ドリフやバカ殿様で知られる志村けんが、人生やお金、ビジネス、処世術について語っている本です。
長年にわたって彼が厳しい芸能界で生き残りつづけられた秘訣を、本書で知ることができます。
それから、自由奔放に見えたコントでの振る舞いも、じつはすべて「志村の計算通りだった」事実も知れます。
この記事では、志村けん著『志村流』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『志村流』の要約と感想
まずは本書の要約から。
本書は志村けんが52歳のときに著した本。
これまでの人生を振り返り、人生やお金、ビジネス、処世術について語っている。
志村はなぜプライベートに関してなんのこだわりもないのか。
志村はなぜ無形の部分にお金を使ってきたのか。
志村はなぜアドリブを嫌ったのか。
志村けんという芸人の考え方を知れる一冊。
以上がおもな内容です。
一流の考え方を学びたい方、志村けんの素顔を知りたい方に本書はおすすめです。
無形の部分にこそお金を使う
志村けんは「無形の部分にお金を使うこと」を徹底していたといいます。
彼の場合それは、
- 発想力
- 構成力
- 演技力
でした。
なぜなら、これらの能力こそが志村けんという芸人の商品価値だからです。
芸能界で生き残るために、自らにお金を使い、自分自身の価値を高めてきたのだと彼は語っていました。
たとえば彼は、専属の放送作家を雇っていたといいます。
放送作家というのはさまざまな局の番組の台本を書くのが一般的で、ひとりの芸人がひとりの放送作家を囲うケースは、業界において異例なのだそうです。
しかし彼は、高い給料を支払い、ひとりの放送作家を囲ってしまいました。
なぜなら志村は、より深いコントのアイディアが欲しかったからです。
いっぽうで彼はほとんど物欲がなく、洋服や車などにはいっさい興味がなかったといいます。
ただし、仕事の役に立ちそうなビデオやDVDがあれば、とことんお金を使っていました。
つまるところ、彼は仕事にストイックな人間だ、ということです。
プライベートでは何ものにもこだわらず、仕事の役に立ちそうなものにはお金も時間も惜しまなかったのが、志村けんという芸人の生き方です。
私たちが仕事を通して認められるためには、彼のように「自分の商品価値を高める意識」が必要だといえそうです。
生き残りレースはマラソンとおなじ
「人生とマラソンは似ている」とは、さまざまな人が口にする言葉です。
志村けんもまた、人生をマラソンに見立てて考えていました。
ただユニークだったのは、けっして先頭を狙わず、あくまでも二番手、三番手を狙うという彼の思考です。
「先頭は風当たりが強いし、人一倍体力を使うから」と彼は語っていました。
一位には自分より上がいないからツラい。
そうではなく、二番手、三番手でいるほうが気が楽だ、というのが志村けんの考え方です。
自分のカラダや健康を壊してまでトップを目指すのは考えものだ、とも彼は述べていました。
したがって大事なのは、マイペースで、そこそこの位置で、ずっと走り続けることだといいます。
志村流の「継続は力なり」をあなたも参考にしてみてはいかがでしょうか。
トップを目指して猛烈な努力を重ねていた人物が、無理をしたせいでカラダやメンタルに不調をきたし、戦線離脱するケースは、あらゆる業界でしばしば起こります。
人生がマラソンだとするなら、彼が指摘しているように、そのペース配分にも注意が必要です。
まとめ
一流芸人の考え方が詰まった一冊でした。
一般的なおちゃらけたイメージとは違い、志村けんは真面目で、ストイックで、臆病で、慎重な人間であることを知れます。
コントを作る際には準備にとことん時間をかけ、仕組んであったものが観客から「アドリブ」に見えるよう努力をしていたことも知れます。
アドリブのように見えていた彼の言動は、思いつきのアドリブではなく、すべて「準備してあった」ということです。
ただし、「おれ、頑張りました」というのを見透かされるのはダメで、あくまで自然にサラッとやるのが彼の流儀なのだそうです。
- 仕事に真面目でストイック
- 仕事にこだわり他にはこだわらない
なんともカッコいい流儀です。
志村けんが行っていた「裏側の努力」を垣間見たい方に本書はおすすめです。
以上、志村けん著『志村流』の要約と感想でした。
結論。一流芸人はやっぱり凄い。
「一流」に興味のある方には、こちらの本もおすすめです。
一流の人たちの前向きな考え方を学べる本です。