トヨタヤリスは2020年2月に発売されたBセグメントのコンパクトカーです。
乗車定員は5名ですが、果たしてヤリスの後部座席は大人が余裕を持って座れるほど広々としているのでしょうか。
たとえばライバルであるホンダのフィットや日産のノートと比較したとき、ヤリスの後席は広いのでしょうか、それとも狭いのでしょうか。
頭上や足元のスペースだけでなく、リクライニング機能の有無なども含め、リアシートの実用性をチェックしていきます。
この記事では、
- 後席にリクライニング機能はない
- 室内空間の広さを売りにしていない
など、「ヤリスの後部座席」についてわかりやすく解説します。
ぜひクルマ選びの参考にしてみてください。
ヤリスの後部座席ってどう?
まず結論からお伝えすると、ヤリスの後部座席はコンパクトカーのなかでも「狭い」部類に入ります。
したがって、後席に人を乗せて移動する機会が多いなら、ヤリスでは少し窮屈かもしれません。
おなじコンパクトカーでも、
- ホンダ フィット
- 日産 ノート
これらの後席のほうがヤリスより広く設計されています。
というのも、トヨタヤリスは「引き締まった無駄のない凝縮フォルム」をデザインの売りにしているからです。
つまり、車内スペースや居住性を犠牲にする代わりに躍動感のあるエクステリアデザインを採用した、ということです。
だから車内が広々しているのはフィットやノートでも、引き締まっていて見た目がカッコいいのはヤリスだといえます。
デザイン性か居住性か……クルマ選びにおいてどちらを重視しますか?
後席にリクライニング機能はない
ヤリスの後部座席にリクライニング機能は備わっていません。
ちょうど映画館の座席みたいに、ヤリス後席の背もたれの角度はつねに一定です。
では、後部座席がリクライニングせず困る状況とは、いったいどのようなものでしょうか。
たとえば、
- 乗員が車に酔った
- 乗員が体調を崩した
- 乗員が眠くなった
- 乗員の腰や首が疲れた
こんなとき、背もたれのリクライニング機能が重宝します。
なぜなら、上体を倒して休めるからです。
がしかし、すでにお伝えしたとおりヤリスの後部座席にはリクライニング機能が備わっていません。
全グレードにおいて後席リクライニングの採用はないため、ヤリスの最上級グレードを選んでもリアシートにリクライニングはつきません。
それから、有償のメーカーオプションやディーラーオプションで後部座席にリクライニングを追加することも不可能です。
したがって、「どうしても後部座席にリクライニングが欲しい……」という場合には、ヤリス以外のクルマを検討することをおすすめします。
たとえば、
- 日産 ノート(一部グレードのみ)
- トヨタ ライズ/ダイハツ ロッキー
これらのコンパクトカーなら、後席の背もたれを倒せます。
つまり、後部座席にもリクライニング機能が備わっています。
後席がリクライニングしない……これを理由にヤリスを諦めても良いものかどうか、考えてみてください。
シートヒーターや駐車サポート機能とおなじで、リクライニングも「あったら便利」ですが、無ければ無いで案外どうにかなるものです。
後席の頭上や足元スペースは広くない
スポーツカーというのは、空気抵抗や見た目のカッコよさを重視してデザインされています。
そのため車内はかなり狭く、お世辞にも"広くて開放的で快適"とはいえません。
GR86やMAZDAロードスターといったスポーツカーほどではありませんが、ヤリスもまた、デザイン性に重きを置いて設計されています。
ゆえに、車内スペースはコンパクトカーのなかでも「狭いほう」です。
ヤリスはヴィッツの後継となるコンパクトカーですが、事実、前後の座席距離はヤリスのほうがヴィッツよりも37mm短くなっています。
つまり、足元や膝前のスペースが(先代の)ヴィッツより狭くなった、ということです(躍動感のあるデザインを追求したため)。
したがって、3〜5人でクルマに乗って移動する機会が多いなら、ヤリスは適していないといえます。
ちょうど、カレーライスを箸で食べるようなもので、ミスマッチです。
カレーはスプーンのほうが食べやすいのとおなじで、3〜5人で移動するなら、もっと広い自動車のほうがストレスが少なく快適です。
コンパクトカーのなかでも、
- トヨタ ヤリス
- マツダ MAZDA2
これらは「デザイン性を重視」しているグループです。
ゆえに、こだわりが強く美意識が高いユーザーに支持されています。
たいして、
- ホンダ フィット
- 日産 ノート
これらのコンパクトカーは「居住性を重視」しているグループで、快適さや乗り心地の良さを求めるユーザーに人気です。
「わかったけど……でも、ヤリスの後部座席ってそんなに狭い? 大袈裟じゃない?」
そう疑問に思っている方もいるでしょう。
もちろん、広さの感じ方は人それぞれです。
体型や現在乗っている自動車によって、ヤリスの車内をどう感じるかは異なります。
ですので、ぜひ休日にトヨタのディーラーを訪れて、自ら展示車をチェックしてみてください。
この記事も含め、他人の感性だけを参考にして買う・買わないを決めるのはナンセンスです。
というのも、結局のところヤリスに乗るのは自分自身(および家族や恋人)だからです。
実車に触れた自分や家族の感覚に従うのがイチバンでしょう。
広さだけでなく、シートの質感や座り心地(硬いか柔らかいか)なども確認できます。
まとめ
ヤリスの後部座席はけっして広くありません。
コンパクトカーのなかでは狭いほうで、TシャツでたとえるならMではなくSサイズです。
おまけに、後部座席の背もたれはリクライニングしません。
つまり、角度の調節は不可能です。
ですので、近所の飲食店や映画館まで移動するならともかく、3〜5人がヤリスに乗車して旅行やロングドライブに出かけるのは「厳しい」といえるでしょう。
リアシートに座った乗員が移動だけで疲れてしまう恐れがあります。
ちなみに、ヤリスの乗車定員は5名ですが、快適に乗れるのは実質4名までです。
後席中央はバスの補助席のようなもので、シートが硬く、ここだけヘッドレストも小さいので、常用には向きません。
大人を後席の真ん中に座らせるのは酷ですが、小学生程度のカラダが小さい子どもなら問題ないでしょう。
ともかく、ホテルの部屋を事前に見ることはできませんが、クルマなら事前に隅々まで確認できます。
ぜひトヨタのディーラーへ足を運び、ヤリスの展示車に乗り込んでみてはいかがでしょう。
自ら後席に座ってみれば、買っても大丈夫そうかどうか、一発で判断できます。
百聞は一見に如かず、というやつです。
せっかくなので、当日はあわせてヤリスの試乗(もちろん無料)もしましょう。
ただし、ディーラーによって保有する試乗車の種類が異なります。
たとえば、あっちのディーラーにはヤリスの試乗車があるけど、こっちのディーラーにはない(代わりにヤリスクロスだったらある)といった感じです。
試乗車情報はトヨタのウェブサイトから調べられます。
近所のディーラーにヤリスの試乗車が置いてあるかどうか、ぜひスマートフォンやパソコンでご確認ください。
試乗車が置いてあることがわかったら、そのままネット上で試乗予約が行えます。
ちょうど、歯医者や美容院を事前に予約するようなものです。
トヨタに行って「予約は……されてませんか。ちょっといま営業が対応中でして……」などと待ちぼうけを食わないよう、あらかじめ試乗予約を済ませておきましょう。
そうすれば当日は「お待ちしておりました〜様」とディーラースタッフに気持ちよく対応してもらえます。
以上、トヨタヤリスの後部座席についてでした。
【結論】ヤリスの車内は狭い。1〜2人で使うのがちょうど良い。後部座席は頭上・足元ともにスペースがタイトで、おまけに背もたれはリクライニングしない(ただし背もたれは割と後傾している)。試乗と広さのチェックを兼ねてトヨタのディーラーを訪問しよう。そうすれば「ヤリスで大丈夫かどうか」に明確な答えが出せる。
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