家事やパソコン作業、スマホの操作などで猫背になっていませんか?
前屈みの姿勢は、深く正しい呼吸を妨げるといいます。
そして呼吸が浅くなった結果、疲れやすい、痩せにくいといった弊害が現れるのだそうです。
正しい呼吸法をマスターし、日々をすこやかに過ごしたい方に本書はおすすめです。
この記事では、大谷義夫著『疲れやすい、痩せにくいは呼吸が原因だった』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『疲れやすい、痩せにくいは呼吸が原因だった』の要約と感想
まずは本書の要約から。
人間は1日におよそ2万回の呼吸を行なっている。
姿勢が前屈みになると、吸い込む酸素の量が減り、全身の血流が滞り、疲労感が現れたり、集中力が下がったりといった全身の不調につながってしまう。
鼻呼吸、腹式呼吸を基本としながら、
- 1:5呼吸法
- 4-7-8呼吸法
- 片鼻呼吸
など、さまざまなシチュエーションや目的に沿った呼吸法を解説する。
以上がおもな内容です。
鼻呼吸と腹式呼吸という基礎を押さえつつ、「パニック状態を解消したいときの呼吸」など、状況に応じた呼吸法も学べます。
健康のため1日3回の食事が大事だとするなら、1日2万回行なっている呼吸は、もっと大事なのではないでしょうか。
現代人は呼吸が浅い
もしもあなたが日常的に、
- 家事
- スマホ操作
- パソコン作業
などを行なっているとしたら、あなたの呼吸は浅くなっている恐れがあります。
なぜなら、調理をしたり掃除をしたりパソコンを使用したりしているとき、私たちは猫背になりがちだからです。
前屈みの姿勢よって圧迫された肺は、じゅうぶんな酸素を取り込めなくなってしまうのだと著者は述べていました。
したがって猫背にならないよう意識することが重要だといいます。
猫背に注意しつつ、深い呼吸を行う上では「呼吸筋」を鍛えると良いそうです。
肺そのものはただのビニール袋のようなもので、自ら膨らんだりしぼんだりといった動きができません。
肺を動かしているのは、肋間筋や横隔膜といった肺のまわりにある筋肉です。
呼吸筋(インナーマッスル)を鍛えてやることで、
- 腹回りの脂肪がスッキリする
- 腸の蠕動運動が刺激され便秘解消
といったダイエット効果にも期待ができるといいます。
生きるために呼吸が欠かせないなら、呼吸にたいする意識を変え、ダイエット効果や疲労抑制効果を得たほうがおトクではないでしょうか。
漫然と浅い呼吸を繰りかえすよりも。
呼吸筋を鍛える方法については、本書で解説されています。
呼吸でメンタルを整える
呼吸をうまく活用すれば、メンタルを整えることも可能です。
たとえば、なかなか眠れないときには「4-7-8呼吸法」という方法を試すと良いそうです。
背筋を伸ばし、舌先を上の前歯の裏側につけ、息をすべて吐ききっておきます。
それから目を閉じ、
- 鼻で息を吸いながら4まで数える
- 息を止め、1から7まで数える
- 息を吐きながら8まで数える
これを1セットとし、4回繰りかえします。
上記の「4-7-8呼吸法」には高ぶった神経や心を落ち着かせる効果があるといい、別名「1分で眠くなる呼吸法」とも呼ばれているそうです。
安倍晋三前総理が行なっていると公言し、話題になったことがあるという。
なかなか寝付けないときの呼吸法だけでなく、
- 頭をスッキリさせたいときの呼吸法
- パニック状態を解消したいときの呼吸法
- 心を安定させリラックスしたいときの呼吸法
など、実用的な呼吸法が本書ではいくつも紹介されていました。
「呼吸でメンタルをコントロールしたい」と考えている方にとって本書は参考になるのではないでしょうか。
ストレス社会をたくましく乗り切る秘訣は、1日2万回行なっている「呼吸」にあるのかもしれません。
まとめ
呼吸を無意識に行うか、意識して行うか、この差は小さいようで、大きなものでした。
たとえるなら、ボーッと映画を見るのと、集中して映画を観る差のようなものです。
せっかく映画を観るなら、集中して鑑賞したほうが良いに決まっています。
呼吸もおなじです。
本書を読めば、これまで気にしていなかった呼吸を意識して行いたくなるに違いありません。
疲れやすさを感じている方、痩せたい方だけでなく、精神的ストレスを抱えている方にも本書はおすすめです。
1日2万回行なっている呼吸の質が低いのと高いの、あなたはどちらを望みますか?
以上、大谷義夫著『疲れやすい、痩せにくいは呼吸が原因だった』の要約と感想でした。
結論。呼吸の仕組みと重要性、深い呼吸をマスターする方法、目的別の呼吸法を学べる良書。「健康のカギは呼吸にあるんじゃないか」と考えている方におすすめ。