『さあ、本を出そう!出版一年目の教科書』の要約と感想

著者は、老若男女すべての人にたいして「本を出そう」と勧めているわけではありません。

自らの本を出すべきは、経営者だといいます。 

 

ゆえに本書は「経営者に向けた出版の教科書」といえる内容になっていました。

たとえ出版に興味があったとしても、あなたが経営者でなければ、本書から得られるものはないでしょう。

 

ちょうど、ハイブランドに興味があったとしても、全財産5,000円しかない人間は、グッチで買える商品がないようなものです。 

 

この記事では、金川顕教著『さあ、本を出そう!出版一年目の教科書』の要約と感想をご紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

 

 

『さあ、本を出そう!出版一年目の教科書』の要約と感想

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まずは本書の要約から。

 

著者は自称・出版プロデューサー。

他の著書では公認会計士、経営コンサルタント、投資家、事業家を名乗っており、その肩書きは多い。

 

すべての経営者は出版をするべきだ、というのが著者の主張。

なぜなら、事業価値、集客力、売上などが向上し、おまけに節税効果も得られるからだ。

 

出版ビジネスの難しさを説きつつ、「優秀な出版プロデューサーである僕に任せてくれ」ってなフィニッシュを決める。

 

以上がおもな内容です。

経営者にたいして「お金を出してくれれば出版を手伝います。僕たちWin-Winの関係ですね」といったアピールを、金川氏は行っていました。

出版にかかった費用はすべて宣伝広告費として経費で落とせるなど、甘い言葉を使い、経営者を誘惑しています。 

 

出版のメリットがわかりやすい

本書には、経営者が出版するメリットがわかりやすく載っていました。

 

たとえば自著を出版することで、

  1. 事業価値が上がる
  2. 優秀な人材雇用につながる
  3. 集客力・売上アップ
  4. 節税効果
  5. 効果的な社員教育
  6. マーケティングスキル向上

といった恩恵に与かれるといいます。

 

とりわけ著者は、これまで本を出版してきたことで、「優秀な人材を確保できたのが大きい」と語っていました。

金川氏の本を読んだ読者が「ぜひいっしょに働かせて欲しい」と連絡してくるケースがままあるのだそうです。 

 

自分の理念や考えに賛同する人材を集められる、という意味において、出版が果たす役割は大きいといえるでしょう。

企業経営において、ヒトは大切です。

  • 本はずっと残るので求人効果もずっと続く
  • ヘッドハンティングよりも安上がり

など、出版による人材確保のメリットが、本書には書かれていました。 

 

経営者が行う出版は「投資」であり、けっして印税を目的としたものではないといいます。

この前提があるゆえに本書は、一般のビジネスパーソンには無縁な本となっています。

 

フツーの会社員にとって、出費が印税を上回る"赤字出版"にはなんの魅力もないからです。

 

 

優秀な出版プロデューサーである僕に任せろ

本書をとおして著者がもっともいいたいのは、「僕に仕事を頼め」ということでしょう。

 

事実、金川氏は「出版プロデューサーの必要性」を繰りかえし説いています。

二流、三流の出版プロデューサーもどきに仕事を依頼すると、どんな末路を辿るのかも記されています。

 

一流出版プロデューサーである俺に任せろ、ってなもんです。

 

たとえば著者は、優秀な出版プロデューサーの条件として、

  1. 自身も複数冊の本を出版していること
  2. さまざまな出版社から本を出していること

などを挙げていました。

それから続けて、金川氏がこれまでどこの出版社から、どんな本を出してきたかを示す「一覧表」が挿入されていました。

 

出版プロデューサーに仕事を頼むメリットは、 

  1. 取材してくれる
  2. 企画書を作ってくれる
  3. 文章を執筆してくれる
  4. 出版社に営業してくれる

などだそうで、早い話が「何もしなくてもお金を出せば自分の本が出せること」だといえます。

 

ビジネス書の世界ではライターを起用するのは当然のことで、ブックライティングといったひとつの職業だから、ゴーストライター云々ではない、と金川氏は業界の裏事情を説明していました。

 

つまるところ、出版したい経営者はお金さえ払ってくれればOK、ということです。

 

  • 出版のメリット
  • 金川氏が出してきた著書
  • 出版プロデューサーの重要性

などはよくわかりましたが、唯一「出版プロデューサーとしての金川氏の実績」だけが、記されていませんでした。

 

ビジネス書作家として彼は優れているのかもしれませんが(著書は累計発行部数40万部)、出版プロデューサーとしての実力が金川氏にあるのかどうかは、不明です。

 

売れている彼のビジネス書も「ライターが書いているので自分では書いていない。業界の常識だからね」とするなら、金川顕教という人物の実績は、ますます不明瞭なものになります。

端的にいって、信用できません。

 

まとめ

出版のメリットを説きつつ、出版プロデューサーとしての自分を売り込む、いわば営業本です

 

ターゲットを経営者に絞ったのは、

  1. 大きな利益を挙げられる(経費になるので)
  2. 出版のメリットを提示しやすい
  3. 印税で儲けが出なくても誤魔化せる

といった「都合の良さ」が彼にあったからかもしれません。

そうした意味では賢い本です。

 

金川氏は公認会計士の資格を持っているそうで(彼自身のウェブサイトには合格証書の画像が載っている)、頭がキレる人物であることは間違いありません。

 

僕に近づけばあなたは儲けられますよ」とは、彼がどの書籍でも示している共通メッセージです。

コンタクトが取れるよう、巻末には彼のLINEアカウントのQRコードも載っています。 

 

巧みなツルハシビジネスとは、このことをいうのでしょう。

  

さあ、本を出そう! 出版一年目の教科書

さあ、本を出そう! 出版一年目の教科書

  • 作者:金川 顕教
  • 発売日: 2020/10/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

以上、金川顕教著『さあ、本を出そう!出版一年目の教科書』の要約と感想でした。

結論。ターゲットは経営者。やるべきことは2つ。まず、金川氏にコンタクトを取る。そして、出版のプロデュースを依頼し、カネを支払う。出版プロデューサーとしての彼の実績、およびプロデュースにかかる料金は、ともに明かされていない。

 

www.shortshortshort.jp

金川氏の著書について、当サイトにはこんな記事もあります。 

 

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タイトルからわかる通り、彼は「年収1億円」を自慢しがちです。