スマートウォッチには危険性があります。
「喉に詰まらせて死ぬ」かもしれないアメ玉や餅ほど危険性ではないにしても、スマートウォッチには、依存したり身体にケガを負ったりするリスクがあります。
それにたいして、スマートウォッチを身につけるメリットはほとんどありません。
腕時計、歩数計、血圧計、睡眠モニター機能、どれもすべて、ほかのデバイスで代替可能です。
あえてスマートウォッチを買う必要はない、ということです。
この記事では、
- リチウムイオン電池の爆発事故
- スマホ依存や運動依存を引き起こす恐れ
など、「スマートウォッチの危険性」をわかりやすく解説します。
ナンセンスな買い物をしないため、ぜひ参考にしてみてください。
スマートウォッチの危険性3選
ハチや熊、街中でひとり喋っているオジサンほど"分かりやすく"はないものの、スマートウォッチもまた、危険性を孕んでいます。
具体的には、
- 爆発
- スマホ依存症
- 運動依存症
こうしたリスクです。
行動異常を引き起こしたり、爆発したりする恐れのあるウェアラブルデバイス、それがスマートウォッチだといえます。
ウォッチ(腕時計)という名前がつけられていますが、一般的なアナログの腕時計と同列に考えるべきではありません。
- 歩数計
- 血圧計
- 体温計
- GPS
- 心拍計
- 目覚まし
- 長座モニター
- 睡眠モニター
- プッシュ通知
- 着信通知
このようにスマートウォッチには機能がてんこ盛りで、時刻表示はオマケのようなものです。
リスク1. 爆発
火薬が仕込まれているわけではありませんが、スマートウォッチは、ごく稀に爆発します。
原因は、バッテリーとして内臓されているリチウムイオン電池です。
これに強い衝撃が加わるなど何らかのトラブルが起こったとき、爆発する危険性があるのです。
たとえば2017年には、アメリカに住む女性がスマートウォッチの爆発により、左手首に怪我を負っています。
幸いにして手首から先が吹っ飛ぶことはありませんでしたが(バッテリーが小さいので大爆発はしない)、彼女は皮膚にヤケドを負いました。
怪我はヤケドだけでなく、爆発時に飛び散ったスマートウォッチの破片が、彼女の左腕に突き刺さりもしました。
とはいえ、爆発事故はなにもスマートウォッチに限った話ではありません。
リチウムイオン電池はスマホにも使われていて、たとえば中国なんかで、スマホがときどき爆発しています。
世界では、もっと大きなリチウムイオン電池を積んだEV(電気自動車)が、駐車場でいきなり爆発する事故も起こっています。
スマートウォッチというよりも、バッテリーとして内臓されているリチウムイオン電池にリスクがある、ということです。
2000年公開の映画『バトル・ロワイアル』では、睡眠薬によって眠らされた生徒たちの首に、首輪型の爆弾がとりつけられています。
これではリラックスして本も読めません。
おなじように爆発するかもしれないスマートウォッチを、あえて自ら手首に巻くことはありません。
よけいな危険を冒すのはやめておきましょう。
リスク2. スマホ依存症
スマートウォッチは、スマホと連動させて使います。
たとえばLINEの通知を、スマートウォッチに表示させることができます。
いわば"腕につけられる小型のスマホ"です。
そんなスマートウォッチがスマホ依存に拍車をかけるともいえますし、既にスマホに依存している人が購入するデバイスだ、ともいえます。
スマートウォッチのせいでスマホ依存症になるというより、スマホに依存しているからこそ、スマートウォッチが欲しくなるのかもしれません。
ちなみにスマホ依存とは、制御できないほど「スマートフォンを使いたい衝動」に駆られる精神疾患のことをいいます。
順番はどうであれ、このウェアラブル端末のせいで、私たちの脳やメンタルにはいっそうストレスがかかります。
机にスマホが出ているだけで集中力が落ちるというのに、小型化したそれを腕にくっつけているとなると、鬱陶しさは計り知れません。
世の中では、「スマホうつ」という症状が知られつつあります。
『スマホ脳』という書籍が世界中でベストセラーになっています。
便利なだけではない、スマホのネガティブな側面が明らかになってきている、ということです。
スマホと距離を置いてリラックスした生活を送りたい場合には、スマートウォッチに手を出さないほうが良いでしょう。
というのも、距離をとるどころか、スマートウォッチはわれわれの手首に密着して、この上なく近くに居座るからです。
そして、座りすぎだの、LINEのメッセージが届いただの、私たちに世話を焼いてきます。
リスク3. 運動依存症
買い物やギャンブル、アルコールに限らず、私たちは「運動」にも依存するリスクがあります。
運動依存症になった人間は、じっとしていられません。
運動していない状態を「いけないこと」だと考え、自分を責め、「体を動かせ」という強迫観念に苛まれます。
ではどうしてスマートウォッチの使用によって、運動依存症を発症するリスクがあるのでしょうか。
それは、
- 歩数
- 血圧
- 体温
- 心拍数
- 睡眠データ
- 座っている時間
- 運動時間
- 運動履歴
など、ありとあらゆる数字を私たちに突きつけてくるからです。
そして、もっともっと、とさらに運動するよう唆してきます。
スマートウォッチの「数字」に取り憑かれた人間は、活動量をどんどん増やします。
1日1万歩では満足できなくなり、1日1万2千歩のノルマを自らに課します。
どこまでハードルを上げていくのかといえば、疲労骨折するまで、つまり身体がボロボロになるまでです。
スマートウォッチに表示される数字は、私たちにとって強迫観念になりかねません。
体に溜まった疲労を無視して、疲れているかどうかに構わずただ数字だけに注目する、そんな異常行動を引き起こすリスクがスマートウォッチにはあります。
運動していない自分、たとえばソファでスマホをいじっている自分にイラつきたくないなら、スマートウォッチには手を出さないことです。
ちなみに運動依存症の患者は、しばしば摂食障害(過食症と拒食症をあわせた呼び方)を併発します。
"たかだか腕時計"に人生を狂わされないよう、ご注意ください。
まとめ
スマートウォッチを買うくらいなら、ドイツ語で書かれた本を買ったほうがマシです。
内容をいっさい理解できないとしても、ドイツ語の書籍は、いきなり爆発したり、スマホを魅力的に見せたり、「運動しないのは悪だ」という強迫観念を押しつけてきたりしないからです。
ドイツ語の本には危険性がありません。
それにたいしてスマートウォッチは、
- 爆発
- スマホ依存症
- 運動依存症
こうした肉体的・精神的苦痛を私たちにもたらす恐れがあります。
だったら、買わないのがイチバンです。
時間が知りたいなら、アナログの腕時計か、スマホで事足ります。
血圧は血圧計、体温は体温計、心拍数は……指先で脈をとればじゅうぶんです。
「スマートウォッチでなければならない理由」はどこにもありません。
以上、スマートウォッチの危険性についてでした。
【結論】運動が好きで、スマホ依存を厭わず、ちょっとした爆発の痛みに耐えられる自信がある人向けのウェアラブルデバイス、それがスマートウォッチ。
【参考文献】
アダム・オルター『僕らはそれに抵抗できない』ダイヤモンド社、2019年
榎本稔『よくわかる依存症 ゲーム、ネット、ギャンブル、薬物、アルコール』主婦の友社、2020年
『家庭の医学 ハンディ版』主婦の友社、2020年