『150冊執筆売れっ子ライターのもう恥をかかない文章術』の要約と感想

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文章を書く際の心得はひとつ。

それは、読者の奴隷になること、だといいます。

 

書いた文章が人に読んでもらえないとしたら、それは、読者の奴隷になりきれていないからかもしれません。 

 

この記事では、神山典士著『150冊執筆売れっ子ライターのもう恥をかかない文章術』の要約と感想をご紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

 

 

『150冊執筆売れっ子ライターのもう恥をかかない文章術』の要約と感想

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まずは本書の要約から。

 

著者はノンフィクション作家。新宿の朝日カルチャーセンターで、エッセイ教室講師としての顔も持つ。

 

人に読まれる文章を書くにはどうすればいいのか。

いっぽうで、読んでもらうために避けるべきことはなにか、などを解説する。

 

以上がおもな内容です。

 

本書の特徴とおすすめの読者

文章本は世の中にたくさん存在します。

それらのなかで本書は、エッセイ寄りの内容だといえます。

 

ビジネスの文章でなければ、Webライティングでもない。

小説でもないし、論文でもない。

エッセイを書く際に役立つアドバイスが多い印象を受けました。

著者が講師を務めるエッセイ教室でのエピソードが散見される。

 

たとえば、登場人物の人柄を表現するには、その人物に喋らせるのが良い、だとか。

サビの部分から書き出す。セリフから書き出すと、読者の心を掴みやすいだとか。

 

本書のアドバイスに従って文章を書くようにしたらどうなるか。

優れたエッセイが書けるようになるでしょう。

 

エッセイを書きたい人向け

本書は「エッセイの文章術」だといっても過言ではありません。 

したがって、エッセイを上手に書きたい方にはおすすめです。

 

エッセイや随筆が書きたいわけではない方。 

ほかに目的(ブログ、小説など)のある方は、本書でなくてもいいでしょう。

文章本はほかにいくらでもあります。

 

www.shortshortshort.jp

文章の基礎を身につけたい方には、こちらの本がおすすめです。 

 

 

井上ひさしの『作文教室』を読んだほうがいい?

井上ひさしが文章術を説いた『作文教室』という名著があります。

著者はこの本から多くを学んだらしく、本書のなかで複数回にわたって引用していました。 

 

文章を書く際には国語辞典をわきに置くこと。

一文を短くするよう心がけること。 

誠実さ、明晰さ、わかりやすさが大事、など。

これらすべて井上ひさしの受け売り

 

本書を読んでいて「なるほどな」と思ったアドバイスは、たいてい井上ひさしが『作文教室』で述べていることです。

井上ひさしはこう述べています、ああ述べています、みたいな。

 

だったら、私たちは本書を読んで遠回りせず、最初から井上ひさしの『作文教室』を読んだほうがいいでしょう。

有名カレー店のレトルトカレーが美味しかったら、レトルトではなく、店で食べたくなる。そんな感覚で『作文教室』を読みたくなる。

 

まとめ

冒頭で書いた「読者の奴隷になれ」という言葉。

これは井上ひさしではなく、著者自身が発しているメッセージです。

 

「自分が書きたいことではなく、読者が読みたいことを書け。お前が書きたいことなんて誰も読みたくない」

ノンフィクション作家として著者がまだ駆け出しだったころ、編集者からいわれた言葉なのだそうです。

 

「読者が読みたいことを書く」のが重要なのは間違いありません。 

がしかし、本書はノンフィクションやルポの書き方ではなく、エッセイに重点を置いています。

 

エッセイというのは、書き手が好きなことを好きなように書くもの。

したがってエッセイを書くシーンにおいていえば、書き手が読者の奴隷になる必要はないでしょう。 

冒頭で「料理は食べる人のために作れ。自分が作りたいものを作るな」と一喝しておきながら、「一人暮らしの簡単メシ」を解説している料理本みたいな、矛盾。

 

本書に載っている個々のアドバイスは役に立ちますが、全体を通して一貫していない。

そんな印象を受けました。

 

150冊執筆売れっ子ライターのもう恥をかかない文章術
 

以上、神山典士著『150冊執筆売れっ子ライターのもう恥をかかない文章術』の要約と感想でした。

結論。井上ひさしの『作文教室』を読むべし。

 

読むべきは、こっちです。