ミニクーパーは運転が楽しいクルマとして知られ、その乗り味は「ゴーカートフィーリング」と称されます。
ミニクーパーはあくまでも、
- ドライビングの楽しさ
- 内外装のお洒落なデザイン
- 個性を出せる豊富なオプション
などが"ウリ"の自動車です。
国産ハイブリッドカーと違い、燃料代の安さに期待すべきではありません。
事実、ミニクーパーの燃費はさほど良くありませんし、使用燃料はレギュラーよりも高いハイオクです。
ちょっと余分に維持費を払ってでも運転やデザインを楽しみたい……そんなユーザーにMINIは適しています。
では、ミニクーパーの燃費は具体的にどれくらいなのでしょうか。
3ドアと5ドア、クーパーとクーパーSで燃費に違いはあるのでしょうか。
この記事では、
- 燃費で選ぶならディーゼルモデル
- 人気があるのもディーゼルモデル
など、「ミニクーパーはどれくらい燃費が悪いのか」をわかりやすく解説します。
維持費を抑えて賢くMINIに乗るため、ぜひ参考にしてみてください。
ミニクーパーの燃費は悪い
ひとまず、ミニクーパーのカタログ燃費(WLTCモード)を確認してみましょう。
以下に記すのは、2021年5月にマイナーチェンジしたモデル(3代目)の数値です。
- COOPER 3ドア:15.6km/L
- COOPER 5ドア:15.6km/L
- COOPER S 3ドア:15.0km/L
- COOPER S 5ドア:15.0km/L
- COOPER D 3ドア:19.5km/L
- COOPER D 5ドア:19.5km/L
- COOPER SD 5ドア:18.9km/L
「S」はスポーティなモデルを、「D」はディーゼルモデルを指します。
ガソリンモデルの使用燃料はハイオクで、ディーゼルモデルは軽油です。
ドアの枚数は燃費に影響しませんが、
- 3DOOR:ゴーカートフィーリングが強い
- 5DOOR:実用的で売れ筋
このような違いがあります。
ボディ剛性が高いのは3ドアモデルです。
では、MINIの燃費が相対的にどれくらいのものなのか判断するため、ほかのBセグメントの自動車と比較してみましょう。
燃費を比べてみよう
ミニクーパーはBセグメントに属し、「コンパクトカー」に分類されます。
そこで、ほかのコンパクトカーのカタログ燃費(WLTCモード)とMINIの燃費を比べてみます。
たとえば、低燃費をウリにするトヨタヤリスのハイブリッドは、
- ヤリスハイブリッド:36.0km/L
- アクアハイブリッド:35.8km/L
ご覧のカタログ数値となっています。
使用燃料は一般的なレギュラーガソリンです。
ちなみに、ハイブリッドでないガソリンモデルのヤリスでも燃費は21.6km/Lと、ミニクーパー(15.6km/L)を上回っています。
MINIはドイツ車ですので、国産車ではなく輸入車同士で比べてみましょう。
- ルノー ルーテシア:17.0km/Lハイオク
- プジョー 208:17.9km/Lハイオク
- フィアット 500:18.0km/Lハイオク
どれもミニクーパーの燃費15.6km/Lを超えていることがわかります。
以上の比較から、「ミニクーパーは燃費が良くない」ことがハッキリしました。
がしかし、先にご紹介したとおり、ミニクーパーには燃費が良いディーゼルモデル(19.5km/L)が存在します。
事実、大半のMINIユーザーは、経済的理由および走行性能の高さからディーゼルエンジンを選んでいます。
ディーゼルの魅力は"ただ軽油だからガソリン代が安い"だけではありません。
つづいては、多くの購入者が選択する「ディーゼルモデル」をチェックしていきましょう。
大半のオーナーがディーゼルを購入
ミニクーパーで人気があるのは、ガソリン車ではなくディーゼル車、名称に「D」が付いているモデルです。
ディーゼルが支持される理由は2つあります。
- 軽油で燃料代が割安だから
- トルクのある力強い走りを楽しめるから
まず燃料代について、ディーゼル車は軽油で走るため、燃料代が割安です。
軽油はレギュラーガソリンより1リットルあたり20円ほど安く、たとえばレギュラーが160円なら軽油は140円、そんなイメージです。
くわえてディーゼルエンジンは燃費が良く、
- COOPER 5ドア:15.6km/Lハイオク
- COOPER D 5ドア:19.5km/L軽油
ご覧のとおり、燃費と使用燃料……2つの点でガソリン車よりもお得です。
もし経済性を優先するなら、ガソリン車ではなくディーゼルモデルを選ぶのが良いでしょう。
それから、ディーゼルエンジンの特徴として「トルクの太さ」が挙げられます。
トルクとは、加速力のことを指します。
たとえば信号待ちから発進するとき、グァーッと勢いよくパワフルに加速してくれるのは、ディーゼル車です。
ディーゼル車を運転したことのある方なら「そうそう」と頷いていることでしょう。
もしこれまでディーゼル車を運転したことがなければ、ぜひMINIのディーラーでディーゼルモデルの試乗車に乗ってみてください。
ディーゼルの走りを体感すれば、
「この強烈な走りで燃料代が安いとは……ディーゼルにしよう」
と決心が固まるに違いありません。
まるで"美味しくて安い牛肉"みたいなもので、お買い得だからです。
ちなみに、BMWが販売する車のうち過半数をディーゼルが占めています。
クリーンディーゼルで知られるMAZDAでも、やはりディーゼル車が人気です。
- 割安な燃料代
- 力強い走り
これらの長所を持つディーゼルモデルのミニクーパーDを検討してみてはいかがでしょう。
まとめ
最後に、MINI COOPERのカタログ燃費をもう一度チェックしましょう。
- COOPER 3ドア:15.6km/L
- COOPER 5ドア:15.6km/L
- COOPER S 3ドア:15.0km/L
- COOPER S 5ドア:15.0km/L
- COOPER D 3ドア:19.5km/L
- COOPER D 5ドア:19.5km/L
- COOPER SD 5ドア:18.9km/L
2021年に実施されたマイナーチェンジ後の数値(WLTCモード)です。
MINIのゴーカートフィーリングをとことん味わうなら、クーパーSの3ドアがおすすめです。
というのも、ボディがもっとも軽量でしかも剛性が高く、キビキビと軽快に走るからです。
がしかし、15.0km/Lの燃費はお世辞にも"良い"とはいえません。
実燃費はカタログ値より落ちるため、リッター10km前後を覚悟しておくべきでしょう。
走行状況や季節によってはリッター1桁もあり得ます(しかも燃料は高単価なハイオク)。
「ハイオクはちょっと……燃費も悪いし……」
とガソリン車の燃料代が気にかかる方もいることでしょう。
であれば、MINIのディーラーでディーゼルモデルのクーパーDを試乗してみてください。
多くのMINIオーナーとおなじように、きっとディーゼル車を気に入るはずです。
とはいえ、ディーラーにすべての試乗車が置いてあるわけではありません。
COOPERのガソリン車しかない、反対にディーゼル車しかない場合があります(クロスオーバーならディーゼルがある、とか)。
近くのディーラーにどのタイプの試乗車が置いてあるかは、MINIの公式Webサイトにて調べられます。
ついでに公式Webサイトから試乗予約も行えますので、あらかじめ先方に伝えておきましょう。
ちょうど歯医者や美容院の予約をするようなもので、アポなしで突撃するよりもスムーズに対応してもらえます。
MINIのムック本を探したい方はこちらです。
以上、ミニクーパーはどれくらい燃費が悪いのか、でした。
【結論】ライバル車に比べて低水準。とくにガソリンモデルは燃費が悪い。走りを楽しむという意味で"スポーツカー"を買うようなもの。燃費には期待できない。ただしMINIにはディーゼルがある。ディーゼルは車両価格が13万円高いが、燃料代の安さと重量税免除でペイできる。MINIのディーラーでディーゼルに試乗しよう。
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もし紙媒体が売り切れている場合、Kindle版(電子書籍)もご購入いただけます。
ミニクーパーのエンジン選択について、当サイトにはこんな記事があります。
ミニクーパーのディーゼル車に関して、当サイトにはこんな記事があります。
ミニクーパーの運転感覚について、当サイトにはこんな記事があります。