車によって「運転のしやすさ」は大きく異なります。
たとえば、大型バスは運転が難しい車です。
もし私たちが大型バスを街中で走らせたら、2〜5回はぶつけることでしょう。
電柱をなぎ倒したり、信号機をへし折ったり、気づいたら後輪が片方なくなっているかもしれません。
誰にでも扱えるサイズではないからこそ、大型バスやダンプカーの運転には大型免許の取得が義務づけられています。
私たちが高速バスの運転を任される日はやって来ないとして、では逆に、運転しやすいのはどんな自動車なのでしょうか。
この記事では、
- 軽自動車だったら
- 普通車だったら
など、「運転しやすい自動車」をわかりやすく解説します。
安心して扱うことのできるクルマを見つけるため、ぜひ参考にしてみてください。
自信がなくても免許があれば大丈夫!運転しやすい車3選
まず、運転しやすい国産車を3台挙げます。
- ダイハツ ミライース
- スズキ アルトラパン
- 日産 マーチ
これらの車に共通しているのは、どれもボディサイズが小さいこと、それから運転視界が広くとられていることです。
先ほどの大型バスの例からもわかるとおり、運転しやすいのは大きな自動車ではなく、ボディが小さな自動車です。
これはちょうど料理をつくる際、大きな包丁よりも、コンパクトなペティナイフのほうが扱いやすいのとおなじです。
普通車にくらべてボディサイズがひと回り小さい軽自動車は、どれもたいてい運転しやすいと感じることでしょう。
上に並べた3台のうち、日産マーチを除く2台が軽自動車です。
では、運転しやすい車それぞれの特徴を見ていきましょう。
1. ダイハツ ミライース
ミライースの魅力はボディがコンパクトであること、それから車両価格が安いことです。
まずボディサイズに関しては、
- ホンダ N-BOX
- ダイハツ タント
- スズキ スペーシア
こうした背が高い「スーパーハイト系」の軽自動車にくらベて、全高がグッと低く抑えられています。
だからミライースにはN-BOXのような"大きな車を運転している感"がなく、まるで自分の手足の延長みたいな感覚で扱えます。
じつはミライースの車幅と長さはN-BOXとおなじですが、背の高さが違っているだけで、運転感覚は大きく異なります。
ミライースは重心が低いぶん走りが安定しているので、カーブを曲がったり、右左折したりする場面でも、車体がグラグラ揺れたりしません。
それから嬉しいのが、車両価格の安さです。
多くの軽自動車が200万円ちかくするなかで、ミライースの価格は80万円台から設定されています。
万が一ミライースを電柱に擦ってしまったり、ぶつけてしまったりしても、価格が安いので受けるショックもそれなりです。
たとえるなら、1丁300円の高級豆腐を床にベチョッと落とせば意識を失うところ、1丁50円の豆腐であれば、「手が滑った。もったいないけど仕方ない」と割り切れるようなものです。
もし運転が苦手で、車をぶつけたり擦ったりする予感がするなら、なるべく安い自動車を選んでおくのが無難だといえます。
ミライースがベコベコになるまで練習して、運転技術が上達した暁には、ほかのクルマへ買い替えましょう。
2. スズキ アルトラパン
スズキのアルトラパン(通称ラパン)は、若い女性をターゲットとした軽自動車です。
だから運転がしやすいのはもちろんのこと、ラパンはデザインの可愛さにもこだわって作られています。
ただ扱いやすいだけではありません。
ちなみにLapinというのは、フランス語で「ウサギ」を意味する単語です。
ラパンのマークにウサギの模様が入っているのはそのためです。
こうした遊び心やさりげないお洒落も、ラパンの特徴だといえるでしょう。
運転席に座ってみると、ノーズ(ボンネットの先端)までハッキリと見えることがわかります。
クルマの先がどこまであるのか把握しやすく、信号待ちや前向き駐車をする際に助かります。
そんなラパンにたいして、ダイハツコペンやホンダS660といったスポーツタイプの軽自動車は着座位置が低いため、ボンネットがどこまであるのかわかりません。
ですので、ぶつけないよう「勘と想像に頼って」運転することになります。
その点、ノーズ視認性が高くて取り回しがラクなラパンは、フロントバンパーを擦ったり、塀にボンネットをぶつけたりする心配がないといえます。
ここまでの2台について振りかえると、
- 運転しやすく安い軽自動車:ミライース
- 運転しやすいキュートな軽自動車:ラパン
こんなふうに区別できます。
では最後に、唯一の普通車である日産マーチを見ていきましょう。
3. 日産 マーチ
ミライースやラパンと違って、マーチは普通車です。
軽自動車ではありません。
つまり、軽自動車の規格に縛られていない、ということです。
たとえば、ミライース、ラパンのエンジン排気量はともに660cc(厳密には658cc)ですが、マーチの排気量は1,198ccと2台を大きく上回っています。
エンジンの排気量が大きいぶん、マーチのほうが力強く走ってくれます。
もし高速道路や峠道を走る機会が多いのであれば、軽自動車ではなく、よりパワーがある普通車を選んだほうが良いかもしれません。
それから軽自動車の乗車定員は4名ですが、普通車のマーチは5名が定員です。
家族や友人を乗せるようなシーンでは、マーチのほうが役に立つことでしょう。
もちろんマーチのほうが車内のスペースは広く、快適で、おまけに軽自動車より多くの荷物を載せられます。
そんな日産マーチが「運転しやすい車」である最大の理由は、最小回転半径の小ささにあります。
マーチの最小回転半径は4.5mです。
これはどれだけ小回りが利くかを表す数字で、小さいほど、ステアリングを切ったときにクイッと車が曲がってくれます。
たとえば、
- 駐車
- 右左折
- Uターン
などのシチュエーションで大きな差がつきます。
マーチの最小回転半径4.5mという値は、軽自動車であるミライースの4.4m、同様にラパンの4.4mとほとんど変わりません。
大型バスを見ればわかるとおり、小回りが利かない自動車ほど、運転の難易度は上がっていきます。
ちなみにマーチ以外のコンパクトカー(普通車)は、最小回転半径がだいたい5.0m近くあり、なかには5.0mを超えている車種もあります。
コンパクトカーのなかでもっとも小回りが利いてもっとも運転しやすい車、それが日産のマーチです。
ダイハツの軽自動車ウェイク(4.7m)にすら勝っています。
マーチの車両価格は120万円台からと安く、これはラパンの新車価格とほとんど変わりません。
それからマーチはシンプルで飽きのこないデザインをしているので、買ったら長く乗れます。
もし運転しやすい普通車を探しているのであれば、こうした理由から日産マーチをおすすめします。
存在感が薄くて人気がないクルマなので、中古車市場では、状態の良い個体が驚くほど安い価格で出回っています。
ぜひ中古車情報サイトをチェックしてみてはいかがでしょう。
「新車だからぶつけたくない」という精神的プレッシャーがないぶん、中古車なら、気軽にリラックスして運転できるはずです。
運転に慣れるまでは、中古車のほうが良いのかもしれません。
軽自動車で首都高をかっ飛ばすおばあちゃんが証明しているように、運転というのは、結局「慣れ」です。
以上、運転しやすい自動車3選でした。
【結論】安い軽ならミライース。お洒落な軽ならラパン。 安い普通車ならマーチ。どれも扱いやすさは抜群で、免許さえあれば、自信がなくても大丈夫。肩の力を抜いて乗れるのは中古車で、どこの地域にどんな中古車が売っているかの一覧は、インターネットで確認できる。
Amazonでは、軽自動車に関するこんなムック本が売っています。
ご紹介したミライースとラパンも収録されているので、興味があればお手に取ってみてください。
もし紙媒体が売り切れている場合には、Kindle版(電子書籍)もご購入いただけます。
日産マーチはこちらのムック本に載っています。
普通車を探しているのであれば、ほかのコンパクトカーと比較できて便利です。
マーチに特化したムック本はこちらです。
もしマーチの購入が濃厚(どうやらマーチのオーナーになりそう)なら、詳しく知れて良いかもしれません。
ダイハツ、スズキ、日産のディーラーを訪れれば、試乗車を運転させてもらうこともできます。