします。
このように、読者の頭上にたくさんのクエスチョンマークを浮かび上がらせるのが、本書です。
クエスチョンマークが渋滞しないよう、天井が高い場所でお読みください。
以上、西谷泰人著『幸せグセがつくきらめきのルール 新装版』の要約と感想でした。
結論。自殺する夢は金運アップのお知らせで、指の爪は太陽系にある各惑星からの波動を受信する受信機。「新装版」ということは、本書は売れて、支持されているのだろう。驚き。
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