走るセラピーと呼ばれる「マインドフル・ランニング」について説明している本です。
この記事では、ウィリアム・プーレン著『心を整えるランニング』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『心を整えるランニング』の要約と感想
まずは本書の要約から。
著者はマインドフル・ランニングを心理セラピーに応用しているセラピストである。
マインドフル・ランニングを行うことで、頭がクリアになり、悩みが軽くなるだろう。
脳と身体をどうじに磨けるということだ。
マインドフル・ランニングのやり方、あらゆる効果、おすすめのコース環境などを解説する。
以上がおもな内容です。
「心と身体の健康を維持するためならランニングも厭わない」そんな方に本書はおすすめです。
たいていの人にとってランニングは億劫なので。
マインドフル・ランニングとは何ぞや
マインドフル・ランニングとはいったい何でしょうか。
端的にいえば、「自分の奥底にある感情と向き合いながら走ること」だそうです。
マインドフル・ランニングは、見失いがちな「本当の自分」に出会える有効な手段であるといえるでしょう。
静止した状態で行うマインドフルネスの瞑想よりも「心の内側」を観察しやすい点に、走るメリットがあるといいます。
つまり、走ったほうが集中しやすい、ということです。
マインドフル・ランニングについて、自分自身と向き合い、今ここに意識を向けながら走ることで、ストレスや不安から自由になれる新しい走り方なのだと著者は述べていました。
大きなストレスや不安を抱えている方は、本書を参考にし、ランニングを始めてみるのが良いのかもしれません。
身体のためでもダイエットのためでもなく、メンタルヘルスのために走るわけです。
メンタルに効く「ランニングのちょっとしたコツ」が本書には載っています。
普通のランニングとどう違う?
マインドフル・ランニングとそうでない通常のランニングは、いったい何が違うのでしょうか。
両者の違いは、よくわかりませんでした。
後ろ向きで走るとか、そういうのではない。
たとえば「ランニングは脳内物質エンドルフィンの分泌につながる」と本書には書かれています。
エンドルフィンは脳内麻薬とも呼ばれる物質で、我々に幸福感をもたらします。
ということは、ただ走るだけで幸福な気持ちになれる、ということです。
マインドフル・ランニングかそうでないかは関係ありません。
「今ここ」に意識を向けていても、「明日の朝食」のことを考えていても、とりあえず走るだけでエンドルフィン分泌による多幸感は得られます。
いわゆるランナーズハイと呼ばれる状態も、このエンドルフィンによるものであるとされています。
つまり、走ることそのものがメンタルに良い影響を及ぼすため、「何を考えるか」はそれほど重要でない気がする、ということです。
この疑問について、著者は解答を示していませんでした。
すべてマインドフル・ランニングの手柄としています。
「抱き枕にしがみついて8時間寝るのが健康に良い」 という主張について、「抱き枕がなくてもそもそもじゅうぶんな睡眠が健康にとってプラスなのでは?」と疑問に思うようなものです。
まとめ
歩数を数えたり、身体と周囲を観察しながら走ったりするのが、マインドフル・ランニングだといいます。
具体的な行動ではなく「意識」についての話ですので、いずれも曖昧で、読んでみて分かったような分からないような気分です。
ただ、ランニングがメンタルに良い影響を与える、ということは理解できました。
本書がおすすめなのは、「すでにランニングを習慣としている方」です。
なぜなら、意識を少し変えるだけでさらなるプラス効果を得られるかもしれないからです。
マインドフル・ランニングを試してみる価値はあるのかもしれません。
どうせ走るなら、ついでに心のケアも行ってみてはいかがでしょうか。
以上、ウィリアム・プーレン著『心を整えるランニング』の要約と感想でした。
結論。自然のなかを走れ。無理のないペースで走れ。目標を持たずに走れ。さすれば、心がスッキリするだろう。
脳と運動の関係についてはこちらの本がおすすめです。
「なぜ運動が脳に良いのか」を学ぶことができます。ランニングだけが脳に良い運動ではありません。