この記事では羽田圭介著『羽田圭介、クルマを買う。』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『羽田圭介、クルマを買う。』の感想
タイトルの通りで、芥川賞作家である羽田圭介が人生初の車を買うまでのあれこれを綴ったエッセイです。
国産車から外車までさまざまな車に試乗し、ああでもないこうでもないといいながら車選びを進めていきます。
雑誌で連載していたものなので、おそらく連載の回数が決まっていた(つまりすぐに決められずたくさん試乗する必要があった)のだとは思いますが、それでも読んでいて「どれだけ優柔不断なんだ!早く決めればいいのに!」と思いました。
おなじ車に2度試乗して、1回目では「微妙」だといっていたのに、2回目では「良いぞ」なんて評価がガラッと変わっていたり。
クルマ好きな人と、羽田圭介ファンに向けた本です。それ以外の人は読んでいてもさほど楽しくないでしょう。
「試乗を有料にすべき」に賛同
羽田圭介は「車の試乗を1回1000円など有料にすべき」だと述べています。
そのほうが遠慮せず気軽に試乗できるから、と。
試乗を有料に、との意見には大いに賛同します。
無料で乗らせてもらうのは気が引けますし、運転してそそくさと帰るわけにもいかない。
見積もりを作ってもらったり、あれこれ雑談をしたり……そんな試乗の煩わしさをお金でスッパリ解決してしまおうというわけですね。
お金を払えば消費者も堂々と試乗をできますし、ディーラーにもお金が落ちるので双方にとってメリットが生まれます。
なんでもかんでも「無料がいい」というわけではないのです。むしろお金をとってもらったほうがありがたいものもあります。
羽田圭介ぜんぜん笑わない
本書のなかには、車とともに写る羽田圭介の写真が載っています。
10カットほどあったのですが、羽田圭介はどれ1つとしてピクリとも笑っていません。
すべて真顔というか、無表情でカメラを見つめているんです。これが正直怖い。
「撮影であまり笑わない」だとか「やたら笑顔を振りまく男は胡散臭い」だとか述べているので、不必要に笑わないことをポリシーとしているようですが……。
それにしたって怖いです。自身のユーチューブチャンネルでは、ふつうに笑っているんですけどね。
国産車にも外車にも詳しくなれる
営業スタッフとの会話も細かく書かれているので、読んでいるだけで車に詳しくなれます。
個人的に驚いたのは、2.2LディーゼルターボのマツダCX-5が排気量4000ccのガソリン車と同等のパワーがを有している、という事実です。
4000ccというとFJクルーザーに匹敵するとんでもないパワーです。
羽田圭介は外車ディーラーへも足しげく通っているため、外車ディーラーなど普段めったに行くことのない私にとって興味深い内容が盛りだくさんでした。
たとえば、ボルボのあるスウェーデンは雪国だから手袋をはめたまま操作ができるようにパネル類がシンプルなデザインになっている、だとか。
車に関してヘぇ〜と感じる知識がたくさん詰まっていますよ。
まとめ
私自身はクルマ好きであり、また羽田圭介のファンでもあるため『羽田圭介、クルマを買う』は非常に楽しく読めました。
試乗帰りにクレープを買ったり、スイーツを買ったり、あるいは試乗へ向かう途中でハンバーガーを2個買ったり。
羽田圭介がいかによく食べるかも、本書を読めばよくわかります。
最終的にクルマを決め、納車するところまでが書かれています。
万人におすすめできる本ではありませんが、かなりのクルマ好きか羽田圭介ファンであれば楽しめるでしょう。
できれば両方の要素を併せ持っているとなお良いのですが。
以上、『羽田圭介、クルマを買う。』を読んだ感想でした。