Amazonが提供しているKDP(Kindle direct publishing)で電子書籍を出版する際、申請手続きを済ませると、ステータスに「レビュー中」と表示されます。
この時点でコンテンツのミスや誤記に気づくことがありますが、時すでに遅し、です。
レビュー中の出版物および商品情報(タイトルや紹介文)に手を加えることはできません。
申請を取り下げて、いったん「無かったこと」にしたいところですが、それも不可能です。
つまり「レビュー中」となった時点で、もう出版を止めることはできない、ということです。
ちょうど、好きな人に手渡してしまったラブレターを修正したり、返してもらったりできないようなものです。
果たしてここから挽回できるのでしょうか。
この記事では、
- レビュー中の時点でできること
- いつになったら修正できるのか
など、「KDPのステータスがレビュー中でも修正や取り下げは可能か」をわかりやすく解説します。
出版への影響を最小限に抑えるため、ぜひ参考にしてみてください。
【KDP】レビュー中の変更や取り下げは可能?
コンテンツを投稿して、表紙画像をアップして、商品情報を入力して、Amazonに申請してしまったら、あとはもう「待つのみ」です。
誰かが使用中のトイレに入れないのとおなじで、Amazonがレビュー中の電子書籍の修正や変更、取り下げはできません。
出版ステータスの「レビュー中」とは「審査をしている最中」ということで、コンテンツが不適切だったり違法だったりしないかを、Amazon側が判断している段階です。
いままさに内容をチェックしているわけなので、変更や修正はできません。
現状をたとえるなら、高校のテストが終わって答案用紙を回収された後、といったところでしょう。
私たちにできるのは、ただ待つこと、それだけです。
そこで気になるのが「いつまで待てば良いのか」という点です。
- 表紙を差し替えたい
- 説明文を修正したい
- タイトルの誤記を直したい
- コンテンツを一部変更したい
われわれのこうした希望は、いつになったら実現されるのでしょうか。
修正や取り下げができるタイミング
「レビュー中」のコンテンツの修正や取り下げができるようになるのは、Amazonのサイト上で電子書籍が出版されてからです。
言い換えると、一般ユーザーの購入・ダウンロードが可能になるまで、著者が出版物(および商品情報)に手を加えることはできない、ということです。
もしかすると、「不十分なコンテンツ」を誰かが購入してしまうかもしれません。
これは著者の信用に関わる問題です。
ではどうすれば良いのかといえば、
- こまめにページを更新する
- ステータスを確認する
- 「販売中」になったらすぐ修正する
これしか方法はありません。
ただし困ったことに、承認されて販売がスタートするタイミングは予測できません。
たとえば、深夜2時に「販売中」へとステータスが切り替わる可能性があります。
せっかく修正可能になったというのに、これでは対応できません。
布団のなかで夢を見ているからです。
作品のレビュー(審査)には最大で72時間かかるため、場合によっては長期戦となります(何度更新してもステータスはレビュー中のまま)。
まるで好きな人に告白したところ返事を保留にされ、いつになるともわからないまま待ち続けるようなものです。
神経が疲れてしまうでしょう。
ただ身も蓋もない話をするなら、電子書籍にミスがあったからといって焦る必要はないといえます。
というのも、私たちは村上春樹ではなく、われわれの新刊を心待ちにしている読者など存在しないからです。
Amazonで販売が始まったとして、電子書籍が飛ぶように売れたり、ダウンロードされたりはしないでしょう。
訂正する時間はたっぷりあります。
イライラせず、落ち着いて、ステータスが「レビュー中」から「販売中」へ切り替わるのを待ちましょう。
KDPの出版ステータスは、
- レビュー中
- 出版準備中
- 販売中
この順で推移します。
もし「出版準備中」と表示されていたら、間もなく販売がスタートします。
いつでも加筆訂正できるよう臨戦態勢を整えてください。
出版停止の判断基準
修正が軽微なものであれば、わざわざコンテンツの出版を停止する必要はありません。
たとえば、「です。。」の句点を1つ取りたい、といった場合です。
作品や商品情報の当該箇所をサッサと直して、Amazonに再申請しましょう。
出版時とおなじようにレビュー(審査)され、問題ないようなら変更が反映されます。
変更時のレビューは、たいてい出版時よりも短時間で済みます。
早ければ申請してから1時間も経たないうちにステータスが「販売中」となるでしょう。
ちなみにこの間はずっと修正前のコンテンツが配信されていますが、村上春樹ばりに読者が押し寄せることはないはずなので、ハラハラしなくても大丈夫です。
もしコンテンツを大幅に変えたい場合、すなわち修正に時間がかかりそうであれば、いったん出版の停止を申請すると良いでしょう。
ただしこの操作もレビュー中は不可能で、ステータスが「販売中」になってようやく行えます。
電子書籍の配信を止めるメリットは、"問題のあるコンテンツ"を一時的にオフラインにできることです。
具体的には、Amazonの商品ページから作品が消えます(ただし非表示になるまで最大で72時間かかる)。
不十分な作品を誰かに読まれなくて済むため、不名誉を避けられるでしょう。
納得できるコンテンツ・商品説明文が書けたら、再販売の手続きを行いましょう。
お伝えした通り「ライトな修正」であれば、出版は停止せず、そのまま「編集して申請して反映」させたほうがスムーズです。
ちょうど、1泊2日の旅行をするにあたって、自宅の電気や水道を止める必要がないのとおなじです。
まとめ
ステータスに「レビュー中」と表示されている現在、私たち著者にできることはありません。
せいぜい「もっとよく確認しておくんだった」と反省するくらいでしょう。
「好きです!」と告白してしまった若者のようなもので、訂正することも、取り消すこともできません。
コンテンツや説明文に手が加えられるようになるのは、ステータスが「販売中」に切り替わってから、です。
それまでは辛抱強く待ちましょう。
ところで電子書籍の、具体的に「どこ」を変更しようとしていますか?
タイトルの大幅な変更はできませんのでご注意ください。
たとえば作品のタイトルを『赤と黄色のパンダ』から『真っ黒なゾウ』へと跡形もなく変えたいような場合には、キンドルの販売を停止して(コイツは臨終)、変更後のタイトルで改めてイチから申請しなおすことになります。
以上、KDPのステータスがレビュー中でも修正や取り下げは可能なのか、でした。
【結論】レビュー中は為す術なし。ステータスが販売中になって、ようやく編集や出版停止が可能になる。ただしタイトルの大幅な変更はできない。「どこまでOKなのか」はAmazonの判断次第。次回の出版では、申請前にミスがないかよく確認したい。終了5分前、学生がテストの答案を見直すように。
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