オープンカーには、所有して初めてわかる欠点があります。
短所を知らずに「憧れ」だけで買ってしまうと後悔するかもしれません。
たとえば、屋根を閉めている状態でボディの軋み音が気になったり、です。
オープンカーはその構造上、どうしてもボディの剛性が落ちるため、ルーフの繋ぎ目が「キュッキュッ」と軋むことがあります。
軋み音が出た場合、ディーラーに相談してもなかなか直らないから厄介です。
オープンカーならではのデメリット(欠点)はこれだけではありません。
納車されてから「やっぱりイヤかも……」と落ち込まないよう、オープンカーの特性を知っておきましょう。
この記事では、
- 屋根が軋む音
- 遮熱性に欠けるルーフ
- 雨が降ったら雨漏りする?
など、「オープンカーを買って後悔するリスク」をわかりやすく解説します。
ぜひクルマ選びの参考にしてみてください。
オープンカーを買って後悔するリスク4選
屋根を開けて颯爽と走るオープンカーを見て、「いいなぁ」と羨ましく感じていませんか?
華やかに見えるオープンカーにも、オーナーしか知らない悩みがあります。
憧れの気持ちだけで購入すると、現実を知って後悔するかもしれません。
たとえるなら、「カワイイ衣装を着て、歌って踊ってお金がもらえるなんてサイコー」とアイドルになった女子が、地味なレッスンつづきの日々に落胆するようなものです。
想像していたのと違う……とガッカリしないよう、あらかじめオープンカーの現実を知っておきましょう。
オープンカーの購入を後悔するとしたら、
- 屋根の軋み音に後悔
- 夏場の暑さに後悔
- ルーフが雨漏りして後悔
- ほとんど屋根を開けなくて後悔
これら4つの可能性が考えられます。
1. 屋根の軋み音に後悔
オープンカーの屋根には継ぎ目があるため、ここがミシミシと軋むことがあります。
新車で買ったばかりのときには鳴らなくても、1年、2年と乗っているうちに気になり出すケースも少なくありません。
たとえば、屋根を閉めて走っている際、段差を超えるたびに「ミシッ!」もしくは「キュッ!」という具合です。
振動する窓ガラスから出るビビリ音のような不快さがあります。
ただし、軋み音が出るのはルーフを閉めているときだけですので、オープンにして走る機会が多ければさほど気にならないかもしれません。
ディーラーに相談すればボディの軋みに対応してもらえますが、1週間もすれば症状が再発することもしばしばです。
したがって、万が一ルーフの軋み音が出たら、"手放すまで付き合う不治の病"だと思って諦めるのがイチバンです。
音に関しては他にも、オープンカーの屋根は遮音性が低いため、風切り音などさまざまな「ノイズ」が外部から車内に入ってきます。
「狙っているオープンカーは幌(ソフトトップ)じゃなくてハードトップだから大丈夫だ」
という方がいるかもしれませんが、ハードトップも数枚のパネルを組み合わせて作られており、遮音性が低いことには変わりません。
たとえるなら、鉄筋コンクリートの壁2枚の間に木材を挟んでいるようなイメージです(木材の部分が音を通す)。
オープンカーの購入を後悔しないためには、「ある程度のノイズは仕方ないと割り切る覚悟」が必要だといえるでしょう。
2. 夏場の暑さに後悔
オープンカーの屋根は遮音性に欠けるだけでなく、遮熱性もイマイチです。
おまけに頭と天井の位置が近いため、夏場はルーフを閉めていても「ジリジリとした日差しの暑さ」に苦しめられます。
まるで、ヒーターが天井に内蔵されているかのような暑さです。
エアコンを使ったとしても、頭上の"ヒーター"から届く熱で、「足元は涼しいけど顔は暑い」という逆露天風呂みたいな状態になります。
お世辞にも快適とはいえないでしょう。
「だったら屋根を開けて走れば風が感じられて涼しいのでは?」
と思う方もいるでしょうが、真夏のオープンドライブは地獄です。
まるでビキニ姿でスキー場へ行くようなもので、ただただ過酷なだけです。
夏場にオープンカーの屋根を開けるなら、早朝か夕方以降にするのが常識で、昼間に開けて走る人はいません。
早い話が、真夏は屋根を開けても暑いし閉めても暑い、ということです。
ルーフの遮熱性の低さが原因なので、どうにもできません。
セカンドカーとして買うならともかく、オープンカーだけを所有するなら、夏場は不快な思いをするシーンが多々あるでしょう。
ちなみに、幌(ソフトトップ)よりもハードトップのほうが遮熱性に優れています。
太陽の熱を通すことには変わりませんが、
- 極度の暑がり
- 人を乗せる機会が多い
- 座高が高い(頭と天井が近い)
こんな方は、ソフトではなくハードトップを選んだほうが良いでしょう。
ハードトップのほうが夏場をいくらか快適に過ごせるはずです。
3. ルーフが雨漏りして後悔
オープンカーにたいして「雨漏りしそう」という負のイメージを抱く人は少なくありません。
たしかに、雨漏りに悩むオーナーがいるのは事実です。
たとえば、新車で買った某オープンカーが納車3ヶ月で雨漏りし、ディーラーで修理するも改善せず(すぐ再発してしまい)、嫌になって結局手放した、なんてケースがあります。
もちろん、ほとんどのオープンカーは雨漏りとは無縁で、稀に"ハズレ"の個体がある程度です。
したがって、購入するオープンカーが雨漏りするか否かは「運しだい」だといえるでしょう。
ちょうど、買ったドライヤーがたまたま初期不良だった、みたいなことです。
ちなみに、幌(ソフトトップ)の生地は"ただの布"ではないので、雨のなかを走っても問題ありません。
雨水は浸透しませんし、「雨が降ったらオープンカーには乗れない」は誤解です。
いっぽうで「ハードトップなら雨漏りしない」と考える人もいますが、これも誤解です。
たとえば、ルーフの繋ぎ目に使われているパッキンが経年劣化すれば、できた隙間から車内に雨水が入ってくる恐れがあります。
ただし、ある程度の年数を乗ったタイミングで部品を交換すればトラブルは防げるため、心配は要りません。
ソフトトップ自体も、20〜30万円出せばまるごと新品に交換できます。
1台のオープンカーに長く乗るなら(目安は10年以上)、普通のクルマではあり得ない「屋根の交換」を視野に入れ、資金を準備しておきましょう。
幌の劣化を防げる専用カバーを使う、屋根下の駐車場に止めるなどして、なるべくルーフへの紫外線ダメージを防ぎたいところです。
ただ、15年落ちのオープンカーを中古で買うような場合を除き、雨漏りを心配することはないでしょう。
生地が薄い傘ですら長く使っても雨漏りしないわけで、もっと頑丈にできたオープンカーの屋根はなおさらです。
4. ほとんど屋根を開けなくて後悔
せっかくオープンカーを買っても、屋根を開けなかったら意味がありません。
たとえるなら、自宅の浴槽をジャクジーにしておいて、ジェット機能を使わないようなものです。
ムダな買い物だといえるでしょう。
そもそもオープンカーは「屋根が開く機能」にお金がかかっているため、使わなければ損です。
たとえば、レクサスLCのクーペとコンバーチブル(オープンカー)の価格はご覧のとおりです。
- LC クーペ:1,3270,000円
- LC コンバーチブル:1,4770,000円
オープンにできるかどうかで値段に150万円の差が生じています。
オープンタイプしかないMAZDAロードスターのような自動車も、「屋根が開く機能」ぶんのコストが上乗せされています。
つまり、オープンカーは屋根を開けて走ってナンボだ、ということです。
がしかし、世の中には、
- 目立ちたくない
- ジロジロ見られて恥ずかしい
- 日焼けが気になる
- 暑い
- 寒い
- 風で髪型が崩れる
- 開けるのが面倒くさい
- ナルシストだと思われそう
といった理由から、ほとんど屋根を開けないオーナーがいます。
開けるとしても年に1〜2回です。
もちろん、屋根を開ける開けないは本人の自由ですが、
- 軋み音
- 夏の暑さ
- 雨漏り(場合によっては)
これらのデメリットが生じたら、せっかくのオープンカーがただ"狭くて不愉快なクルマ"と化してしまいます。
そして「開けないからオープンカーである必要がなかった」と後悔します。
「基本的にオープンで走る(ただし雨天と真夏の昼間を除く)」くらいの覚悟があれば大丈夫でしょう。
ひとまずディーラーへ行き、気になっているオープンカーにルーフを開けて試乗してみてください。
想像していたほど楽しくないと感じるか、毎日オープンで走りたいと感じるか、どちらでしょうか。
まとめ
オープンカーの購入を後悔するとしたら、以下のシチュエーションが考えられます。
- 屋根の軋み音に後悔
- 夏場の暑さに後悔
- ルーフが雨漏りして後悔
- ほとんど屋根を開けなくて後悔
まず、音と暑さについては、知っているだけで心の準備ができます。
知らずに買ったら「なんてやかましさだ」とショックを受けるでしょうが、知っていれば驚きません。
これが軋みと夏の暑さか、ウワサどおりだ……という具合です。
後悔しないために必要なのは、覚悟だけです。
それから雨漏りについては、かなり特殊なトラブルなので気にする必要はありません。
ソフトソップであれば、幌にカバーをかけたり、屋根下にクルマを止めたりして、生地の劣化を防ぎましょう。
もしルーフが雨漏りしたら、ディーラーに相談するまでです。
購入後に屋根を開けるか否かは、実際にオープンドライブを体験しなければわかりません。
髪型が崩れても、肌に紫外線が当たっても、ジロジロ見られても良いと思えるかどうかが肝心です。
ディーラーへ行き、ぜひ屋根を開けた状態でオープンカーに試乗してみてください。
「このクルマを手に入れるほんの少しの勇気を持てば、きっと、だれもが、しあわせになる」
これはMAZDAの初代ロードスターにつけられたコピーです。
結局のところ、オープンカーの購入に必要なのは「ほんの少しの勇気」なのかもしれません。
オープンカーを手に入れる勇気、ありますか?
クルマの下取り・売却で損をしないためのポイント
クルマの下取りや売却で損をしないために大切なのは、一社ではなく、複数の買取業者に査定してもらうことです。
実際、私がコペンローブを売却した際には、業者によって査定額に31万円の差がありました。
想定を超える査定額が出たら、
- グレードを上げる
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など、つぎのクルマ選びで贅沢ができるかもしれません。
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一括査定:電話ラッシュを避けるには?
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迷ったら一括査定を選んでおけば間違いありません。
以上、オープンカーを買って後悔するリスクでした。
【結論】ボディの軋み、ルーフ越しの太陽の暑さ、不運の雨漏り、クローズで走る無意味さが後悔につながる恐れあり。自分には合わないと諦めるか、それともほんの少しの勇気を出すか。ディーラーで試乗するか、レンタカーで借りて運転すれば、購入の意思が固まるかもしれない。
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