健康的な生活習慣について書かれている本です。
生活習慣を整えるメリットは、
- 病気を予防できる
- 脳のパフォーマンスが上がる
これら2つだといいます。
健康的なメンタルと身体を手に入れ、冴えた頭でバリバリ働きたい方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
ブレイン(脳)とメンタル(精神)のために「何をしたら良いのか」が具体的に記されていました。
この記事では、樺沢紫苑著『ブレインメンタル強化大全』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『ブレインメンタル強化大全』の要約と感想
まずは本書の要約から。
著者は精神科医。
生活習慣を整えれば脳のパフォーマンスが上がり、仕事のパフォーマンスも上がる。
生活習慣の見直しこそ、最強の仕事術だ。
健康に良い生活習慣として、
- 睡眠
- 運動
- 食事
- 禁煙
- 節酒
- ストレス解消
これら6つについて解説する。
以上がおもな内容です。
とりわけ著者は、
- 睡眠
- 運動
この2つに多くのページを割き、その重要性や、取るべき具体的なアクションを述べていました。
本書を読めば、毎日7時間程度の睡眠をとり、適度な運動をしたくなること請け合いです。
つまり、「最高な状態の自分」を実現するモチベーションを高めてくれる本だといえます。
やる気にさせてくれる
本書が優れているのは、精神論ではなく、科学的根拠に基づいた主張がなされている点です。
たとえば、われわれが運動をするメリットは、
- 成長ホルモン
- BDNF
- テストステロン
これら3つの物質で説明できるのだといいます。
成長ホルモンには、
- 脂肪燃焼・ダイエット効果
- 筋肉作り・筋力アップ
- 骨を丈夫にする
- 新陳代謝促進・美肌効果
- アンチエイジング効果
- 免疫力アップ
- 疲労回復効果
- 糖尿病の予防
といった効果があるそうです。
ちなみに、成長ホルモンを分泌させる方法は、睡眠と運動の2つだけしかないと著者は述べていました。
運動をすればするだけ、成長ホルモンは出るといいます。
5分程度の運動でも、強度の低い運動でも、成長ホルモンは出るそうです(ただし微量)。
これだけのメリットを提示されたら、運動へのモチベーションが高まるのではないでしょうか。
樺沢氏は、「運動するだけで欲しいものはすべて手に入る」と断言していました。
- 痩せる
- 健康になる
- 集中力
- 記憶力
- 創造力
- 学習能力
など、運動によってさまざまな恩恵に与れるのだといいます。
頭が良くなれば仕事力も高まり、結果として収入もアップする、というわけです。
「これ(運動) ほど簡単な成功法則はない」という著者の主張は、私たちに勇気と希望を与えてくれます。
- ポルシェ
- フェラーリ
- ロールスロイス
などの高級車を乗り回したい方、
- ウブロ
- ロレックス
- オーデマ ピゲ
などの高級腕時計を身につけたい方は、ひとまず運動をするのが良さそうです。
- どんな運動がおすすめか
- 必要な運動量の目安
- BDNFの効果
- テストステロンの効果
なども本書には書かれていました。
著者は運動のメリットを淡々と挙げることで、私たち読者の「理性」に訴えかけてきます。
これだけのメリットを知った上で、なおも運動をしない人間などこの世にいるのだろうか、と疑いたくなるほどに魅力的な内容が並んでいます。
網羅性が高くまとまっている
この手の本はたいてい、あれもやれ、これもやれってなもんで、結局なにが大事なのかわからないケースがほとんどです。
ところが、本書は違っていました。
内容のボリュームこそあるものの、
- 睡眠
- 運動
- 朝散歩
これら3つについて重点的に解説しています。
ゆえに、とっ散らかった印象は受けません。
「7時間程度の睡眠をとり、週2時間以上の運動をし、朝起きたら15分程度の散歩をしよう」というように、主張の軸が明確だからです。
これら主張の裏付けをするために、さまざまなエビデンスが紹介されていました。
ですので本書の読者は、
- なぜ睡眠が大事が
- なぜ運動をするべきか
- なぜ朝散歩が良いのか
これらを理解した上で実践できます。
メリットを把握できていれば、習慣を継続するためのモチベーションにもなるでしょう。
もし運動をサボりたくなったとしても、本書を開き、
- 成長ホルモン
- BDNF(脳由来神経栄養因子)
- テストステロン
などのメリットを再確認すれば、「運動するぞ、うおォォォ!」ってな気分になれます。
まとめ
さまざまなエビデンスを示しながら、どうすれば良いのかを読者にアドバイスしている良書でした。
具体的なアクションが記されているので、読んだらすぐ行動を変えられます。
ただし本書には、数カ所だけ、首をかしげたくなる記述がありました。
たとえば著者は、
「1日3食とるべきだ。なぜなら、100歳以上の長寿者を調べた研究で、1日3食とっている人が9割以上だと判明したからだ。3食しっかり食べている人が長生きする」
このように主張していました。
100歳以上で1日2食の人は、
- 男性:7.5%
- 女性:5.4%
だったそうですが、そもそも1日2食で生活している人が少ないことから、この結果はなんら不思議ではないといえます。
100歳以上に1日3食派が多いのは、そもそも日本人に1日3食派が多いからであって、これを長寿の理由に結びつけるのは誤りです。
1日3食が長寿の要因だと主張するためには、1日2食や1食の人間は(1日3食の人間にくらべて)平均寿命が短いことを証明しなければなりません。
それから本書には、
「遺伝的にカフェインに弱い人は、(コーヒーは健康に良いが)無理してコーヒーを飲まないこと」
との記述もあります。
がしかし、「遺伝的にカフェインに弱い人」とは、具体的にどんな人を指すのかが不明でした。
お酒と違い、コーヒーを飲んで酔っ払う人も、顔が赤くなる人も、キス魔になる人もいないからです。
- カフェイン耐性の判断基準が不明
- デカフェのコーヒーではダメなのかが不明
これらの疑問が残りました。
「大全」とあるように、本書には多くの情報を載せていることから、細部がやや粗くなってしまったのかもしれません。
数カ所「ん?」と思うところがある点を踏まえても、本書を読んで損はないといえます。
なぜなら、
- しっかり眠ろう
- たっぷり運動をしよう
と思わせてくれるだけで、本書にはじゅうぶん価値があるからです。
以上、樺沢紫苑著『ブレインメンタル強化大全』の要約と感想でした。
結論。読んだら毎晩7時間眠ろうと決心できるし、日ごろから運動をしようとも思える。結果として病気の予防効果、脳のパフォーマンス向上といったメリットを享受できる。
メンタルを強くする方法について、当サイトではこんな本も紹介しています。
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