疲れない体をつくるための動き方、食事、睡眠、メンタルについて、オールカラーの写真・イラスト付きで解説している本です。
運動習慣がない方、疲労感に悩まされている方に本書はおすすめです。
この記事では、清水忍監修『運動習慣ゼロの人のための 疲れない!動けるカラダをつくるテク』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『運動習慣ゼロの人のための 疲れない!動けるカラダをつくるテク』の要約と感想
まずは本書の要約から。
体の疲れを防ぐには、正しい姿勢の維持が欠かせない。
正しい姿勢をキープするためには、骨や筋肉についての理解が必要だ。
本書ではカラーのイラストや写真を用いながら、どこの筋肉や骨を、どのように使えば「疲れにくいのか」を解説する。
正しいスマホの持ち方、正しいソファへの座り方、正しい荷物の持ち方など、シチュエーション別に細かく載せている。
くわえて、疲れない体をつくるための食事、睡眠、メンタルについても紹介。
NEATを高めることで消費エネルギーを増やし、痩せやすくする方法まで網羅している。
以上がおもな内容です。
疲れないコツがカラーの写真やイラストとともに紹介されています。
この写真やイラストがたいへんわかりやすく、読者の理解をサポートしてくれています。
前半と後半で矛盾している?
本書はまず「疲れにくくなるコツ」について解説しています。
- 疲れにくい座り方
- 疲れにくい立ち方
- 疲れにくい動き方
- 疲れをとるための食事
- 疲れをとるための睡眠
このような感じです。
いずれもわかりやすく、説明は明快で、なんら問題はありませんでした。
たいへん参考になります。
ところが後半のテーマは、「NEATを上げよう」です。
NEATとは、家事や通勤などの生活活動で消費されるエネルギー量のことをいいます。
早い話がNEATとは、(ジョギングなどの)運動ではない活動で消費するエネルギー、です。
「痩せるには基礎代謝を上げるのが大事だ」などとよくいわれていますが、本書は、基礎代謝よりもNEATを高める方が重要だとしています。
つまり、普段の生活でまめに体を動かしていれば太らない、というわけです。
前半では「最小限の動きでモノを取る方法」を解説していたかと思ったら、後半では「どんどん動こう」と主張が一転しており、結局われわれはどうしたら良いのかわかりません。
読者に体を使わせたいのか、ラクをさせたいのかが、不明です。
一貫性の無さを無視すれば良書
先述のとおり、本書には一貫性がありません。
たとえるなら、
- 前半:友達のつくりかた
- 後半:友達なんてクソ食らえ
このような掌返しがされており、間違いなく読者は困惑します。
ただ、本書に一貫性はないものの、
- 疲れにくい体の作り方
- NEAT(非運動性熱産生)の高め方
これらの知識はいずれも参考になりました。
わかりやすい優秀なイラストがついており、目で見てすぐ理解できます。
1冊の本にまとめず、それぞれを別の本として出版するのが良かったのかもしれません。
本書の前半部分にしたがえば、私たちは、無駄な動きをしない超省エネ人間になれます。
いっぽうで本書の後半部分にしたがえば、私たちは、チョコチョコと動き回る超エネルギー消耗人間になれます。
どっちを目指すか読者が好きなほうを決めてくれ、ということでしょうか。
ユニークな本です。
まとめ
個々の説明はわかりやすく、参考になりますが、全体としては矛盾している本でした。
ただ、参考になるかならないかといえば、本書は参考になります。
デスクワークが多い方など、正しい座り方をマスターしておいて損はないはずです。
横座りはNG、ソファの肘掛けを枕にして寝転ぶのはNGなど、日常生活のなかでやってはいけない動作も紹介されています。
「なぜやってはいけないのか」という説明が明確ですので、該当している人は、意識を改められることでしょう。
- 前半:疲れやすい人
- 後半:痩せたい人
このように本書は、おすすめする対象が異なります。
あなたがいずれかに該当しているのであれば、ぜひ本書を読んでみてください。
以上、清水忍監修『運動習慣ゼロの人のための 疲れない!動けるカラダをつくるテク』の要約と感想でした。
結論。カラーのイラストが秀逸でわかりやすい。内容は矛盾しているように思えるが、ひと通り読んでおいて損はない。
運動について、当サイトではこんな本も紹介しています。
運動をすれば頭が良くなる、という内容です。