マツダの自動車は好きですか?
答えがイエスなら、本書をおすすめします。
読めば今よりもマツダへの愛情が深まること必至です。
この記事では、山中浩之著『マツダ 心を燃やす逆転の経営』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『マツダ 心を燃やす逆転の経営』の要約と感想
まずは本書の要約から。
マツダが行ったモノ造り革新の一部始終について、著者がマツダ元会長の金井誠太に2年半にわたりインタビューし、まとめたのが本書。
なぜマツダの車はすべて似たデザインなのか。
マツダはなぜ流行のEVではなく、エンジンに注力するのか。
いったんは競争に敗れ、どん底に沈んだ中堅自動車メーカー。
これは自分たちの存在意義を見つめ直し、道を切り開いてきた人々の戦いの記録。
以上がおもな内容です。
一つはマツダという自動車メーカーの歴史や特徴について知れること。
もう一つは、マツダ復活のキーパーソンである金井元会長の考え方を知れること。
一冊でふたつの要素を堪能できる良書です。
ドイツ車よ、今に見ちょれ
表紙を開くと視界に飛び込んでくるのが、「ドイツ車よ、今に見ちょれ」という一言です。
これはアウトバーンでマツダ車を走らせ悔しい思いをした金井氏が、自身の心に刻んだ言葉だといいます。
金井氏は複数回にわたって「今に見ちょれ」という言葉を使っていました。
というのも、「今に見ちょれ」という反骨精神を持つことで、誇りが生まれるから。
今は惨めな状況かもしれない。
が、現状をネガティブな意味で認めるのではなく、これから克服していくぞという気概を込めて認めることが大事。
これが金井氏の考え方です。
市場で負けている現状から目を逸らさない。惨めな現状を直視する。
けれど悲観的に捉えるのではなく、心を燃やし、逆転へのバネにする、というわけです。
心を燃やして生きているか
ところで、負けん気を持って生きていますか?
高級車。高級腕時計など。
自分よりも成功していそうな人物に遭遇したときに、「今に見ちょれ」と思えるか。
マクラーレンなど自分には無縁のクルマだと思って諦めていないか。
10万円で売られているグッチの短パンを買うことなどないと決めつけていないか。
収入や資産において負けている現状を直視し、「今に見ちょれ」ってな気概を持たなければ、なにも変わりません。
本書はそんな当たり前のことに気づかせてくれます。
マツダのハングリー精神に触れて、鎮火しかけている心の炎にふたたび燃料を投下しませんか?
その辺の自己啓発本を読むよりも「やったるで」ってな気分になれます。アツく生きたい人におすすめ。
「今に見ちょれ」と思っていれば、誇り高く生きられるといいます。
気持ちだけは負けずに生きたいものです。
マツダの車を好きになる
本書を読めば、マツダという自動車メーカーを好きになり、マツダが作るクルマを好きになります。
なぜなら、マツダが車づくりにかける情熱やこだわりに触れることができるから。
燃費だけがいい、走りのつまらないクルマは、マツダは作らない。
人生が楽しくなるような、心ときめくドライビング体験を提供したい。
これがマツダの哲学です。
クルマ好きな人間は、首がもげるほど肯いているはず。
多くの自動車は、ドライバーの中心とステアリングの中心が合っていません。
ステアリングは左側にズレています。
アクセルペダルも、本来あるべき位置から左側にズレています。
なぜなら、アクセルペダルを置きたい場所には前輪があるからです。
そこでマツダはこう考えます。
「だったら前輪を前に出そう」
マツダの車を運転したことがありますか?
マツダ車は、ステアリング、ペダルが自然な位置に設置されています。
だから運転していて疲れません。
自然な体勢で運転を楽しめます。
マツダ車に乗っている方は、本書を読んで哲学に触れてから運転すると、 これまでとは違う気分になれるでしょう。
「たしかにレイアウトが自然で素晴らしいな」みたいに。
まとめ
本書は、著者が金井氏にインタビューしたものを対談形式でまとめてあります。
話言葉なので、人柄なども伝わってきます。
金井氏はアツい人。
マツダがどん底の時代でもがき、少ないリソースの投入先に悩み、周囲とは異なる道を進んだこと。
世界的にEVが盛り上がっているなかで、あえてエンジン開発に資源を集中させたこと。
マツダが見据える未来なども書かれています。
- マツダというメーカーが好きな方
- 優れた経営者の思考を学びたい方
などに、本書はおすすめです。
読んで損はありません。
以上、山中浩之著『マツダ 心を燃やす逆転の経営』の要約と感想でした。
結論。マツダ車オーナーで本書を読まないのは、インドを旅行してカレーを食べないようなもの。筋トレをしてプロテインを飲まないようなもの。