文章を書くのは得意ですか?
この記事では、前田安正著『「なぜ」と「どうして」を押さえてしっかり!まとまった!文章を書く』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『「なぜ」と「どうして」を押さえてしっかり!まとまった!文章を書く』の要約と感想
まずは本書の要約から。
著者は朝日新聞編集担当補佐。
文章の書き方がわからない、書くべきことが見つからない人にむけて、自分の思いや考えをわかりやすく伝えるコツを伝授する。
短すぎる文章では伝わらない。
5W1Hを意識して書くなど、具体的なアドバイスが満載。
以上がおもな内容です。
小手先のテクニックではない、本質的な要素を押さえている良書です。
これを読んでもまだ文章が書けない人などいるのか、というくらい優れている。
「なぜ」と「どうして」を解消
文章を書くコツは「なぜ」および「どうして」を説明することだといいます。
たとえば本書には「昨日、僕は動物園でライオンを見ました」という例文が載っていました。
この文章には、
- なぜ動物園に行ったのか
- なぜライオンを見たのか
といった説明がありません。
だから、読み手はモヤッとするわけです。
文章は第三者が読むものなので、具体的に説明する必要があります。
そこで読者が抱くであろう「なぜ」を先回りして考え、文章に付け加える。
そうすると新たな「なぜ」が生まれる。説明する。
こんな流れで文章を書いていきます。
文章を書く過程がわかる
本書では、文章を組み立てていく過程がていねいに説明されていました。
このルールに従うだけで、誰でもまとまった量の文章が書けるようになるはずです。
- 犬が脱走しました
- うな重を食べました
- 恋人と別れようと思います
など、どんな一文から始めても、ある程度の文章にできるでしょう。
本書は、著者が肉付けしながら文章を伸ばしていく過程を見せてくれるのが親切です。
プロの料理人にいきなり料理を出されて、おなじものを作れますか?
無理ですよね。なぜなら使っている材料や調味料、手順がわからないから。
でも、キッチンに入って調理の様子を見せてもらえれば、「そうやって作るのか」と知識を得られ、手がかりをつかめます。
本書の内容はそんなイメージです。
文章版のレシピ本みたいな。文章の作り方を解説してくれている。
わかりやすくするための工夫
文章作成の基本は「なぜ」と「どうして」を押さえて書くことです。
加えて本書では、読み手の理解をサポートするためのノウハウが紹介されていました。
たとえば、具体的なデータや数字を使うと、読者にイメージを持たせやすいとか。
大金ではなく、6億円。大勢ではなく、4000人。
意見を書く際には、客観的な事実を盛りこむとか。
おなじ内容の文を繰りかえし書かないとか。
本書で示されているアドバイス通り文章を書けるようになれたら、相当な文章力を手に入れたといっていいでしょう。
社内のメールを読めばわかるように、ロクな文章を書けない大人ばかり。文章力で突出するのは難しくない。
まとめ
さまざまな文章術ガイドのなかで本書は、トップクラスのわかりやすさ、良質な内容だといえます。
文章が書けずに悩んでいる人を見かけたら、「とりあえずこれを読め」と投げつけたくなるような素晴らしい本でした。
本書を読んでも文章力が上がらない人など、この世に存在しないでしょう。
旅行でテンションが上がらない人など存在しないのとおなじ。
一文を発展させてまとまった文章を作り上げる様は、圧巻です。
「昨日、僕は動物園でライオンを見ました」
という小学生の日記みたいな一文が、著者の手によって素晴らしい文章へと進化します。
その過程を見てみませんか?
これは文章版工場見学だ
工場見学で、製品の製造過程を見るのは楽しいものです。
驚きや感動に満ち溢れています。
本書を読めば、文章版の工場見学ができます。
見学地は前田氏の脳内。事前予約は不要。
ぜひいかがでしょう?
以上、前田安正著『「なぜ」と「どうして」を押さえてしっかり!まとまった!文章を書く』の要約と感想でした。
結論。文章力を向上させたい人は必読。