Honda CONNECTは、ホンダが提供しているサービスです。
フィットやヴェゼルといった自動車の上位グレードには「Honda CONNECTディスプレー」が標準装備されていて、ユーザーはこの画面を操作してさまざまな機能を使えます。
ただし、ホンダコネクトの利用にはお金がかかります。
無料で使えるわけではありません。
ちょうど私たちが、月々の通信料を支払ってスマートフォンを使用しているようなものです。
はたしてホンダコネクトには、お金を投じるだけの価値があるのでしょうか。
ホンダコネクトを使って、いったい何ができるのでしょうか。
この記事では、
- 毎月550円を支払ってできること
- もしホンダコネクトが不要だとしたら
など、「月額550円のホンダコネクトは私たちに必要なのか」をわかりやすく解説します。
"不必要なサービス"に登録しないよう、ぜひ参考にしてみてください。
月額550円のHonda CONNECTは必要なのか
まず結論からお伝えします。
Honda CONNECTは不要です。
もし自動車にワイパーが付いていなかったら困りますが、Honda CONNECTディスプレー(およびホンダコネクト)は、あってもなくてもおなじです。
会費として月額550円徴収されることを考えたら、無いほうがマシだといえるでしょう。
スポーツジムへ通えば会費がかかるのとおなじで、ホンダコネクトの利用にも、定額の料金がかかります。
ジムに置いてある器具と同様、タダでは使わせてもらえません。
フィットやヴェゼルの車内でホンダコネクトを利用するためには、
- Honda Total Care(無料)
- Honda Total Careプレミアム(有料)
この両方に加入しなければなりません。
月額550円というのは、Honda Total Careプレミアムへの登録によって生じる料金のことです。
クルマにHonda CONNECTディスプレーを設置し、Honda Total Careプレミアム(月額)に加入してできることは、以下の通りです。
- 緊急サポート
- リモート操作
- 地図情報更新
必要性があるのかどうか、それぞれ詳しく見ていきましょう。
最終的に「いらない」と判断したなら、月々550円が浮きます。
1. 緊急サポートセンター
月額550円をホンダに支払っているユーザーは、緊急サポートセンターを利用できます。
たとえば運転中に大クラッシュを起こしてエアバッグが作動したとき、ホンダコネクトがオペレーターに自動通報してくれる、といったシステムです。
これは救急車とおなじで、頼る場面はまずありません。
というのも、「緊急用」だからです。
ただし、すべての緊急事態で活躍するかといえば、答えはノーです。
もし交差点で対向車とぶつかった場合、自動通報機能の出番はありません。
なぜかというと、
- 私たち本人
- 同乗者
- 相手ドライバー
- 通行人・事故の目撃者
このうち誰かが救急車を呼んだり、警察に電話をかけたりするはずだからです。
月々550円を払って機械に頼るまでもない、ということです。
エアバッグ作動とまではいかない(小規模な)トラブルの発生時でも、ボタン1つでホンダのオペレーターにつながります。
そしてオペレーターが、
- 消防
- 警察
いずれかに取り次いでくれます。
そう、「取り次いで」くれます。
だったら私たちが消防や警察に連絡をすれば良いわけで、わざわざホンダのオペレーターを介するのは滑稽です。
事態が余計にややこしくなるだけです。
「友達にお願いして代わりに告白してきてもらう」小学生ではないため、こんなまどろっこしい手続きをとることはありません。
よって、Honda Total Careプレミアムに含まれている「緊急時サポートセンター」に、お金を払うだけの価値はないといえます。
2. Hondaリモート操作
月額550円を支払っているユーザーは、Hondaリモート操作が行えます。
Hondaリモート操作とは、車と離れた場所からスマートフォンでエアコンのスイッチを入れたり、施錠したり、駐車位置を探したりできるサービスです。
まず、並の記憶力があれば、クルマを止めた場所は忘れません。
認知症患者には「探知機能」が必要かもしれませんが、そうでなければ不要です。
スマホで愛車を探す情けないシチュエーションには陥らないはずです。
ドアのロックし忘れは、ただのうっかりです。
注意していれば防げますし、ロックしていないことに気づいたなら、車まで戻れば済む話です。
車内に貴重品を置きっぱなしにしていない限り、一度くらいロックし忘れても、どうということはありません。
もちろん、現金1,000万円が入ったアタッシュケースがいつもトランクに積んであるとしたら、リモート操作できたほうが良いでしょう。
遠隔のエアコン操作は、ただのワガママです。
フロントガラスにサンシェードをかけておけば、車内の温度上昇はかなり防げます。
カーエアコンを遠隔操作するために、月額550円を払うことはありません。
テレビのリモコンに毎月お金を払うようなものです。
アイドリングストップをすれば燃費が落ちて、ガソリン代の出費がかさみます。
ボンネットから出るウィーンウィーンというモーター音は、周りの迷惑になります。
つまり、誰も乗っていない自動車のエンジンをかけ、遠隔でエアコンの電源を入れるのはやめたほうが良い、ということです。
あったら便利はなくても平気、です。
3. 自動地図更新サービス
ホンダに月額550円を支払うとできること、最後は「自動地図更新サービス」です。
550円の料金は、ほとんどここにかかる費用だといって良いでしょう。
緊急サポートセンターやリモート操作は"子供だまし"のようなものです。
さて、では自動地図更新サービスがこの上なく重要なのかといえば、これも必要ありません。
なぜかというと、1〜2年で街が激変するようなことは、まずないからです(ニッポンは都市開発が進む発展途上国ではない)。
ちなみに一般的なカーナビは、数年ごとに「最新の地図データ」が入ったSDカードを買い、地図情報をアップデートして使います。
ですが、地図のアップデートをサボり、3年前、5年前の地図情報でナビを使っているオーナーも少なくありません。
なぜなら、最新版でなくても困らないからです。
スマートフォンと違い、ナビデータをいつでも最新版に保っておく必要はありません。
タクシードライバーとして働いているのでもない限り、やりすぎです。
一般ユーザーが「ナビを最新版に更新しておいたほうが良いだろうか」と悩むのは、一般人が「最新版の広辞苑を持っていたほうが良いだろうか」と思案するようなものだといえます。
その答えはノーです。
まとめ
月額550円のHonda Total Careプレミアムと、そのハードウェアであるHonda CONNECTディスプレーでできるのは、
- 緊急サポート
- リモート操作
- 自動地図更新
この3つです。
1%のユーザーにはありがたいのかもしれませんが、99%のユーザーには不要です。
ホンダコネクトは必要ありません。
上の基本プランに加えて、
- Honda ALSOK:月額330円
- Honda アプリセンター:月額330円
- Honda デジタルキー:月額330円
- 車内Wi-Fi:330円/1GB
こうした有償オプションも用意されています。
ホンダが勝手に供給しているだけで、どこにも需要はないでしょう。
私たちは、Honda CONNECTディスプレーの代わりに、普通のカーナビを買ってクルマに取り付けるべきです。
もちろん、カーナビがあれば車内でオーディオ(Bluetooth接続)も使えます。
そしてもし、10年後にもおなじ車に乗り続けていたら、費用を払って地図データを最新版へと更新すればバッチリです。
わざわざホンダに継続課金することはありません(ホンダが大好きで募金したいなら話は別)。
ホンダコネクトに毎月550円を支払うくらいなら、音楽配信サービスのサブスクリプション(定額聴き放題)に登録したほうが有意義です。
以上、月額550円のホンダコネクトは私たちに必要なのかでした。
【結論】不要。ホンダコネクトは、ユーザーからお金を吸い取るためのストロー。