散歩やジョギングをして体を動かせば、カロリーを消費できます。
たとえば、成人男性が60分間ウォーキングした際の消費カロリーは、約300kcalです。
では、キスはどうでしょう。
キスはけっして全身運動ではありませんが、唇を尖らせるために口輪筋を使いますし、場合によっては舌を動かしたりもします。
だから情熱的なキスをしているとき、「それなりのカロリーを消費している」ような気分になるかもしれません。
がしかし、たとえ表情筋が疲れるほど激しい(あるいは長い)接吻をしたとしても、たいしたカロリー消費は望めません。
なぜなら、キスに使うのは口まわりの筋肉だけで、体はほとんど動かしていないからです。
キスをする姿勢によりますが、
- 座っている
- 立っている
- 寝ている
これらの状態とさほど変わりません。
すなわち、寝そべった状態で1分ほど交わすキスというのは、横になった状態で1分ほどガムを噛む(口を動かす)のとほぼおなじです。
"キスダイエット"には期待しないほうが良いでしょう。
この記事では、
- キスは何メッツに相当する?
- キスのし過ぎでむしろ太る?
- そもそもキスは運動なのか?
など、「キスの消費カロリーはどれくらいなのか」をわかりやすく解説します。
幸せを感じながら痩せられるのかどうか、ぜひ参考にしてみてください。
キスの消費カロリー【1分超えのロングキスで痩せる?】
キスをしながらカロリーをガンガン消費できたら、最高です。
というのも、幸せな気分に浸りながらダイエットができて一石二鳥だからです。
もしキスで痩せられるとしたら、近所を走るよりも、エアロバイクを漕ぐよりも、ジムで筋トレするよりも、よほど楽しく脂肪を燃焼させられることでしょう。
がしかし、現実はそんなに都合よくできてはいません。
その証拠に、書店の美容コーナーで「誰でもハッピーに痩せられる!キスダイエット」なんて本を目にしたことはないはずです。
理由は単純で、キスではカロリーを消費しないからです。
たとえるなら、寝ている間に音声を聞いて賢くなれる「睡眠学習装置」が眉唾であるようなもので、キスしながら痩せられるなんて都合の良い話はありません。
もし付き合っていない異性から「キスしよう。顔の筋肉を刺激してけっこうカロリーを消費するみたいだよ」と誘われてこの記事を読んでいるなら、まだ間に合います、断りましょう。
その情報は嘘です。
キスの運動強度【何メッツ?】
運動強度を表すメッツという単位をご存知でしょうか。
たとえば、座って安静にしている状態は1メッツです。
ほかの身体活動はというと、
- 勉強やデスクワーク:1.5メッツ
- 料理、洗濯:2.0メッツ
- ウォーキング:3.0〜3.5メッツ
- 階段を上る:4.0メッツ
- 登山:6.5メッツ
- ジョギング:7.0メッツ
- サイクリング:8.0メッツ
- 縄跳び:12.3メッツ
ご覧のとおりの運動強度となっています。
そしてメッツの値が大きい活動ほど消費カロリーが多い、つまり痩せやすい、ということです。
ではここで本題です、キスはいったい何メッツに相当するのでしょうか。
残念ながら厚生労働省は「キスのメッツ」を公表していないので、私たちで考えてみましょう。
ウォーキングよりも活動レベルは低くて、料理ほど手足を動かすこともない……キスで動かすのは口まわりの筋肉だけ……となれば、キスは1メッツと判断して良いでしょう。
座って安静にしている状態とほぼおなじです。
キスをしたところで、基礎代謝を除いてカロリーはほとんど消費していません。
「でも、1分とか2分とか長くキスをしたらちょっとはカロリーを消費するのでは?」
と考える方がいるかもしれませんが、これは時間の問題ではありません。
ちょうど、安静にしたまま1分座っても、2分座っても、(動いていないので)カロリー消費が増えないのとおなじです。
せいぜい座りつづけてお尻が痛くなるだけ、キスでいえば、長時間の接吻で唇が荒れるだけです。
もし手足を動かしたり、首を左右に傾けたりしながら情熱的な口づけをすれば、1.2メッツくらいには強度を上げられるかもしれません。
がしかし、そもそもキスは"痩せよう"と思ってするものではないはずです。
キスはダイエットの手段ではありません。
ですので、キスによって幸福感や充足感、安心感、あるいは高揚感が得られたなら、それで充分ではないでしょうか。
もし消費カロリーを増やしたいなら「2人でスクワットをしながらキス」が有効です。
が、キスと同時並行で筋トレをしていては、体脂肪だけでなく、ムードやトキメキまでもが失われてしまいます。
消費カロリーやらダイエットやら余計なことは考えず、キスに集中しましょう。
ちなみに上手なキスのポイントは、唇や舌の力をとことん抜くこと、です(意識はこっちへ)。
長時間のキスで太るリスクとは?
「世界一長いキス」のギネス記録は、2013年にタイの夫婦が打ち立てた58時間35分です。
この大記録を「抜いてやろう」などと考えないほうが良いでしょう。
なぜなら、肥満のリスクが高まるからです。
といっても、太る直接の原因は「長過ぎるキス」ではなく、睡眠不足です。
事実、睡眠時間が短い人ほど肥満の傾向にある、という研究結果があります。
睡眠不足が肥満につながるのは、
- 食欲増進ホルモン(グレリン)の増加
- 運動不足(昼間の疲労感が強まるため)
これらが原因だとされています。
したがって、もし夜更かしをして恋人と夜な夜なキスを楽しんでいたら、カロリー消費どころかむしろ体重が増えてしまうかもしれません。
これではまるで北海道へ行きたいのに沖縄に向かうようなもので、真逆です。
もし体重を気にしている(だからこうしてキスの消費カロリーを調べている)なら、睡眠不足に注意したほうが良いでしょう。
そのほうがキスの消費カロリーを考えるよりも合理的です。
目安として、毎晩7時間は眠りたいところです。
じゅうぶんな睡眠にくわえて、運動強度が高い縄跳びをすれば完璧です。
「ゼロに近いキスの消費カロリー」に体重管理を頼る必要はありません。
まとめ
キスの消費カロリーは、ほぼ0kcalです。
理由はシンプルで、ほとんど体(筋肉)を動かしていないからです。
キスにダイエット効果を期待するのは、座ってガムを噛みながら「顔の筋肉使ってるし、これで痩せられないかな?」と考えるようなもので、ナンセンスだといえるでしょう。
いくら顔の角度をコロコロ変えてみても、いくら舌をグルングルン暴れさせても、意味がありません。
せいぜい活動強度が1メッツから1.1メッツに上がるくらいで、誤差の範囲です。
勉強と睡眠を同時に済ませようとして「睡眠学習装置」に頼っても意味がないように、キスと運動をいっしょに済ませようとする考えは捨てましょう。
二兎を追う者は一兎をも得ず、の諺のように、あれこれ考えていたら中途半端なキスになってしまいます。
少しでもカロリーを消費しようとキスの最中に身体をクネクネさせたり、手脚を相手に絡ませたりすれば、ただ気味悪がられるだけでしょう。
体脂肪ではなくパートナーを失う結果にならないようご注意ください。
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以上、キスの消費カロリーについてでした。
【まとめ】キスはカロリーを消費しない。ただ口まわりの筋肉を動かすだけだから。寝転がって独り言をいうのとおなじ。独り言にダイエット効果を期待するのがバカげているように、キスに脂肪燃焼効果を期待するのはお門違いというもの。キスはカロリーを「減らす」行為ではなく、お互いの愛情や幸福を「増やす」行為。
【参考文献】
『Newtonライト2.0 やせる科学』ニュートンプレス、2020年
朝食や昼食を1杯のプロテインに置き換えてみませんか?
食事の量を減らすとタンパク質が不足して筋肉量が落ち、代謝が低下する恐れがあります(痩せにくいカラダになるということ)。
脂質や糖質は抑えながらも、タンパク質はきっちり摂取しましょう。
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