億万長者には独特な習慣があるのだといいます。
この記事では、岡崎太郎著『億万長者のすごい習慣』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『億万長者のすごい習慣』の要約と感想
まずは本書の要約から。
「いちごミルクダイエット」という商品が爆発的人気を博し、著者は26歳にして月商1億円を売り上げた。
そんな著者自身、そして彼のまわりにいる億万長者たちが実践している習慣をまとめて紹介する。
億万長者の習慣を学ぶことは、あなた自身が億万長者になるのに役立つだろう。
以上がおもな内容です。
一言でいえば、「著者が億万長者と接するなかで気づいたことリスト」です。
彼らの習慣をマネしても億万長者にはなれないでしょう。
「億万長者」の母数が不明
本書に書かれているのは「億万長者たちの習慣」ですが、いかんせん、その母数が不明です。
読んでいる限り、本書に登場する億万長者はせいぜい3人程度しかいません。
なぜなら、「億万長者の共通点」ではなく、個別具体的な例ばかりが挙げてあるからです。
著者が知っている億万長者1人ないし2人を思い浮かべながら、彼らの特徴を書いただけ、といった印象です。
つまり、けっして「1万人の億万長者を調査して見えてきた習慣」が記されているわけではない、ということです。
- 早起きしろ
- メモを取れ
- すぐ返信しろ
- ワインについて学べ
- 一流のものに触れろ
- 個人の年間計画を立てろ
- 自分のすべてをさらけ出せ
などのアドバイスが、「どこかの億万長者」のエピソードとともに書いてありました。
体内時計に関しては人それぞれクロノタイプが決まっているため、必ずしも早起きが良いわけではありません。
アドバイスを鵜呑みにするのは危険です。
夜型の人間もいるということ。遺伝子によって決まっているため、クロノタイプは変えられない。
著者が自慢したいだけ
本書から透けて見えるのは、著者の「自己顕示欲」です。
「おれは億万長者から認められ、可愛がられているんだ」というメッセージを伝えるための本だといえます。
具体的には、
- 財産や投資について教えてもらえた
- 貴重なワインをプレゼントしてもらった
などの自慢が載っています。
「自分が知っていることは隠さず教える器のデカさを持て」という主張の裏には、「億万長者に信用されるおれの人間性を知ってくれ」という欲求があるように感じられてなりませんでした。
緊張していたためレストランで田舎者扱いされたが、メニューから今日の一本として上質なワインを選んだことで見直され、サービスの質が向上した。
だからワインについて勉強すべしって、もはや自身のワイン通ぶりをひけらかすための自慢話でしかありません。
高級レストランで緊張していたのは事実だとしても、「田舎者扱いされた」というのは著者の被害妄想ですし、「見直されサービスの質が向上した」というのも、思い込みです。
まとめ
億万長者についてわかったのは「真面目でいいヤツ」だということです。
なんともありきたりで漠然とした結論ですが、億万長者というのは、真面目でいいヤツなのだそうです。
プレゼントは相手が亡くなるまで送り続けるとか、お金はつねにピン札にするとか、謙虚に学ぶとか、凡事徹底だとか、当たり障りのない習慣ばかりが本書には並んでいました。
「気持ちに余裕を持って相手を優先する」という億万長者の習慣は、「卵が先かニワトリが先か」といっしょで、原因なのか結果なのかは不明です。
おそらく結果でしょう。
つまり、億万長者になったから気持ちに余裕がある、ということです。
だとしたら、参考にならない。
ちなみに、著者の口グセは「俺って、天才だぁ」だそうです。
以上、岡崎太郎著『億万長者のすごい習慣』の要約と感想でした。
結論。著者のすごい自慢。
成功者の習慣や思考について学ぶなら、こちらの本がおすすめです。