トヨタの高級ミニバン・アルファード(3代目・2015年〜)には、ガソリンモデルとハイブリッドモデルが用意されています。
車両価格が安いのはガソリン車ですが、燃費が良い(つまりガソリン代が安い)のはハイブリッドです。
それから、アルファードのエンジンはガソリン・ハイブリッドともに排気量2.5Lが標準ですが、ガソリンモデルにのみ3.5Lが設定されています。
全グレードのなかでもっとも馬力・トルクがあるのがこの3.5Lガソリンエンジン車です。
もしアルファードに力強さを求めるなら、3.5Lガソリン車(ただしハイオク)で決まりです。
ハイブリッドはすべて2.5Lエンジンにモーターを組み合わせています。
「いや、飛ばすワケじゃないから過剰なパワーは必要ない」
という場合、2.5Lのガソリン車とハイブリッド車、どちらを選ぶのが賢明なのでしょうか。
この記事では、
- ハイブリッドの燃費はイマイチ?
- ハイブリッドに2WDはない
など、「アルファードを買うならハイブリッドモデルを選ぶべきなのか」をわかりやすく解説します。
ぜひクルマ選びの参考にしてみてください。
アルファードを買うならハイブリッドで決まり?
アルファードのパワートレインには、
- ガソリン
- ハイブリッド
この2種類が設定されています。
車両価格が安いのはガソリンモデルです。
たとえば「X(8人乗り・4WD)」という廉価グレードで比較してみると、
- ガソリンのX:385万円
- ハイブリッドのX:461万円
ご覧のとおり両者の差額は76万円です。
おなじグレードを買うにしても、ハイブリッドではなくガソリン車を選ぶだけで76万円(中古車が1台買える額)を節約できるわけです。
ちなみに、アルファードには2WDと4WDのモデルが用意されていますが、ハイブリッドは4WDのみとなっています。
2駆のハイブリッドモデルは存在しません。
「4駆は不要。雪も積もらないし2駆で十分」
との考えなら、4WDしか選べないハイブリッドは選択肢から消えます。
結果として、2WDのガソリンモデルを買うことになるでしょう。
「いや、2WDでも4WDでもどっちでも良い。それより燃費が気になる」
という場合には、以下で具体的なガソリン代の違いを見ていきましょう。
ハイブリッドの燃費とガソリン代
アルファードのカタログ燃費(WLTCモード)は以下のとおりです。
- ガソリン車2WD:10.8km/L
- ガソリン車4WD:11.0km/L
- ハイブリッド車4WD:14.8km/L
アルファードはボディサイズが大きく重量がある車なので、そもそも燃費が良くありません。
くわえて、ハイブリッドを選択してもさほど燃費が伸びないことがわかります。
ガソリン車との差はたった3.8km/Lです。
実燃費はカタログ値より落ちるため、ガソリン車は10km/Lを切り、ハイブリッドはちょうど10km/Lあたりとなるでしょう。
もちろん、高速道路や信号の少ない郊外を走れば燃費は良くなり、ストップアンドゴーの多い市街地を走れば燃費は落ちます。
ではここで、具体的なガソリン代の差を計算してみましょう。
- 走行距離:月間800km(年間1万km)
- レギュラーガソリン価格:160円
このような条件だと仮定します。
まずガソリン車(4WD)の場合、カタログ燃費が11.0kmですので、800÷11=73となります。
これはすなわち月々73Lのガソリンを消費する、ということです。
ここにレギュラーガソリンの単価をかけて、73×160=11,680円です。
したがって、(上の条件なら)ガソリン車の月々のガソリン代は11,680円です。
ただし実燃費はカタログ値より落ちるため、実際にはもう少しコストがかかります。
では続いて、ハイブリッド車(カタログ燃費14.8km/L)です。
- 走行距離:月間800km(年間1万km)
- レギュラーガソリン価格:160円
先ほどとおなじ条件で計算してみると、800÷14.8=54です。
したがって、54L×160円=8,640円、これがハイブリッドモデルにかかる月々のガソリン代です。
ここまでを整理すると、
- ガソリン車:月々11,680円
- ハイブリッド車:月々8,640円
このようになり、両者の差額は月3,040円だとわかります。
つまり、年間1万キロペースで走るならハイブリッドのほうがガソリン車よりも毎月およそ3千円の燃料代をカットできる、ということです。
「月々たったの3,000円だけ?」
と思ったかもしれません。
そうです、3,000円です。
車両に76万円よぶんに支払って、月々3,000円を節約できる……それがアルファードのハイブリッドモデルです。
上は月間800km走行する場合のシミュレーションですので、もっと走行距離が短ければ、もっとガソリン代の節約効果は薄れます。
すなわち、ハイブリッドを選ぶ「メリット」が薄れます。
では月3,000円を節約できるとして、ガソリン車との車両価格の差額76万円の"元が取れる"のは、ハイブリッド納車からいったい何年後になるのでしょう。
ハイブリッドの元が取れるのは?
ガソリン車のほうが車両価格は安いものの、ハイブリッド車のほうがガソリン代が安いため、長く所有していればどこかの時点で「出費が逆転」する瞬間が訪れます。
トータルの支払額においてハイブリッドのほうが安くなる、ということです。
では、アルファードのガソリン車とハイブリッド車のランニングコストが逆転するタイミングはいつなのでしょう。
先ほどの計算により、76万円の差額が月々3,000円ずつ縮まっていくことがわかりました。
760,000÷3,000=253です。
つまり、253か月後にようやくハイブリッド車とガソリン車の差額がゼロになり、そこから先はハイブリッドに乗っているぶんだけ"お得になる"ということです。
253か月とは、21年と1ヶ月です。
目の錯覚ではありません。
……これから買うアルファードに21年と1ヶ月乗る覚悟はありますか?
いえ、ちょっと現実的ではありません(ハイブリッド車の駆動用バッテリー交換費用は20〜30万円とバカ高い。長く乗ると交換が必要になる)。
ここまでの内容からいえるのは、ほとんどのユーザーはガソリンモデルを選ぶのが賢明だ、ということです。
ハイブリッドを買ったとして、ガソリンモデルとの差額76万円をペイできません。
5年〜10年乗ったらアルファードを売却することでしょう。
まるで、電気代が安い(でも本体価格は高い)エアコンを買い、差額を取り戻す前にエアコンが寿命を迎えるようなものです。
何がしたいんだかわかりません。
たとえばアルファードを社用車として使い、年間4万km近く走るというなら、ハイブリッドを選ぶのも良いでしょう。
年間の走行距離が長いほど、燃費が良いハイブリッドの恩恵を受けられます。
それにたいして、
- 平日は通勤に使用
- 土日は県内や近隣県へお出かけ
このようなアルファードの使い方をするなら、さほど走行距離は伸びないはず(年間1〜2万km)なので、ガソリン車でじゅうぶんです。
いえ、むしろトータルの出費を抑えられるぶんガソリン車を買ったほうが良いといえます。
「ハイブリッドのほうがヒエラルキーが上だから」と見栄を張ってハイブリッドを買うと、後悔するかもしれません。
ガソリン車を買い、浮いた76万円を旅行代やファッション代に回したほうがハッピーになれるでしょう。
まとめ
アルファードはそもそも燃費が悪い車です。
おなじトヨタのヤリスハイブリッドは車両価格200万円、WLTCモードの燃費は36.0km/Lです。
したがって、アルファードを選ぶ時点で「燃費」は諦めるのが正解なのかもしれません。
ちょうど、フェラーリやベントレーといった高級車のオーナーが、燃費やらガソリン代やらを気にしないようなものです。
「いや、家計のために少しでも月々のガソリン代を抑えたいんだ……」
といってアルファードのハイブリッドを買う人も世の中にはいますが、ガソリン代を節約する代わりに、車両価格(ローンの返済額)が増えているわけで元も子もありません。
これでは本末転倒です。
車両価格が安いガソリンモデルを選べば月々のローン返済額を抑えられます。
ハイブリッドよりガソリン代がかかるのは事実だとしても、月々3千円の上乗せくらい、どうということはないでしょう。
返済額の低さで相殺できます。
ガソリン代という目先の損得にダマされないようご注意ください。
アルファードのハイブリッドを買ったオーナーも「燃費が悪い」とボヤいているのが実情です。
どっちにしろ燃費が悪い(そして差額をペイするには21年と1ヶ月かかる)なら、安いガソリンモデルを選ぶのが得策だと思いませんか?
それともハイブリッドに執着する特別な理由がありますか?
クルマの下取り・売却で損をしないためのポイント
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以上、アルファードを買うならハイブリッドモデルを選ぶべきなのか、でした。
【結論】9割のオーナーにはガソリンモデルが適当。無駄な出費を抑えられるから。ハイブリッド(4WDのみ)を買ってガソリン代で"元を取る"のは非現実的な戦略。21年かかるが、21年もおなじアルファードに乗り続けない(途中、駆動用バッテリーの交換にも多額のコストが)。年間4万キロ走る者、見栄っ張りな者以外はハイブリッドに手出しすべきでない。財力を誇示したいなら3.5Lガソリン車(ハイオク仕様)がおすすめ。
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アルファードの扱いやすさに関して、当サイトにはこんな記事があります。
独身者のアルファード購入について、当サイトにはこんな記事があります。
アルファード購入が後悔に変わる瞬間に関して、当サイトにはこんな記事があります。