スペーシアと2021年9月に登場したワゴンRスマイルは似ています。
どちらも販売メーカーはスズキで、どちらも軽自動車で、どちらもスライドドアを備えています。
見た目が違うだけで中身はほとんどおなじように感じられますが、実際のところ、ワゴンRスマイルとスペーシアにはどんな違いがあるのでしょう。
それぞれ選ぶ際の決め手はあるのでしょうか。
この記事では、
- ワゴンRスマイルにはターボがない
- 価格が安いのはどっちなのか?
など、「ワゴンRスマイルとスペーシアの違い」をわかりやすく解説します。
似ているスズキの軽自動車2台を区別するため、ぜひ参考にしてみてください。
ワゴンRスマイルとスペーシアの違い
ワゴンRスマイルとスペーシアは似ています。
とくにカスタムではない通常のスペーシアとワゴンRスマイルの外観はそっくりです。
まるで双子のようで、パッと見ただけでは区別がつきません。
では、どうしてスズキは「スペーシアと変わり映えしない軽自動車」をわざわざ新たに投入したのでしょう。
それは、ワゴンRに売れ筋の「スライドドアモデル」を追加したかったからです。
たとえるなら、米粉で作ったパンが人気だから他のパンにも米粉を使う、ようなものです。
米粉あんぱん、米粉カレーパン……とパン屋がラインナップを増やすように、スズキはワゴンRにスライドドアバージョンを追加した、そんなイメージです。
ただ結果として、スライドドアを備えたワゴンRスマイルは、もともとあったスペーシアと瓜二つになってしまいました。
"差別化できていない"といって良いでしょう。
カタログや雑誌をちょっと眺めただけではわかりませんが、2台を細かくチェックしてみると、
- デザイン
- エンジン
- 価格
この3点で若干異なっていることがわかります。
具体的にどう違うのかを見ていきましょう。
1. デザインの違い
ワゴンRスマイルとスペーシアは、内外装のデザインが違います。
スペーシアの売れ筋モデルはスペーシアカスタムで、威圧的なフロントデザインが特徴的です。
女性はもちろん、男性ユーザーにも人気があります。
それにたいして、ワゴンRスマイルのデザインは可愛さを全面に押し出しており、明らかに「女性ユーザー」をターゲットとしていることがわかります。
つまり、
- カッコいい:スペーシアカスタム
- かわいい:ワゴンRスマイル
このようにデザインの方向性が違っている、ということです。
ちなみにワゴンRスマイルは、ただライトを丸くて可愛さを演出しているわけではありません。
両者はボディサイズが違っていて、スペーシアよりも全高を90mm低く抑えることで、ワゴンRスマイルは見た目をコンパクトにしています。
やや小ぶりなボディサイズが可愛らしさにつながっているといって良いでしょう。
それに自らの手で洗車するなら、全高が低いほうが「洗いやすい」といえます(それでも全高は1,695mm。ほぼ170cm)。
ワゴンRスマイルとスペーシアで異なるのは全高だけで、全長や全幅はどちらもおなじです。
ですので「ワゴンRスマイルのほうが車内が狭い」といった不便さはありません(天井は少し低い)。
ステップ地上高は345mmで、ワゴンRスマイルもスペーシアも変わりません。
つまり、乗り降りのしやすさはおなじです。
ボディサイズはほとんどおなじ、どちらもスライドドアを備えているとなれば、あとは「デザインが気に入った方」を選ぶのみです。
2. エンジンの違い
ワゴンRスマイルとスペーシアの走行性能に関する違いは、ターボ仕様があるかどうか、です。
スペーシアカスタムには「ハイブリッド XSターボ」というターボエンジン搭載のグレードが存在しますが、ワゴンRスマイルにはありません。
ワゴンRスマイルのエンジンはすべて自然吸気(ノンターボ)です。
したがって2車種のうち、ターボエンジンを希望するなら「スペーシアカスタム」の最上位グレードで決まりです。
ところで、ターボエンジンとノンターボエンジンはいったい何が違うのでしょう。
ターボとノンターボの違いはずばり、エンジンのパワーと加速力です。
- 高速道路
- アップダウンの激しい峠道
といった道を走る機会が多いなら、力強いターボモデルを選んだほうが良いでしょう。
そうでなく、近所のちょこちょことした移動に使う程度であれば、ノンターボのエンジンでもじゅうぶん事足ります。
ちなみに、
- スペーシア/スペーシアカスタム
- ワゴンRスマイル
どちらにも「ノンターボモデル」が存在しますが、おなじノンターボでもスペーシアのほうが若干パワーがあります。
ですので、「ターボとは言わないけど、パワーがないよりあったほうが良い」と考えるなら、ワゴンRスマイルではなく、スペーシア/スペーシアカスタムの自然吸気モデルを選んでおくのが無難です。
3. 価格の違い
ここまでデザイン(ボディサイズ含む)とエンジン性能を見てきました。
最後は2車種の価格について、です。
車両価格が安いのはワゴンRスマイルです。
ワゴンRスマイルのもっとも安いグレードの値段は129万円ですが、これだけがハイブリッドではありません。
ワゴンRスマイルのほかのグレード、それからスペーシア/スペーシアカスタムはすべてハイブリッド仕様となっています。
「ハイブリッドじゃないとどうなるの?」
そう疑問に思うかもしれません。
ハイブリッドでないと、燃費が落ちます。
たとえば、ワゴンRスマイルのハイブリッドモデルはカタログ燃費が25.1km/Lであるのにたいし、ガソリンモデルは23.9km/Lです。
ご覧のとおり燃費が悪いことは事実ですが、その差はたったの1.2km/Lです。
ハイブリッドでなくても、「悪い」というほどヒドい数字ではありません。
スズキのハイブリッドは「マイルドハイブリッド」といって、オマケのような軽微なハイブリッドなので、"あってもなくても変わらない"のが実情です。
したがって、ハイブリッドではないワゴンRスマイルの廉価モデルを買っても問題ありません。
むしろ、購入価格を低く抑えられるのでお得です。
【ワゴンRスマイル】
- G:129万6,900円
- HYBRID S:147万2,900円
- HYBRID X:159万2,800円
【スペーシア】
- ハイブリッドG:138万500円
- ハイブリッドX:152万4,600円
【スペーシアカスタム】
- ハイブリッドGS:164万8,900円
- ハイブリッドXS:176万4,400円
- ハイブリッドXS ターボ:183万5,900円
それぞれのグレードと価格はご覧のとおりです。
価格だけで考えるなら、ハイブリッドの追加コストと燃費がさほど見合っていないので、つまりハイブリッドを選ぶメリットが僅かなので、ワゴンRスマイルのGグレードがもっとも賢い選択かもしれません。
まとめ
ワゴンRスマイルとスペーシアは似ています。
まるでカップ麺の「緑のたぬき」と「どん兵衛」みたいなもので、そっくりで、いまいち違いがわかりません。
これは私たち消費者が悪いのではなく、スズキが2車種をうまく差別化できていないだけです。
ワゴンRスマイルとスペーシアの違いを強いて挙げるなら、
- デザインが違う
- スペーシアカスタムにだけターボがある
- 安いのはワゴンRスマイル
といったところです。
どちらも両側スライドドア、どちらも軽自動車、どちらも製造メーカーはスズキなので、大差ありません。
- デザインが気に入った
- 人と被りたくない
- 新しいものが好き
といった方はワゴンRスマイルを選ぶと良いのではないでしょうか。
ターボエンジンにこだわるならスペーシアカスタムで決まりです。
もしワゴンRスマイルとスペーシアで迷っているなら、スズキのディーラーを訪れて展示車をチェックしたり、試乗車を運転してみたりするのがおすすめです。
洋服や靴を買うのとおなじで、実物を前にすれば直感的にビビッと「こっちが良い!」と決められるかもしれません。
内装の細かな違いなども納得ゆくまで確認できます。
以上、ワゴンRスマイルとスペーシアの違いでした。
【結論】かなり似ているので、どちらを選んでもほぼおなじ。最大の決め手はデザイン。デザインが好みのほうを選べばOK。走りにこだわるならスペーシアカスタムのターボモデル。安さを重視するならワゴンRスマイルの非ハイブリッドモデル。
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