自動車保険(任意)に加入したとき、オプションで「車両保険」をつけるべきか否かは、一概にはいえません。
なぜなら保険というのは、ギャンブルのようなものだからです。
保険はある種の賭けなので、「新車には車両保険をつけたほうが良い」などといったこともありません。
すべては、ケースバイケースです。
この記事では、
- そもそも車両保険とは何か
- 車両保険の有無でどれくらい料金が違うか
など、「自動車保険に車両保険をつける必要はあるのか」をわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
自動車保険に車両保険は必要か
自動車保険とは、自分のクルマにたいしてかける保険をいいます。
自動車保険に入っていれば、
- 交通事故
- 火災
- 台風
- 盗難
- イタズラ
などで車が損傷したり、全損したりしたときに、車の修理や買い替えにかかる費用を保険会社が補償してくれます。
車を所有していると、どんなことが起こるかわかりません。
- ガードレールに衝突
- 猛スピードで曲がって横転
- リレーアタックで車を盗まれる
- 誰かの恨みを買ってボディを傷つけられる
といったリスクは、少なからず存在しています。
こうした事態が生じたとき、入っていると安心なのが車両保険です。
なぜなら、数十万円の修理費用や買い替え費用を、自己負担せずに済む(保険会社が代わりに払う)からです。
必要だとも必要ないとも言えないのが現実
車両保険に関しては、
- 必要
- 必要ない
どちらともいえません。
たとえば、居眠り運転で全損事故を起こしてしまい、車が廃車になったとします。
痛恨の大失態ですが、車両保険に入っていれば200万円(金額は契約による)が補償され、「保険に入っていて良かった」となります。
いっぽうで、月々1万円近い車両保険の費用を払いつづけ、3年間ずっと車が無傷だったらどうでしょうか。
車両保険の出番はなかったわけなので、「この3年間で支払った40万円は無駄だった」となります。
とはいえ、これらはいずれも結果論であって、私たちがどっちに転ぶかはわかりません。
だからこそ、保険は「賭け」なのです。
車が損傷するほうに賭けるのか、無傷でいられるほうに賭けるのか、ここの考えによって、車両保険に入る・入らないは変わってきます。
もちろん世の中には、車両保険に入っていない人も少なくありません。
理由はシンプルで、車両保険を付帯すると、毎月の保険料がグッと上がるからです。
車両保険は自動車保険(任意)につけるオプションのひとつで、つけてもつけなくても、どちらでも構いません。
ラーメンでたとえるなら、味玉トッピングのようなものです。
ただし、味玉のトッピング料金はどのラーメン屋でもだいたい100〜200円程度ですが、車両保険をつけて生じる追加費用は、車種や年式によって大きく異なります。
また、保険会社によっても保険料は異なります。
だからこそ、一概に「車両保険をつけると月々プラス1万2千円です」などとはいえないわけです。
車両保険に入ると毎月の追加料金は?
車両保険に入ったことで生じる料金は、
- 車種
- 年式
などによって異なります。
そんな車両保険の金額は、「型式別料率クラス制度」の影響を受けています。
世の中には、損害保険料率算出機構というものが存在していて、この機構が、型式ごとの事故実績を調べ、それぞれの料率を決めています。
たとえば、
- 日産 マーチ
- スズキ スイフト
- マツダ CX-5
- マツダ CX-8
- トヨタ ランドクルーザー
- ホンダ フィット
- スバル レヴォーグ
など、すべての車種ごとに事故実績を調べているわけです。
これが、型式別料率クラス制度です。
ですので、私たちが「どの車に乗っているか」によって、(車両保険含め)自動車保険料は異なります。
たとえば車両保険に関して、コンパクトカーの料率は低めです。
つまり、保険料が安い、ということです。
いっぽうで、高級車やスポーツカーは料率が高い傾向にあります。
理由は単純で、高級車の場合は、修理費用が高額だからです(つまり保険会社が負担する額が大きい)。
たとえば、コンパクトカーのバンパーを擦って修理に2万円かかるところ、ポルシェ911(約1,300万円)だと20万円かかったりします。
スポーツカーの料率が高いのは、事故そのものが多いからです。
公道でスピードを出し過ぎるなどといった無謀な運転をし、
- 大クラッシュ
- 車両保険を使って修理
というパターンが、他の車種よりも多いからこそ、スポーツカーの料率は高くなりがちです。
「スポーツカーは車両保険を使う可能性が高いから、採算がとれるように料金を高めに設定しておこう」
これが保険会社の考えだといえます。
まとめ
車両保険についてお伝えしてきました。
車両保険はギャンブルのようなもので、
- 車にトラブルが起こる
- 車にトラブルが起こらない
どちらに賭けるかの勝負です。
「トラブルが起こる」に賭けて車両保険に入り、結局なにもなかったとしたら、勝負に敗れたことになります。
なぜなら、車両保険に加入する必要がなかったからです(結果論)。
「トラブルが起こらない」に賭けていたのに、台風で車がひっくり返って壊れてしまった場合、勝負に敗れたことになります。
「車両保険に入っておくんだった」ってなもんです(これも結果論)。
ゆえに、車両保険が必要かどうかは、なんともいえません。
個人の考え方しだいです。
ただし、車両保険の料金を安く抑える方法なら、明確です。
- 車両保険に「免責」をつける
- ダイレクト型(ネット型)自動車保険に入る
- 補償の範囲を限定する
これらの工夫で保険料を節約できますので、車両保険を検討しているなら、参考にしてみてください。
一度、ダイレクト型(ネット型)自動車保険で見積もりを取ってみるのも悪くないはずです。
以上、自動車保険に車両保険をつける必要はあるのかどうか、でした。
結論。保険はほぼギャンブルであり、なんともいえない。競馬で「3番人気の単勝を1万円分買ったほうが良いかどうか」と問われ、誰も明確な答えを出せないのといっしょ。車の未来も、レースの結果も、どうなるかはわからない。車両保険に入ればリスクヘッジになる。安心感も得られる。