スズキが販売するスイフトスポーツは速いのでしょうか。
それとも、遅い自動車なのでしょうか。
その答えを出すには、まずなにと比較するのかを明確にする必要があります。
たとえば、リュックサックを想像してみてください。
どこのブランドでも構いません。
キャリーケースに比べれば「小さい」といえますが、ボディバッグに比べれば、リュックサックは「大きい」といえます。
自動車の速さもおなじです。
ベースとなっているスイフトと比較すれば、スイフトスポーツは速いといえるでしょう。
ただし、トヨタ86やスバルBRZに比べれば、スイフトスポーツの評価は「遅い」となります。
そこでこの記事では、
- 通常のスイフトとの比較
- スポーツカーTOYOTA86と比べたら
など、「スズキ・スイフトスポーツは遅い自動車なのか」をわかりやすく解説します。
その相対的な速さを理解するため、ぜひ参考にしてみてください。
スズキ・スイフトスポーツは遅い自動車なのか
どの車と比べるかによって、スイフトスポーツの評価はガラッと変わります。
もしフェラーリやランボルギーニといったスーパーカーと比較したら、スイフトスポーツは"亀のように遅い車"です。
しかし、トラクター(農耕車)に比べたら"光のように速い車"だといえます。
つまり重要なのは、スイフトスポーツをどの車と比較するのか、という点です。
もしも世界でもっとも速い自動車が欲しいとしたら、ブガッティ・シロン(1,500馬力)を買うほかありません。
シロンの車両価格は、3億円ちょっとです。
標準のスイフトよりは速い
ひとまず、スイフトスポーツのベース車両となっている通常のスイフトと比べてみましょう。
スイフトは全グレードにおいて排気量1,242ccの自然吸気エンジンを搭載しています。
- 最高出力:91馬力
- 最大トルク:12.0kg・m
スペックはご覧の通りです。
たいするスイフトスポーツは排気量1,371ccの直列4気筒ターボエンジンを積んでいて、
- 最高出力:140馬力
- 最大トルク:23.4kg・m
このようなスペックとなっています。
パワーの差は一目瞭然です。
スイフトスポーツのほうが速いのはいうまでもありません。
スズキ・スイフトに限った話ではなく、
- トヨタ・ヤリス
- ホンダ・フィット
- 日産・マーチ
といった他社のコンパクトカーに比べても、速さではスイフトスポーツが上です。
したがって、軽自動車やコンパクトカー(コンパクトSUV含む)といった街中を走っている大半の自動車よりも、スイフトスポーツのほうが速いといえます。
トヨタ86に比べると遅い
では、コンパクトカーではなく、本格的なスポーツカーと比較するとどうでしょうか。
スポーツカーのなかでも値段が手頃なトヨタ86とくらべてみます。
TOYOTA86(MT)のスペックは、
- 1,998cc水平対抗4気筒エンジン(自然吸気)
- 最高出力:207馬力
- 最大トルク:21.6kgf・m
このようになっています。
ちなみにATのほうが7馬力低く、最高出力は200馬力です。
たいしてスズキ・スイフトスポーツは、
- 1,371cc直列4気筒ターボエンジン
- 最高出力:140馬力
- 最大トルク:23.4kg・m
すでにお伝えした通りご覧のスペックでした。
トルク(加速力)はスイフトスポーツのほうが上ですが、絶対的なパワー(馬力)は86が優位です。
したがって、峠道や高速道路など力を要するシチュエーションでは、86のほうが速く走れるといえます。
くわえてボディ形状の違いも、走りの速さに影響してきます。
ハッチバックのスイフトスポーツにたいし、86はスポーツカーらしいクーペスタイルを採用しています。
86のほうが車高が低く、重心も低いため、コーナリングスピードに大きな差が生まれます。
スイフトスポーツでは横転しそうになる速度でも、(地面に張りつくようなスタイルの)86なら難なく曲がれる、ということです。
それだけではありません。
この2台は駆動方式も違っていて、FFのスイフトスポーツにたいし、86はFRです。
後輪駆動(FR)のほうがコーナリング性能が高いため、こうした点でも86のほうが速い、クイックに素早く走れるといえるでしょう。
ただし、日本の道路を法定速度以下で走るだけなら(サーキットへ持ち込んだりしないなら)、スイフトスポーツでもじゅうぶんです。
スイフトスポーツはけっして遅くありません。
もし公道で86のパワーを炸裂させたら、スピード違反で警察に取り締まられるのがオチです。
オービスが光るか、警官に止められるか、白バイ/覆面パトカーに追いかけられます。
そして運転免許を失います。
ここが日本ではなくドイツで、法定速度がないアウトバーンのような地帯があったなら、よりパワフルな車のほうが楽しめたでしょう。
ポルシェ911ターボSを買って、時速250kmでぶっ飛ばしたいところです。
がしかし、ここはドイツではなく日本で、公道にはすべて制限速度が設けられています。
この「枠」のなかでドライビングを楽しむなら、スイフトスポーツでもなんら問題ない、ということです。
まとめ
スイフトスポーツの魅力は、一にも二にもそのお手頃な価格にあります。
新車の車両価格は201万円からです。
200万円を超える軽自動車は珍しくありませんし、たいていのコンパクトカーもおなじような価格帯です。
がしかし、スイフトスポーツの「運転する楽しさ」は、群を抜いています。
そこらの自動車の比ではありません。
これがスイフトスポーツが支持されている理由です。
つまり、経済的負担を抑えつつドライビングの楽しさが味わえる、ということです。
トヨタ86のエントリーモデルは267万円で、売れ筋のGTグレードは300万円オーバーです。
差額を考えたら、スイフトスポーツを買い、運転しながらあちこち旅するのも悪くないのではないでしょうか。
ぜひスズキのディーラーで展示車を見たり、試乗車を運転したりしてみてください。
それでも本格的なスポーツカーである86に惹かれる場合には、新車ではなく、中古で86を買う手もあります。
興味があれば、カーセンサー等の中古車情報サイトで調べてみてはいかがでしょう。
以上、スズキ・スイフトスポーツは遅い自動車なのかでした。
【結論】比較相手による。軽自動車やコンパクトカー(通常のスイフト)に比べれば速い。峠道や高速道路で負けない。ただし、86に比べると遅い。日産フェアレディZやGT-R、スバルWRXと比べても同様。日本の公道をおとなしく走るだけなら、スイスポでじゅうぶん。近所へピクニックへ行くのに、キャリーケースが必要ないのとおなじ。キャリーケースも、ガチのスポーツカーも過剰。
スイフトスポーツに関して、Amazonではこちらのムック本が売っています。
もし紙媒体が品切れの場合は、Kindle版(電子書籍)もご購入いただけます。
スイフトスポーツの燃費とガソリン代に関して、当サイトにはこんな記事があります。
オートマのスイフトスポーツについて、当サイトにはこんな記事があります。