飛び石とは、前を走っている車のタイヤが、後方へバシッと弾き飛ばした小石のことをいいます。
飛んできた石の大きさやスピードによっては、
- ボディに当たった箇所の塗装が剥がれる
- フロントガラスにヒビが入る
といった被害を受けます。
飛び石被害を100%避ける方法は「車を運転しないこと(動かさなければ当たらない)」ですが、現実的ではありません。
そこでこの記事では、
- 車間距離を空けて走る
- プロテクトフィルムで保護する
など、「飛び石による車の傷を防ぐ方法」をわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてみてください。
飛び石による車の傷を防ぐ方法3選
大切な車を飛び石から守る方法は3つあります。
うち2つはタダで実践できて、1つはそれなりの費用がかかります。
- 車間距離を空けて走る(無料)
- 高速道路を避ける(無料)
- プロテクトフィルムを貼る(有料)
これら3つの対策をすべて行えば、飛び石があたって愛車のボディが傷つく心配はないでしょう。
1. 車間距離を空けて走る
飛び石の直撃を避けるなら、前の車との車間距離を空けて、空けて、空けることです。
なぜなら、前方車との車間が離れているほど、飛び石被害に遭うリスクを下げられるからです。
反対に、前を走行するクルマへ接近すればするほど、飛び石がボディに当たりやすくなります。
たとえば街中を走っているスポーツカーには、フロントの塗装が点々と剥がれているものも珍しくありません。
これは、「前の車に近づいて走るクセがある証」です。
「スピードを出して走りたいのに、前の車がノロノロ走っていて邪魔だ」
そんな苛立ちから、スポーツカーのドライバーはつい車間を詰めてしまうのでしょう。
結果、飛び石がボディにバチバチと当たり、フロント部分に傷がつきます。
ちなみに、中古のスポーツカーもしばしばフロントに飛び石の傷がついているので、買う際には注意が必要です。
車間が近いと飛び石が当たりやすい理由はシンプルで、車間距離が近いということは、的が近くて大きい、ということだからです。
50センチ先の空き缶に小石をぶつけるのは簡単でも、10メートル先の空き缶に小石を投げてぶつけるのは至難の技です。
飛び石もおなじで、愛車にキズがつかないよう守るためには、前方車との車間を空けて走るのが効果的だといえます。
私たちにとってお金は"あればあるだけ良い"のと同様で、車間距離もまた、"離れれば離れるほど良い"(飛び石のリスク低減につながる)でしょう。
2. 高速道路を避ける
実際のところ、一般道を30〜50km/時で走っているぶんには、飛び石被害に遭うリスクはそれほど高くありません。
もし街中を走行していて小石がボディにコツンと当たっても、クルマの塗装は剥がれないことがほとんどです。
ですので、低速で走る一般道では、飛び石にビクビクする心配はないといえます(ひとまず車間だけ空けておけばOK)。
問題は、高速道路です。
自動車が時速100km近いスピードで走る高速道路では、小石もまた、猛スピードで飛んできます。
- 時速100kmで向かってくる小石
- 時速100kmで前進する車
この両者がバチコーンと衝突したとき、場合によってはボディの塗装が剥がれたり、フロントガラスにヒビが入ったりします。
実際、高速道路を300〜400kmほど走った後で車をよく点検してみると、出発前にはなかった塗装の剥がれ(飛び石被害)に気づくことも珍しくありません。
- 社用車
- 高速通勤者のマイカー
など、しばしば高速道路を走行しているクルマのフロントマスクは、たいてい飛び石の傷だらけです。
高速道路をたとえるなら、銃弾が飛び交う戦場です。
大切なクルマに傷をつけたくない場合は、リスキーな高速道路の利用を控え、安全な一般道(下道)で移動するのが良いでしょう。
もし高速道路を走るなら
やむをえず高速道路を走る際には、飛び石を避けるためのポイントが2つあります。
- 前方車との車間距離を空ける
- ICから侵入してきた車の後ろを走らない
前者はすでにお伝えしたとおりなので、後者を解説します。
ICから高速道路に入ってきた車のタイヤには、その溝に、しばしば小石が挟まっています。
- 高速走行で遠心力が強まる
- タイヤが温まって柔らかくなる
これらの条件が揃ったとき、タイヤに挟まっていた小石がスポーンと抜け、「飛び石」となって後方へ発射されるのです。
いうまでもなく、後ろを走っていたらアウトです。
インターチェンジから合流してきたばかりの車は「飛び石発射マシン」だと認識し、愛車を守るためにサッサと追い越すのが良いでしょう。
凶悪な、飛び石発射マシンの後ろについて走る必要はありません。
3. プロテクトフィルムで保護する
最後に「有料」の飛び石対策をご紹介します。
新品のスマートフォンを買ったら画面に保護フィルムを貼るように、クルマにも、じつは保護フィルムが存在しています。
スマホの保護フィルムとおなじで無色透明なので、車に貼っても「見た目」は変わりません。
ただしスマホの画面とちがって、自動車のボディは大きく、その形も複雑なので、自分でフィルムを貼るのではなく、プロの専門業者に依頼するのが一般的です。
車用のプロテクトフィルムは、
- フロントバンパー
- ボンネット
など、飛び石が当たりやすい場所だけを選んで貼ることができるほか、ボディ全体をまるっとフィルムで覆うこともできます。
プロテクトフィルムの施行にかかる料金は、車種によって変わります。
目安として、フロントバンパーとボンネットの2箇所セットで20万円前後の費用がかかると見ておくと良いでしょう。
それほど安い施行料金ではないため、
- ポルシェ
- ベントレー
- フェラーリ
- マクラーレン
- ランボルギーニ
- ロールス・ロイス
- アストンマーティン
など、施行車の多くは、高級車が占めてます。
というのも、中古の型落ちポンコツ軽自動車とちがい、1台2,000万円以上の高級車に傷がついたら「平気」ではいられないからです。
上のような"超"がつく高級車は別としても、
- BMW
- ベンツ
- アウディ
- レクサス
といった、プレミアムブランドの車にプロテクトフィルムを貼るオーナーもいます。
- トヨタ86
- トヨタハリアー
など、500万円以下で買える国産車なら、飛び石が当たりやすいフロント部分にだけフィルムを貼るのが良いでしょう。
ボディをまるっと保護すると、100万円以上がスルッと消えてなくなります。
大衆車の車両価格を考えたとき、そこまでのコストをかけて保護するメリットはないといえます(修理に出したほうが安い)。
軽自動車やコンパクトカーなどのいわゆる「大衆車」であれば、わざわざ数十万円の費用をかけてまでプロテクトフィルムを貼る必要はありません。
ちょうど、築55年の木造ボロアパート(空き巣や強盗が狙わない)に、「セコム」の牢固なセキュリティが必要ないのとおなじです。
まとめ
飛び石の被害からクルマを守る術をお伝えしてきました。
- 車間距離を空ける
- 高速道路を走らない
- プロテクトフィルムを貼る
これら3つの対策をすれば、飛び石が当たって車が傷つくリスクをグッと下げられます。
なかでも、お金がかかるだけあって「プロテクトフィルム」は飛び石のキズ予防にかなり有効なので、いちど業者のウェブサイトで料金を確認してみてください。
カー用品店にはタッチアップペイントという商品が売っていて、これは飛び石の傷を塗って消せるペンですが、「塗った箇所」が目立つため使用はおすすめしません。
大切なのは、傷の修復ではなく、クルマに傷がつかないよう予防することです。
以上、飛び石による車の傷を防ぐ方法3選でした。
結論。車間を空ける。高速道路を避ける。プロテクトフィルムを貼る。タッチアップペイントで塗装が剥がれた箇所を塗るのは、虫歯になった歯をドリルで削るようなもの。負け。
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