ルノー新型ルーテシアは、2020年11月より日本市場に導入されたBセグメントのコンパクトカーです。
国産車ではなくフランス車であることから、ルーテシアにたいして「輸入車だからガソリン代や維持費が高そう……」とったネガティブなイメージを抱いている方もいることでしょう。
印象のとおりで、日本車よりもルーテシアの維持費が高くつくのは事実です。
問題は、はたして一般的な国産コンパクトカー(ヤリス等)に比べてどれくらいコストが高いのか、ではないでしょうか。
国産車と比較して月々数千円ほどのプラスで済むのか、はたまた2〜3倍のランニングコストがかかるのか……輸入車であるルーテシアの実態を見ていきましょう。
この記事では、
- ルーテシアの燃費
- 使用燃料はハイオク指定
- 部品代や消耗品費が割高
- 毎年かかる自動車税はいくら?
など、「ルノー新型ルーテシアの燃費と維持費」をわかりやすく解説します。
ぜひクルマ選びの参考にしてみてください。
ルノー新型ルーテシアの燃費と維持費
ルーテシアはフランス車(輸入車)ですので、国産車とは勝手が違います。
たとえば使用燃料です。
- トヨタ ヤリス、アクア
- 日産 ノート、マーチ
- ホンダ フィット
- スズキ スイフト
- マツダ MAZDA2
これらの国産コンパクトカーはレギュラーガソリンで走りますが、ルーテシアはもっとも単価が高いハイオク指定です。
ルーテシアにレギュラーガソリンを給油することはできません。
したがって、国産車よりもガソリン代が割高だ、といえます。
もちろんその代わりにスムーズな加速など「走り」を楽しめるため、一長一短といったところです。
カタログ燃費は17.0kmL【ハイオク指定】
2020年11月に国内販売がスタートした新型ルーテシアのカタログ燃費は、全グレードにおいて17.0km/L(WLTCモード)となっています。
コンパクトカーの燃費としては「ボチボチ」だといえるでしょう。
というのも、国産コンパクトカーのハイブリッドモデルなら30km/L以上、ガソリンモデルでも20km/L以上が当たり前だからです。
たとえば、ヤリスハイブリッド(FF車)のカタログ燃費はWLTCモードで36.0km/Lです。
おなじ1リットルの燃料でルーテシアの2倍以上走る計算になります。
くわえて、お伝えしたとおりルーテシアの使用燃料は単価が高いハイオク(だいたいレギュラーに10円上乗せ)ですので、さらに余分にガソリン代がかかります。
では、具体的な金額を出してみましょう。
- 月間走行距離:800km(年間1万km)
- ハイオク単価:170円
- 燃費:17.0km/L
このような条件で計算します。
まず800÷17=47.1で、これは月々47.1Lのガソリンを消費することを表します。
ハイオクの単価を170円とした場合、47.1L×170円=8,007円となり、約8千円が毎月のガソリン代としてかかることがわかりました。
もちろん、走行距離やガソリン価格によってコストは変わります。
ひとつの目安だとお考えください。
比較対象として、ガソリン代を抑えられるヤリスハイブリッドでも計算して、その差額を見てみましょう。
- 月間走行距離:800km(年間1万km)
- レギュラー単価:160円
- 燃費:36.0km/L
このような条件で算出すると、ヤリスの燃料代は毎月3,552円となります。
以上のことからいえるのは、ルーテシアに燃料代の安さを期待するべきではない、ということです。
ガソリン代を抑えたいなら、国産のコンパクトカーに乗るのが良いでしょう。
あくまでもルーテシアは走りやスタイリング、人と被らない特別感に価値があるクルマであって、節約志向のユーザーには向いていません。
部品代・消耗品費・修理費用
ルーテシアは輸入車ですので、国産車にくらべてパーツ代や修理費用が割高です。
部品代、工賃ともに国産車のおよそ2〜3倍かかるとお考えください。
たとえば国産車なら工賃含めて5,000円で済むピット作業があった場合、ルーテシアは1万円以上の費用がかかる、ということです。
どうしてかというと、海外から部品を輸送するためのコストがかかるからです。
イメージとしては、アルプスの天然水(国産)よりもボルヴィック(フランス産)のほうが高いのとおなじです。
あるいは、日本製のキッチン回りよりもドイツ製のキッチン回り(シンクや水道)のほうが高額であるようなものです。
もちろん、1〜2年しか乗らないならほとんど部品交換の必要は生じませんが、5年、10年と長く乗るつもりであれば、それなりの出費(国産車との差額)になることを覚えておきましょう。
「外車は壊れやすいのでは……」
そう心配している方がいるかもしれません。
世界トップクラスの耐久性(故障率の少なさ)を誇る日本車にくらべると故障率は高いものの、だからといって毎月のようにあちこちトラブルが生じるようなことはありません。
不具合による突然の出費を避けたい場合には、ルノーが提供している新車保証サービスに入っておくと安心です。
なお、中古で購入した場合には加入できませんのでご注意ください。
もし中古を検討しているなら、「新車保証を継承している新古車(ディーラーの試乗落ちなど)」がおすすめです。
自動車税は年間30,500円
新型ルーテシアの自動車税は年額30,500円です。
これは国産車/輸入車に関係なく、エンジンの排気量によって決定されます。
ルーテシアが搭載しているのは1.3Lのターボエンジンですので、自動車税は一般的なコンパクトカーとおなじ30,500円となっています。
したがって、自動車税に関しては「ルーテシアだから割高」ということはありません。
ちなみに、おなじくルノーのメガーヌR.S.は1.8Lのターボエンジンを搭載しており、自動車税は年間36,000円です。
レクサスLCというスポーツカーはエンジン排気量が5Lで自動車税が年間8万7千円ですので、ルーテシアの30,500円という額は「常識の範囲内」だといえるでしょう。
たいていの普通車オーナーが同等かそれ以上の税金を納めています。
まとめ
ルノー新型ルーテシアは、一般的な国産コンパクトカーにくらべて燃料代とメンテナンス費用(部品や消耗品の交換など)がやや割高です。
自動車税は変わりません。
「やっぱり維持費が安い国産車に……」
と気が変わった方もいるでしょう。
が、このように「ちょっぴりお高い」からこそたいていの人はルーテシアを購入しない(ヤリスやノートを買う)わけで、ゆえに"希少性"が保たれているといえます。
ちょうど、高級ブランドであるルイ・ヴィトンのスニーカー(価格20〜30万円)がほとんど誰とも被らないようなものです。
みんなとおなじ自動車に乗っていて満足でしょうか。
それとも、ちょっと維持費を多く支払って「珍しくて周囲の目を引く新型ルーテシア」を乗り回すほうが幸せでしょうか。
そもそもルーテシアに興味を持った時点で、
- スタイリング
- 台数の少なさ
- フランス車の乗り味
このような点に惹かれているはずです。
いずれも国産車では「代わり」になりません。
そこでひとまず、ルノーのディーラーへ行ってルーテシアの展示車を見たり、試乗車を運転してみたりしてはいかがでしょう。
実車に触れれば、理屈ではなく本能的に「多少多くコストを払ってでもこの車に乗りたい」と思えて、購入に踏み切れるかもしれません。
ちなみに、ルーテシアの試乗予約はルノーの公式ウェブサイトから行えます。
歯医者や美容院とおなじ要領で、日時を指定してあらかじめ試乗予約を済ませておきましょう。
そうすれば試乗当日はルノーの営業スタッフに気持ち良くスムーズに対応してもらえます。
以上、ルノー新型ルーテシアの燃費と維持費でした。
【結論】燃費17.0km/Lはコンパクトカーとしてイマイチ。おまけにハイオク指定だからそれなりの燃料代がかかる。映画や旅行のように「クルマという趣味のお金」と考えればOK。部品代や修理代の不安は「新車保証」加入で解決。事実、新卒でルーテシアを買う若者だっている。心配ない。ひとまずディーラーで試乗してみては。
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ルーテシアの速さに関して、当サイトにはこんな記事があります。