経済について学べる一冊です。
経済は頭で考えるだけでなく、「感じる」ことが重要なのだと著者はいいます。
なぜなら、経済を動かしているのは私たち一人ひとりの経済活動だからです。
経済学の基礎や日本が抱える問題について、考えてみませんか?
この記事では、加谷珪一著『感じる経済学 コンビニでコーヒーが成功して、ドーナツがダメな理由』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『感じる経済学 コンビニでコーヒーが成功して、ドーナツがダメな理由』の要約と感想
まずは本書の要約から。
経済学は、じつはメンタルなものである。
経済の原動力は人の気持ちであり、みんながお金を使おうという雰囲気にならなければ、消費拡大のプロセスには入れない。
経済には人の気持ちが大きく反映されるため、コンビニやカラオケ店など、私たちの身近なところで「経済」は感じられる。
世間の人たちは金銭的に余裕があるのか、節約志向が高まっているのか、など。
身近なところから出発し、経済学の基礎を解説し、これからの時代の生き方までを説く。
以上がおもな内容です。
GDPとは何か、景気は何に影響されるのかなど、経済の基礎を学ぶことができます。
イチから説明してあるため、経済についての予備知識は必要ありません。
ニュースや新聞の内容をより深く理解したい方におすすめです。
初心者でも理解しやすい
本書は、経済学についての知識がない読者を想定して書かれています。
ですので、経済学の入門書であるといえます。
類似書と本書が異なっているのは、本書が経済を「感じる」ことに重きを置いている点です。
いきなり経済用語について説明を始めたりはしません。
コンビニのコーヒーという身近なテーマから、経済学の世界を案内してくれています。
「経済」というと、何か目に見えないお金の動きを想像する方が多いのではないでしょうか。
すなわち、経済とは目に見えないものである、と考えているわけです。
ですが、UFOやカッパなどとは異なり、経済はハッキリ見て感じることができるのです。
経済を感じる力を持つと、どんな良いことがあるのでしょう?
それは、時代の変化を恐れなくなること、だといいます。
身近なところから経済の動きを感じ、「今後はこうなるだろう」と予測できるようになるからです。
お金を使っているのは誰?
世の中でお金を使っているのは誰でしょうか。
まずひとつは、私たち個人です。
我々は生きるために食料品や衣類を買ったりして、お金を使っています。
これを家計と呼びます。
くわえて社会のなかでお金を使っているのが、企業と政府です。
政府の支出というのは、集めた税金を消費や投資に回すことを指します。
政府がお金を使う
景気が悪くて国民がお金を使おうとしないときに、政府が公共事業などにお金を使うことで、景気が上向く可能性があります。
これを財政出動といいます。
財政出動をうまく行えば、国民の間に蔓延している節約ムードを吹き飛ばせるかもしれないということです。
こうした事実を知ることで、政府が税金をどのように使っているのか、という点に関心が出てくる方がいるかもしれません。
私たちが納めた税金を賢く使ってくれよ、ってなもんです。
このように経済を学ぶことで、世の中のあらゆることに関心が広がっていくのではないでしょうか。
まとめ
経済学の基礎を学べる良書でした。
経済ってそういうことだったのかと理解でき、スッキリとした気分になれます。
ニュースでGDPという単語が出てきてもへっちゃらです。
というのも、本書を読めば、GDPとは何なのかがわかるからです。
お金を使う際の気持ちにも変化が現れるかもしれません。
「これで日本経済に貢献しているんだ」と前向きな気持ちで消費するようになるでしょう。
経済学を知っているのと、知らないのとでは大違いです。
私たちは嫌でもお金から逃れられません。つまり、経済活動と無縁でいることができないわけです。
自身も参加している経済活動について無知でいるのは、標識の意味がわからないままクルマを運転しているようなものです。
私たちが大好きなお金、その大きな動きである経済について、学んでみてはいかがでしょうか。
以上、加谷珪一著『感じる経済学 コンビニでコーヒーが成功して、ドーナツがダメな理由』の要約と感想でした。
結論。誰でも自分の収入と支出については興味関心を抱いているはず。その関心の輪を少しだけ広げたところに経済がある。手放したお金を無視するのはもったいない。なぜならお金はグルグルと循環しているから。使ったお金が自分と無縁になるわけではない。