2017年9月に登場したスズキ・スイフトスポーツ(4代目)は、カタログ値16.6km/lと低燃費なホットハッチです。
がしかし、燃料はハイオク指定です。
- 軽油
- レギュラー
- ハイオク
このように3種類あるガソリンのうち、スイフトスポーツはもっとも単価が高いハイオク燃料で走ります。
ですので、とにかく維持費が安い、というわけではありません。
ちなみに、通常のスイフト(ハイブリッドおよびRS含む)はレギュラー指定です。
スポーティな走りを追求したスイフトスポーツのみ、一般的なスポーツカーと同様、ハイオク仕様となっているわけです。
この記事では、
- MTとATの燃費の違い
- ハイオク燃料は維持費への影響大?
など、「スイフトスポーツの燃費とガソリン代」についてわかりやすく解説します。
維持費をイメージするため、ぜひ参考にしてみてください。
スイフトスポーツの燃費とガソリン代
2017年にデビューしたスイフトスポーツは、低価格で運転の楽しさを味わえるホットハッチとして人気があります。
スイフト全体の受注のうち、約4割をスイフトスポーツが占めるとされています。
スイフトスポーツは軽量で、車両重量は1トンを切っているので、この「軽さ」が低燃費につながっているといえるでしょう。
たとえばホンダN BOXカスタムなど、軽自動車でさえ1トンを超えているなかで、スイフトスポーツの車重は驚異的です。
では、スイフトスポーツの具体的な燃費を見ていきましょう。
MT/ATそれぞれのカタログ燃費
スイフトスポーツには、6速マニュアルと6速オートマ、2種類のトランスミッションが用意されています。
MTとATで燃費が異なっており、
- MT:17.6km/L
- AT:16.6km/L
それぞれのカタログ数値(WLTCモード)はご覧のとおりです。
燃費が良いのはマニュアルです。
とはいえ、2速で引っ張ってエンジンを高回転までブン回すような走り方をすれば(つまり走りを楽しみ過ぎてしまうと)、マニュアルといえど燃費は落ちます。
ちなみに車両重量は、
- MT:970kg
- AT:990kg
このようにマニュアルのほうが軽量です。
したがって、ボディが軽いぶんMT車は燃費が良い、といえるでしょう。
ところで、スイフトスポーツの燃費は他の自動車と比べてどうなのでしょう。
アクアやヤリスハイブリッドは財布に優しいエコなコンパクトカー、スイフトスポーツは運転が楽しいホットハッチですので、ここを比較しても仕方ありません。
サラダとラーメンのカロリーを比べるようなものでナンセンスです。
ですので、スイフトスポーツとおなじカテゴリーに属するアバルト595をチェックしてみます。
アバルト595のカタログ燃費(WLTCモード)は14.1km/Lで、使用燃料はハイオクです。
エンジン性能など諸々は異なりますが、燃費だけを比べれば、スイフトスポーツのほうが優れているといえます。
消耗品や部品代なども含めて考えても、維持費が安いのは圧倒的にスイフトスポーツです。
ではもう1台、ほかのスポーツカーと燃費を比べてみましょう。
トヨタのGR86(RZ)です。
- AT:11.7km/L
- MT:11.9km/L
ご覧のとおりのカタログ燃費(WLTCモード)で、GR86の燃料はハイオク指定です。
GR86およびBRZが搭載している水平対抗エンジンの特性として、燃費の悪さが挙げられます。
これはスバルの自動車(すべて水平対抗エンジン)を見れば明らかです。
GR86の実燃費は10.0km/L前後となり、お世辞にも"燃費が良い"とはいえません。
ではここで、スイフトスポーツの燃費を再確認してみましょう。
- MT:17.6km/L
- AT:16.6km/L
「お客さまの立場になって価値ある製品を作ろう」を社是とするスズキです。
スイフトスポーツの車両価格・燃費ともに良心的だといえます。
ハイオク燃料は高いのか?
「いくら燃費が良いとはいえ、ハイオクはちょっと……」
こんなふうにレギュラーガソリンで走らない点に引っ掛かっている方がいるかもしれません。
ハイオク燃料の単価が高いのは事実です。
レギュラーガソリンとの価格差は1Lあたり10円程度です。
たとえば、
- ハイオク:165円
- レギュラー:155円
こんな具合です。
では試しに、月々のガソリン代に生じる差額を計算してみましょう。
- オートマ:16.6km/L
- 走行距離:800km
上のような条件とします。
800÷16.6=48.2
つまり、1ヶ月あたり48.2Lのガソリンを消費する計算です。
この48.2Lの単価がハイオクの場合は「プラス10円」なので、レギュラーに比べて月々482円高くなるとわかります。
ハイオクのほうがレギュラーよりも毎月482円余分にコストがかかる……率直にどう感じますか?
高すぎるでしょうか。
それとも、想像していたよりも微々たる違いだったでしょうか。
自動車が好きで、休日や通勤時にドライブを楽しみたいなら、月々500円の追加費用を惜しむべきではありません。
映画を1回観れば1,800円、マンガ本を買えば600円、外食をすれば1,000〜2,000円の費用がかかります。
スイフトスポーツもおなじ趣味として考えるなら、月々500円のコスト増など何ら問題ではないでしょう。
つまり、高いという先入観だけでハイオク燃料にビビる必要はない、ということです。
ガソリンスタンドにて、黄色のノズル(ハイオク)で給油する優越感を味わいましょう。
「スイスポってハイオクなのか。じゃあやめておこう」と反射的に拒絶する人は少なくありませんが、実際のところレギュラーとは微々たる差なわけで、諦めたら損です。
まとめ
スイフトスポーツの燃料はハイオク指定です。
燃費はMTとATで異なり、
- MT:17.6km/L
- AT:16.6km/L
それぞれご覧のカタログ数値となっています。
車両価格が安く、燃費が良く、国産車ゆえ故障が少ないスイフトスポーツは、手軽に運転を楽しむのに最適な1台です。
事実、ABARTH595やGR86を所有したらもっと費用がかかります。
もしスイフトスポーツのガソリン代や燃費を許容できないとしたら、この車が最低ラインですので、そもそもスポーツカー(ないしホットハッチのようなスポーティカー)には向いていないのかもしれません。
カタログ燃費35.8km/Lを誇るトヨタ アクアに乗ったほうが満足できます。
試しにぜひ、スズキのディーラーを訪れて、スイフトスポーツの試乗車を運転してみてはいかがでしょう。
ステアリングを握って公道を走らせてみれば、「このクルマにこんな良心的価格かつ低燃費で乗れるなんて信じられない」と驚嘆し、買って損はないと納得すること必至です。
ハイオクの走り、体感してみませんか?
スズキのWebサイトにアクセスすれば、
- どのディーラーにスイスポがあるか
- 展示車か試乗車か
- 試乗車ならMTかATか
- ボディカラーは何色か
といった情報をすべて調べられますし、そのままWeb上で「試乗予約」が行えます。
試乗予約はべつに「購入の約束」ではなく、他にスイフトスポーツを検討しているお客と被らないようにするための事前連絡に過ぎないので、行っておいたほうがスムーズです。
たとえば、「スイフトスポーツはちょうど試乗に出ていまして……」と待たされる非効率を避けられます。
もちろん、近所のスズキディーラーへ出向いて「スイフトスポーツの試乗車はウチにはないんです」なんて骨折り損もしなくて済みます。
ぜひスイフトスポーツの試乗車情報をチェックしてみてください。
遠慮は要りません。
以上、スイフトスポーツの燃費とガソリン代についてでした。
【結論】スイフトスポーツは良心的な車。見た目がカッコよく、運転が楽しく、実用性も備えているのに、車両価格は安く、燃費は良く、故障もほとんどない。スズキは薄利多売のメーカーなので、自社の儲けを抑えて、お客のために低価格を実現している。
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