私たちの意志が弱いから依存症になるのではありません。
問題は、「私たちの自制心をくじこうとする人間」がたくさんいることだといいます。
この記事では、アダム・オルター著『「依存症ビジネス」のつくられかた 僕らはそれに抵抗できない』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『「依存症ビジネス」のつくられかた 僕らはそれに抵抗できない』の感想
本書では「依存症ビジネス」の作られ方が解説されています。
とくにスマホアプリやゲームですね。
どうして我々はアプリやゲームに熱中してしまうのか。
なぜ「いいねボタン」を押すことに夢中になり、他人の反応に一喜一憂してしまうのかが、本書を読めばわかります。
問題はスクリーンの向こう側の人間
著者曰く、アプリやゲームの依存症になってしまうのは、ユーザーの意志が弱いからではないのだそう。
そうではなく、スクリーンの向こう側に、私たちの自制心をくじくことを生業にしている人が大勢いること。
これが問題なのだといいます。
賢いオトナたちが、人間心理を把握したオトナたちが、ユーザーが依存するような仕組みを作っているわけですね。
ボーッと生きていたら簡単に餌食になってしまいます。
とはいえ、心配することはありません。
彼ら/彼女らの思うがままにならないためにも、本書を読み、知識を身につければいいのです。
私たちのどんな心理につけ込んでいるのかを知ることは、依存症ビジネスに飲み込まれないための第一歩になります。
依存症はさまざま
本書を読むと、依存症を避けるための具体的なヒントが得られます。
それだけでなく、この世にたくさん存在する「依存症」についても知ることができます。
どうやら私たちは、依存症を狭い範囲で捉えているようです。
ギャンブルやアルコール依存症だけではない。
たとえば「運動依存症」なるものがあるのをご存知でしたか?
私は知りませんでした。
運動依存症を知っていましたか?
運動依存症になった人間は、運動をしていないことに対して罪悪感を抱くといいます。
とにかく運動がしたい。そんな気持ちになってしまうのですね。
運動依存症がエスカレートすると、最終的に行き着くのは、疲労骨折や摂食障害など。
バッドエンドが待っています。
でも心配いりません。運動依存症にたいしては防衛策があります。
それは、ウェアラブル端末に手を出さないこと。
ウェアラブル端末とは、スマートウォッチなど、腕に巻きつけて健康状態や心拍数、歩数などを表示してくれるデバイスのことです。
なぜなら、運動を数値化してしまうから。
運動の数値化は、依存症への確実な一歩になるといいます。
ぜひあなたもお気をつけください。
ウェアラブル端末を「世界一愚かしい製品」と呼ぶ人も。
スマホ依存症から脱却する方法
さらに、スマホ依存症(アプリ・ゲーム依存症)から脱却する方法についても述べられていました。
それは、スマホを物理的に遠ざけること。
なんともアナログなやり方ですね。ただ、これがもっとも確実な方法です。
ひとまず、スマホが視界に入らないようにしましょう。
べつの部屋に置くとか。車のトランクに入れるとか。駅のロッカーに保管するとか。
依存症の深刻度に応じて、スマホを遠ざけるのが良さそうです。
私はとりあえず、自宅にいるときでも、スマホをバッグに入れておくことにしました。
これで24時間1回もスマホに触らず過ごせた私は、どうやらスマホ依存症ではないのかもしれません。
まとめ
あなたは何かに依存していませんか?
スマホ、アプリ、ゲーム、買い物、ギャンブル、アルコール、ポルノ、タバコ、運動など。
依存症が良くないのは、最終的に悪い結果をもたらすからです。
良い結果が得られるものは「依存症」と呼びません(呼吸依存症は存在しない)。
ぜひあなたも依存症を知り、依存症を遠ざけるよう心がけてみてはいかがでしょう?
仮にあなたが何にも依存していない健全な人間だとしても、「人間の本能を知れる」という意味で、たいへん有意義な本かと思います。
以上、アダム・オルター著『「依存症ビジネス」のつくられかた 僕らはそれに抵抗できない』を読んだ感想でした。