2020年6月に登場したトヨタ新型ハリアー(4代目)のボディは、流麗なクーペフォルムです。
外観こそ美しいものの、たとえば、ルーフが下がっているぶん後部座席の頭上は狭い、といった"しわ寄せ"は生じていないのでしょうか?
あるいは3〜5人でハリアーに乗ってロングドライブに出かけるとして、乗員がくつろげる「リクライニング機能」は、後席にも備わっているのでしょうか。
リアシートの実用性を確認してみましょう。
この記事では、
- 足元や頭上スペースは充分あるか
- 後席の背もたれもリクライニングするか
など、「新型ハリアーの後部座席」についてほかのSUVと比較しながら解説します。
購入するか否かの判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。
新型ハリアーの後部座席は快適なのか
2020年6月にデビューした新型ハリアーはSUVのなかでもボディサイズが大きく、室内空間に余裕があります。
シートは2列で、乗車定員は5名です。
ハリアーの室内空間はカローラクロスやヤリスクロスよりも広いため、窮屈さや閉塞感がありません。
よほど大柄でもない限り、後ろの席に座る乗員ものびのびと快適に過ごせることでしょう。
ただひとつハリアーが残念なのは、後部座席の背もたれがリクライニングしないことです。
後席はリクライニング不可
ハリアーの後部座席にはリクライニング機能が備わっていません。
映画館のシートとおなじで背もたれが固定されていて角度を変えられない、ということです。
これはハリアー全グレードにおいて共通の仕様です。
オプションで「後席のリクライニング」を追加することもできません。
ハリアーを購入するならリアシートのリクライニングは諦める必要がある、といえます。
では、ハリアーのように、トヨタのSUVは後席の背もたれが固定されているのでしょうか?
答えはノーです。
それぞれ個別に見ると、
- ライズ:リクライニング可
- ヤリスクロス:不可
- CH-R:不可
- カローラクロス:リクライニング可
- RAV4:リクライニング可
後席の仕様はご覧のとおりとなっています。
ちなみにボディサイズは、RAV4がハリアーと同等で、ほかはすべてハリアー以下です。
ゆえに、もしハリアーをやめてカローラクロスを選んだ場合、リクライニングが可能になる代わりに後席のスペースは狭くなる、といえます。
もちろん、インテリアの質感も高級車ハリアーには劣ります。
ハリアーとRAV4は共通のプラットフォーム(土台)を使用する「兄弟車」ですが、ハリアーの後席がリクライニングしないのにたいして、RAV4の後席はリクライニング機能を備えています。
どうしてもリクライニングが必要なら、ハリアーとほぼおなじボディサイズのRAV4を選択するのもひとつの手です。
リアシートの実用性
ハリアーの後部座席は広く、身長170cm程度の大人でも余裕をもって座れます。
ただし、2列目の席に大人3人が座るのは厳しいかもしれません。
快適に座れるのは2人までで、もし後席に3人座れば、お互い肩や脚がぶつかること必至です。
それに、リアシート中央の背もたれ(バックレスト)は収納式のアームレストになっており、ホールド性に欠けていて、座り心地はイマイチです。
新型ハリアーの乗車定員は5名ですが、快適に乗れるのは4名まで、と考えて良いでしょう。
センターコンソールの後方にはエアコンの吹き出し口が2つ備わっており、それぞれ上下左右に角度を調整できます。
低価格帯のSUVには「リアシート用のエアコン吹き出し口」など存在しないので、後席の装備も充実しているあたり、さすが高級車ハリアーだといえます。
このエアコン吹き出し口の真下には「給電用USB端子」が2つ設けてあり、後席の乗員が2台同時にスマートフォンを充電できるようになっています。
それから、ハリアーの窓ガラスは全面がUVカット機能を備えているので、後ろの席に座る乗員も移動中の「日焼け」を気にしなくて済みます。
肌にシミやシワができる1番の原因が紫外線(UV)ですので、ガラスのUVカットは嬉しい仕様だといえるでしょう。
後席の乗員にはナイショですが、ハリアーのフロントドアガラスだけは特別で、さらに上級の「スーパーUVカット機能」を備えています。
私たちドライバーを紫外線からばっちり守ってくれている、ということです(ただしエントリーグレードSのみ有料オプション)。
ハリアー後席の情報をまとめると、
- 大人でも余裕があるスペース
- エアコン吹き出し口あり
- スマホ充電用USB端子あり
- リクライニング不可
このようになります。
リクライニングは滅多に使う機能ではないので、概ね問題ないといえるでしょう。
おまけにハリアーは遮音性が高く、走行中も車内が静かなので、前列後列すべての乗員が快適に移動できるはずです。
まとめ
リクライニングしない点にだけ目を瞑れば、ハリアーの後部座席は優秀で、これといった不便さはありません。
3〜4人が乗車しても窮屈さはなく、快適に遠出を楽しめることでしょう。
もし後部座席の上質さ、快適さにとことんこだわるのであれば、ハリアーではなく、ミニバンのアルファードを選ぶのが良いでしょう。
アルファードは3列シートで、2列目は1列目のように左右が独立しており、リクライニングはもちろん、グレードによっては「オットマン」まで付いています。
芸能人や社長が移動車に使うだけあって、アルファードの後部座席は至れり尽くせりの快適空間となっています。
そこでひとまず、トヨタのディーラーへ足を運び、ハリアーの展示車を確認してみてください。
後部座席に乗りこんでみれば、快適かどうか、広さはどうか、自らの感覚で明確に判断できます。
ちなみに、「近所のディーラーにどの車が展示してあるか」といった情報はトヨタのWebサイトから確認できます。
買う買わないはともかく、せっかくですのでハリアーとあわせてアルファードもチェックしてみてはいかがでしょう。
できればハリアーの展示車だけでなく、ハリアーの試乗車がある店舗を訪れると良いかもしれません。
内外装のチェックとあわせて試乗もできます。
当日いきなり行って試乗することも可能ですが、Webサイトからあらかじめ試乗予約をしておくとスムーズです。
たとえば、ほかのお客がハリアーに試乗していて待たされる、なんて非効率を避けられます。
以上、新型ハリアーの後部座席は快適なのか、でした。
【結論】ハリアーはクルマ自体が上級クラスなので、後席の広さや装備、乗り心地も上級クラス。さすがは高級車なだけある。ただし、(とても大事な人を乗せるなど)後部座席の快適さを追求するなら、アルファードが候補に挙がる。あとは好みや予算の問題。ネット検索を続けるより、ディーラーで実車をチェックしたほうが話は早い。
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納得するため、後悔を避けるため、とことん情報を集めてみませんか?
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上のような情報とディーラーでの体験が揃ってようやく、ハリアーを理解することになります。
新型ハリアーのボディサイズに関して、当サイトにはこんな記事もあります。