ヤリスクロスは2020年8月に、カローラクロスは2021年9月に発売されたSUVです。
どちらもトヨタが製造・販売しています。
詳しくは後述しますが、この2車種のイチバンの違いは「ボディサイズの大きさ」だといえます。
服のサイズでたとえるなら、ヤリスクロスがSサイズ、カローラクロスがMサイズです。
おもな用途や駐車場のスペース次第で「どちらが良いか」は変わってくるでしょう。
もし人や荷物をたくさん載せたいなら、よりボディサイズが大きいカローラクロスがおすすめです。
コンパクトな自動車がお好きなら、ヤリスクロスのほうが適しているかもしれません。
この記事では、
- ボディサイズと価格の違い
- 内装の質感の違い
など、「ヤリスクロスとカローラクロスの違い」をわかりやすく解説します。
それぞれ比較・検討するため、ぜひ参考にしてみてください。
ヤリスクロスとカローラクロスの違い
ヤリスクロスとカローラクロスの主な違いを、
- ボディサイズと価格
- 内装の質感
- 走行性能
この3つに分けてお伝えします。
ご自身に合っているのはどっちなのか、ジャッジしてみてください。
まずはボディの大きさと価格についてです。
ボディサイズとあわせて、居住性や積載性も見ていきましょう。
1. ボディサイズと価格の違い
名称からわかる通り、ヤリスクロスはヤリスを、カローラクロスはカローラをベースに作られています。
ボディサイズはカローラのほうがヤリスよりも大きく、それは「クロス」がついても変わりません。
- ヤリスクロス:Bセグメント
- カローラクロス:Cセグメント
このように、それぞれクラスが異なっています。
具体的な数値を見ると、
【ヤリスクロス】
- 全長:4,180mm
- 全幅:1,765mm
- 全高:1,590mm
【カローラクロス】
- 全長:4,490mm
- 全幅:1,825mm
- 全高:1,620mm
ご覧のとおりとなっています。
ところで、狭い路地でのすれ違いを苦手としていませんか?
日本の道路事情では、ひとつの目安として「全幅1,800mm以下のクルマが運転しやすい」とされています。
全幅1,765mmのヤリスクロスは合格ですが、全幅1,825mmのカローラクロスは25mmオーバーしています。
ちょうどスーパーで「大型のカート」を押していると店内を移動しにくいようなもので、理想値よりも幅が広いカローラクロスでは、運転に気を遣う場面があるかもしれません。
狭い路地や駐車場を得意としているのは、コンパクトなヤリスクロスのほうです。
では、車両価格はどうでしょう。
絵画とおなじで、自動車も「サイズが大きいほど値段が高い」のが一般的です。
したがって両者の価格は、
- ヤリスクロス:258万円〜
- カローラクロス:299万円〜
このようになっています。
上記はいずれもハイブリッドモデルの価格なので、ガソリンモデルを選べばさらに安くなります。
それでもヤリスクロスのほうが安価であることには変わりません。
後席の居住性・荷室の積載性
どちらも定員は5名ですが、後部座席に人を乗せる機会が多いなら、カローラクロスのほうが喜ばれます。
開放的かつ快適だからです。
まず、カローラクロスの後席背もたれには2段階のリクライニング機能がついており、乗員は背もたれを後ろへ倒して休むことができます。
ヤリスクロス後席の背もたれはリクライニングしません。
頭上のスペースにも差があります。
広くて開放的なのはカローラクロスです。
ヤリスクロスはボディが小さいぶん、余裕もそれなりです。
近場の移動ならともかく、4人でヤリスクロスに乗って旅行へ出かけるとなると、後部座席に座る乗員はしんどいかもしれません。
後ろに座るのが大人(ないし高校生以上)であれば尚更です。
後席の乗員にリラックスしてもらいたいとすれば、車内が広いカローラクロスを買うのが無難でしょう。
荷室(ラゲッジスペース)の広さは2台ともほとんどおなじです。
タテヨコは変わりませんが、荷室天井部の高さでは、カローラクロスが優っています。
とはいえ、天井まで荷物を積み上げるシーンはそうそう無いはずなので、荷室の広さは決め手にはなりません。
どちらを選んでも大差ない(必要十分なスペース)、ということです。
2. 内装の質感の違い
もしインテリアの質感を重視するなら、カローラクロスで決まりです。
というのも、ヤリスクロスの内装はお世辞にも"高級感がある"とはいえないからです。
たとえば、ヤリスクロスのインパネはプラスチック感が丸出しで、安っぽさを覚えます。
カローラクロスはインパネに「柔らかいパッド」を使用しており、ヤリスクロスのようなチープさはありません。
もちろんカローラクロスはそのぶん価格が高いわけなので、当然といえば当然の差です。
たくさんお金を出せば豪華トッピングの具沢山ラーメンが食べられるのとおなじで、余分にお金を払えば上質なインテリアの車に乗れる、というだけの話です。
したがって「寝泊まりできるなら安いビジネスホテルでじゅうぶん。シティホテルなんて興味ない」というように、「移動できれば内装はどうでも良い」という価値観をお持ちであれば、ヤリスクロスのほうがおすすめです。
よけいな装飾にコストをかけていないからです。
このあたりは価値観次第だといえるでしょう。
内装の質感は私たちの「気分」に影響します。
ガソリン代や維持費、耐久性、乗り心地にはなんら関係ありません。
ちなみに、カローラクロスの内装さえ「安っぽい」と批判する人が世の中にはいます。
当然ながら価格帯が上のSUVハリアーに比べたら劣るわけで、上を見たらキリがありません。
もしカローラクロスの内装が気に入らない場合には、価格帯が近いマツダのCX-30、MX-30あたりをチェックしてみてください。
マツダはインテリアの美しさに定評があります。
3. 走行性能
燃費は、ヤリスクロスもカローラクロスも大差ありません。
ガソリンではなく、低燃費のハイブリッドモデルを選べば、どちらも26.0km/L(WLTCモード)近く走ってくれます。
使用燃料はどちらもレギュラーガソリンです。
ただし、搭載しているエンジンの排気量は異なります。
- ヤリスクロス:直列3気筒1.5L
- カローラクロス:直列4気筒1.8L
エンジンにパワー(馬力とトルク)があるのはカローラクロスです。
それから、気筒数が多いほどエンジンノイズは小さくなるので、3気筒のヤリスクロスと4気筒のカローラクロスでは、後者のほうが高い静粛性を実現できています。
このあたりの違いに関しては、トヨタのディーラへ行き、試乗車を乗り比べてチェックしてみてください。
というのも、音の感じ方には個人差があるからです。
案外、ヤリスクロスの3気筒エンジンでも「気にならない」かもしれません。
発進時の加速フィールに関しても、運転席に座ってステアリングを握り、ご自分で体感してみるのが一番でしょう。
スペックだけを見比べていて納得できるものではありません。
ちょうど、気になっている2つのマットレスをスマホの画面で眺めていても決心がつかないのとおなじです。
大切なのは、体感することです。
まとめ
ヤリスクロスとカローラクロス、もちろんデザインや自動車税など細かな違いはいくつもありますが、
- ボディサイズと価格
- 内装の質感
- 走行性能
これらの差異に的を絞って優先的に比較・検討すれば問題ありません。
ボディが大きいのはカローラクロスです。
大きなボディを動かすために排気量が大きいエンジンを積んでいるのもカローラクロスです。
そして車両価格が高いのもまたカローラクロスです。
- 大きくて質感の高いカローラクロス
- コンパクトかつ低コストのヤリスクロス
どちらを選ぶのか、用途や価値観と照らし合わせながら考えてみてください。
- 内装の質感
- 運転しやすさ
- 走行時のノイズ
- 加速のスムーズさ
などは、トヨタのディーラーで試乗車に乗り比べてみるのが手っ取り早く、確実です。
「試乗したら契約しなければならない」
という決まりはどこにもないので、遠慮せずディーラーを訪れてみてはいかがでしょう。
もし中古の購入を考えているとしても、トヨタのディーラーで2車種に試乗しておいて損はありません。
というのも、たいていの中古車ショップは試乗NGだからです。
中古車を買うなら、まず新車のディーラーで試乗車運転しておいて、納得した上で中古を買いに行くのがおすすめです。
試乗予約はウェブサイトから行えます。
予約しなくても試乗はさせてもらえますが、予約を入れておいたほうがスムーズかつ確実です。
以上、ヤリスクロスとカローラクロスの違いについてでした。
【結論】ボディの大きさが違う。価格も違う。内装の質感も違う。後席の広さも違う。リクライニングの有無も違う。燃費は変わらない。荷室のスペースも変わらない。走行時の静粛性は違う。違いを知るには試乗がベスト。せっかく無料で試乗できるのだから、想像力に頼る必要はない。
ネット通販サイトAmazonでは、ヤリスクロスに興味があるユーザーにこちらのムック本が売れています。
カローラクロスに関しては、こちらの雑誌に詳しい解説が載っています。
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