FXで損切り設定をせずにポジションを持ったとします。
後から損切り注文を入れたいときに役立つのが「反対の逆指値注文」です。
たとえば、売りのポジションを持っているなら買い、買いのポジションを持っているなら売りの逆指値注文を入れます。
というのも、そもそも「損切り=反対の逆指値注文」だからです。
トレードシステムのロスカット設定をオンにした場合、約定時に自動で入るのが、この逆指値注文です。
つまり、
- 損切りONで約定:同時に自動で逆指値注文が入る
- 損切りOFFで約定:後から自分で逆指値注文を入れる
ご覧のように自動/手動の違いだとお考えください。
では、具体的な逆指値注文の入れ方(後から損切りを設定する方法)を見ていきましょう。
この記事では、
- ロングで損切りを入れたい場合
- ショートで損切りを入れたい場合
- 損切りラインを動かして利益を確保する
など、「FXで後から損切り設定を行う方法」をわかりやすく解説します。
安心してポジションを持つため、ぜひ参考にしてみてください。
【FX】損切り設定を後から追加する方法
損切り設定を後から追加したいなら、「逆指値注文」を入れることです。
逆指値注文を入れる手順は以下のとおりです。
- FXのトレード画面を開く
- 決済注文画面にて注文タイプを変更する
- ストリーミング、指値、逆指値、IFD、OCO、IFO等のなかから逆指値を選択する
- 損切りしたい希望額を入力する
- 反対の逆指値注文を入れる
逆指値注文が約定したら(ロスカットが実行されたら)、注文画面にて「一括決済」を行えば損切りが完了します。
なお、逆指値注文を入れる際には、「注文Lot数と保有Lot数」が一致していることを確認してください。
たとえば5Lotを売り持ちにしているなら、おなじく5Lotぶんの買い注文を逆指値で入れる、ということです。
保有Lot数より1Lotでも多い/少ないと正しく損切りできないのでご注意ください。
ちなみに、ここで出す逆指値注文は「新規注文」なので、相応の証拠金が必要になります。
1Lotぶんの証拠金だけを預けてトレードしている方は、逆指値注文を出すために、もう1Lotぶんの証拠金を追加しなければなりません。
証拠金が不足していると新規注文が出せないため、Lot数とあわせてご注意ください。
- 保有Lot数と注文Lot数を合わせる
- 新規注文ぶんの証拠金を入金しておく
- 反対の逆指値注文を入れる
ロスカット注文を入れるまでの流れはご覧のとおりです。
では、買い持ち(ロング)、売り持ち(ショート)それぞれの具体例をチェックしていきましょう。
1. 買い持ちにしている場合
たとえば、ドル/円の買いを135.000で約定し、買い持ちにしているとします。
10pips離れたところに損切りを設定したいなら、「134.900に売りの逆指値注文」を入れておけばOKです。
先述のとおり、保有Lot数と注文Lot数がズレないようご注意ください。
ドル円が仮に、135.500など円安方向に大きく動いた場合には、含み益を守るために逆指値注文(損切り注文)を約定レートよりも上に移動させるのもアリです。
135.200に逆指値注文をスライドさせた場合、最低20pipsの利益が約束されます。
含み益がある状態でトレードを終えて寝たいときなど、(損切り設定で)一定の利益を確保しておけば、安心してグッスリ眠れることでしょう。
朝起きて含み損に転じてたらどうしよう……とドキドキせずに済むからです。
2. 売り持ちにしている場合
先ほどとは逆で、ドル/円の売りを135.000で約定し、売り持ちにしているとします。
10pips離れたところに損切りを設定したいなら、「135.100に買いの逆指値注文」を入れておけばOKです。
もし予想に反して相場が円安方向に動いたとしても、マイナス10pipsに被害を抑えられます。
予想通り134.500あたりまで円高が進み、含み益が生じたら、逆指値注文を約定レートよりも下に移動させても良いでしょう。
134.700に逆指値注文をスライドさせた場合、最低30pipsの利益が約束されます。
「絶対に損失が出ないこと」が約束された状態で、貪欲に利益を求めたい方におすすめです。
ちなみにロスカットが実行されると、売建と買建の両方のポジションを保有する状態となります(片方は含み益、もう片方は含み損が出ている状態)。
ここで一括決済を行えば、売りと買いで利益と損失を相殺してロスカットが完了します。
まとめ
FXで後から損切り注文を追加するには、「反対の逆指値注文」を入れておくことです。
損切りしたい金額に、ロングなら売りの、ショートなら買いの逆指値注文を入れるだけで、損切り設定は完了です。
ただし、
- 保有Lot数と注文Lot数を合わせる
- 新規注文ぶんの証拠金を入金しておく
ご覧の要件を満たさないと正しく損切りできないためご注意ください。
たとえばドル/円で2Lotぶんのポジションを保有しているなら、逆指値注文を出すために、あと2Lotぶんの証拠金を取引口座に入金しなければなりません。
為替相場のレートにもよりますが、ドル/円なら1Lotあたり5〜6万円の証拠金が必要です。
約定と同時決済で損切り注文も入れておきたい方は、ストリーミング注文(成行注文)の設定を変えてロスカットをONにするか、IFO注文を使って約定するのがおすすめです。
ちなみに、後から損切り注文を(反対の逆指値注文で)入れるデメリットは、0.2pips程度のスプレッドを負担しなければならない点です。
スプレッドとは、売買のたびにFX会社に支払う手数料を指します。
したがって、毎回この方法でロスカットを設定するのは推奨しません。
新規ポジションを持つ際、ストリーミングで約定するならロスカット設定をONにしておく、指値や逆指値で約定するならIFO決済を活用すると良いでしょう。
今回ご紹介した方法は、「損切設定をできなかった(ボラリティが大きいためあえて外した)場合の応急措置」くらいに解釈してください。
いわば救急車のようなもので、常用は禁物です。
もちろん、0.2pips程度のスプレッド(FX会社によって異なる)を支払っても良いなら、多用しても構いません。
以上、FXで後から損切り設定する方法でした。
【結論】反対の逆指値注文を入れればOK。注意点は2つ。保有Lot数と注文Lot数を合わせること、注文Lot数にあわせた証拠金を取引口座に入金しておくこと。逆指値注文が約定したら、売建と買建を一括決済すればロスカット完了。後からではなく、約定時に最初から損切り注文を入れたい方は、決済画面の設定を変えるか、IFO決済等を利用するのがおすすめ。
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