トヨタのスポーツカー86は、2016年7月のビッグマイナーチェンジを境にして、前期型と後期型に分けられます。
後期型の発売が2016年8月1日からですので、
- 前期型:〜2016年7月31
- 後期型:2016年8月1日〜
厳密にはこのような区別となります。
中古市場において価格が安いのは前期型ですが、買うべきは、後期型です。
それも、ちょっとおすすめといったレベルの話ではありません。
買うなら断然、後期型です。
この記事では、
- 86前期型と後期型の違い
- なぜ86は後期型がおすすめなのか
など、「トヨタ86を買うなら後期型にすべき理由」をわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
トヨタ86を買うなら後期型にすべき理由3選
まずトヨタ86の前期型が持つメリットは、価格の安さ、それだけです。
購入コストを抑えられることを除き、前期型を買うメリットはありません。
ちょうど、高級ホテルとビジネスホテルを比較したときに、ビジネスホテルが「宿泊費の安さ」でしか買っていないようなものです。
- 食事
- 眺望
- 雰囲気
- サービス
- アメニティ
- 部屋の広さ
- 寝具やソファの品質
など、安さ以外ではすべて高級ホテルのほうが優れているのとおなじで、86後期型もまた、あらゆる面で「前期型」よりも優れています。
86の前期型と後期型について、
- エクステリアデザイン
- エンジン性能
- 坂道発進
これら3点をくらべてみましょう。
いずれもスポーツカーにとって大事な要素です。
1. エクステリアデザインの違い
ビッグマイナーチェンジ前の前期型と、以降の後期型を見分ける最大のポイントは、ルックスです。
86の前期型と後期型は、エクステリアデザインが大きく異なっています。
たとえば、フロントグリルの形状です。
後期型のフロントグリルは、前期型よりもガバッと横に大きく取られており、いっそう迫力を増しています。
- 迫力
- 威圧感
- かっこよさ
- スポーツカーらしさ
などが強いのは、間違いなく86後期型です。
ワイド&ローな後期型フロントマスクを見てから前期型を見ると、前期型の86がなんだかショボく、ダサく、古臭く、物足りなく感じられることでしょう。
憧れの86を手に入れるなら、数十万円の違いで妥協することはありません。
デザインが優れている後期型を選ぶべきです。
くわえて後期型では、
- ヘッドライト
- テールライト
いずれもフルLED化されています。
ライトそのものの形状は変わっていませんが、ライト内部のデザインが変更されており、後期型は"水平"を基調としたカタチになっています。
水平対抗エンジン(スバル製)を積むトヨタ86にぴったりのデザインだといえるでしょう。
事実、前期型のオーナーでも、テールライトだけ後期型と似たものに変えている人は少なくありません。
おそらくは、後期型のデザインを見て「そっちのほうがかっこいい」と羨ましく思ったがゆえです。
後期型の86に乗っていれば、前期型とすれ違ったとき優越感に浸れるのもメリットだといえます。
「買うタイミングを早まったようだね。こっちの後期型こそ86の完成形さ」
ブロロォーン、ってなもんです。
2. エンジン性能の違い
MTに限り、86後期型は、エンジンの最高出力が高められています。
2Lのエンジンはそのままに(ビッグマイナーチェンジにて)吸排気形の見直しが行われ、86のMT車は200馬力から207馬力へとエンジン出力がアップしました。
最大トルクに関しても、20.9kgf・mから21.6kgf・mへとアップしています。
86後期型AT車のエンジン出力は、前期型のそれと変わりません。
ゆえに86は、後期型のMTが一番速い、といえます。
スポーツカーはパワーがあってなんぼの自動車です。
7馬力の差は大きな違いでしょう。
たとえば、バカ売れしているホンダN-BOX(軽自動車)には、
- 自然吸気:58馬力
- ターボ:64馬力
これら2つのエンジンが用意されています。
そして、自然吸気エンジンのN-BOXを買い、パワー不足に不満を覚え、売ってターボモデルに買い替える人が世の中には存在しています。
馬力というのはお金とおなじで、あり過ぎて困るようなものではありません。
後期型86のMTを買えば、「86のなかでもっとも高いエンジン性能」が手に入れられます。
3. 坂道発進の違い
エンジン性能に引きつづき、これもマニュアルトランスミッションに限った話です。
オートマ車と違い、マニュアル車にはクリープ現象がありません。
ゆえに、上り坂で止まっている状態でMT車のブレーキから足を離すと、車が後ろへとずり下がっていきます。
だからこそMT車で坂道発進をするには、
- サイドブレーキを活用(教習所式)
- 素早くクラッチを繋ぐ(ベテラン)
いずれかの対応をしなければなりません。
ヘタをすればエンストしてしまう坂道発進は、マニュアルに不慣れなドライバーにとって、好きな人への告白とおなじくらい「ドキドキの瞬間」です。
ここで役立ってくれるのが、86後期型のMTにのみ搭載されている「ヒルスタートアシスト機能」です。
86後期型のMT車には、このヒルスタートアシスト機能が標準装備されています。
一定以上の傾斜がある坂道で停車したとき、ブレーキペダルから足を離しても、1〜2秒だけその場に踏みとどまってくれるのがヒルスタートアシスト機能です。
この機能があるかどうかで、坂道発進の難しさがガラッと変わってきます。
ヒルスタートアシスト機能があれば、
- 坂道発進時にエンスト
- ずり下がって後続車にぶつかる
といったトラブルや事故の発生リスクをグッと抑えられます。
「交通安全」のお守りよりも、ヒルスタートアシスト機能のほうがよほど役立つことでしょう。
先述のとおり、86前期型のMTには、坂道発進のサポート機能がついていません。
「86はスポーツカーだからMTで乗りたいけど、マニュアルは久しぶりで運転に自信がない」
という状況なら、86後期型一択です。
ちなみにアシスト機能が発動すると、インパネのライトが点滅する仕様になっています。
ゆえに、坂道で赤信号に引っかかった際など、「ヒルスタートアシストが作動しているかどうか」はインパネを見れば一目瞭然です。
まとめ
トヨタ86を買うなら後期型にすべき理由をお伝えしてきました。
安さ以外では、すべて後期型が前期型を上回っています。
- エクステリアデザイン
- エンジン性能
- 坂道発進
これらの違いだけでなく、
- インテリアデザイン
- 足回り関係のパーツ
- シャーシ
など、ビッグマイナーチェンジで、86はかなり大幅な変更が行われました。
端的にいって、86の前期型と後期型はほとんど別のスポーツカーです。
両者は似ていますが、見た目や走りなどが違います。
ちょうど、カレーとビーフシチューは似ていても、実際には別物であるのとおなじです。
車両価格の安さを優先し、あえて前期型の86を買うことはありません。
後期型の86を買ってローンで支払うのであれば、(前期型にくらべて)返済期間が数ヶ月〜1年ほど延びるだけです。
大きな買い物で後悔しないためにも、妥協を捨て、後期型の86を選ぶべきではないでしょうか。
以上、トヨタ86を買うなら後期型にすべき理由でした。
結論。車両価格は高いが、すべてにおいて後期型のほうが上。なぜなら、ビッグマイナーチェンジによって改良されているから。改良後の86と改良前の86、どっちのほうがクオリティが高いかはいうまでもない。
86後期型のATに関して、当サイトにはこんな記事があります。
86後期型のMTについて、当サイトにはこんな記事もあります。