FIAT500はイタリア車、すなわち輸入車です。
世界トップクラスの「壊れにくさ」を誇る日本車にくらべたら、フィアット500のほうが、不具合やトラブルに見舞われる可能性が高いといって良いでしょう。
とくに注意したいのが、フィアットに搭載されている「デュアロジック」というトランスミッションの故障です。
- デュアロジック
- クラッチディスク
これらの部品がダメになった場合、修理に30万円以上のお金がかかります。
「見た目は可愛いけど……面倒くさそうだしフィアットはやめようかな……」
と購入意欲が失せてしまったかもしれません。
フィアット500が"30万円が吹っ飛ぶかもしれないギャンブルみたいな自動車"だったら、誰も乗りたくはないでしょう。
がしかし、世の中にはフィアット500のオーナーが多く存在しています。
フィアット500に安心して乗る方法はないのでしょうか。
フィアット500のオーナーたちは、どんな対策をしてイタリア車を楽しんでいるのでしょうか。
この記事では、
- デュアロジックの故障に注意
- メーカー保証への加入はマスト
- クラッチの交換は保証適用外?
など、「フィアット500の故障リスクと対策」をわかりやすく解説します。
不安を解消するため、ぜひ参考にしてみてください。
フィアット500の故障リスクと対策
故障したときにもっとも厄介なのが、フィアット500に使われているデュアロジックというパーツです。
デュアロジックは別名「ATモード付5速シーケンシャル」ともいい、分類上はセミオートマに該当します。
一応オートマですので、運転免許はAT限定で構いません。
トランスミッションには、
- オートマ
- マニュアル
この2種類があり、市販されている自動車のほとんどがAT(ないしCVT)を採用しています。
MTを選べるのはスポーツカーくらいです。
フィアット500のデュアロジック(セミオートマ)は、オートマとマニュアルの中間のような機構だとお考えください。
ちょうど、タブレット端末が、パソコンとスマートフォンの中間であるようなものです。
デュアロジックには、
- ダイレクトな走りが楽しめる
- 構造がシンプルだから軽い
といった利点があるいっぽうで、しばしば壊れるのが欠点だといえます。
フィアット500を検討しはじめた人は、たいていこの「デュアロジックが故障する不安」という壁にぶち当たります。
デュアロジックが壊れたら20万円が消える?
これをしたらデュアロジックが壊れる、といった法則はありません。
故障するかどうかは"運次第"です。
もちろん、ディーラーで定期的にメンテナンスを受けることで故障リスクを下げることはできます。
では、もしも運悪くデュアロジック(変速機)が壊れてしまったらどうなるのでしょう。
まず、変速機が壊れたまま走行することはできないので、修理が必要になります。
このときデュアロジックやその関連部品の交換にかかる費用は、およそ23万円です。
この23万円のなかには工賃も含まれています。
ちなみに、輸入車のパーツ代や工賃はだいたい国産車の2〜3倍ほどかかるとお考えください。
「外車は維持費が高い」という噂は本当です。
フィアット500も例外ではありません。
ゆえに、デュアロジック以外の部品(たとえば電気系統など)に不具合が生じた場合も、直すのにそれなりの費用がかかります。
それから、デュアロジックに関係している「クラッチディスク」という部品が焼けてしまうと、デュアロジックにも不具合が起こる可能性が高まります。
ちょうど、すり減ったシューズで走っていると脚を怪我するリスクが高まるようなものです。
そしてクラッチディスクの交換には約10万円の費用がかかります。
したがって、
- デュアロジック
- クラッチディスク
これらの部品が同時にダメになってしまった場合、修理費としておよそ33万円が飛んでいく計算になります。
33万円……ルイ・ヴィトンのバッグが一つ買えるくらいの金額です。
これではとても安心してフィアット500になど乗れません。
では、この恐ろしい"時限爆弾"に対処する方法はないのでしょうか?
新車を買うと3年間の保証が標準でついてくる
故障のリスクに備えるには、FIATが提供している新車保証サービスに加入することです。
この保証に入っていれば、万が一先の「デュアロジックの故障」が生じたとしても、23万円を支払わなくて済みます。
というのも、保証が適用され、タダでトラブルに対応(無償交換)してもらえるからです。
ただしこの保証、新車で買った場合にしか加入することができません(新車で買えば全車標準で3年間の保証が付帯される)。
つまり、中古で買ったらメーカー基本保証には入れない、ということです。
したがって、もしフィアット500を中古で買おうと考えているなら、「新車保証継承」と記されている個体を選ぶようにしましょう。
新車保証が継承されているのは、たいてい新古車(ディーラーの試乗車落ちなど)です。
「新古車か……もっと年式が古くて、もっと安いフィアットを中古で買おうと思っていたんだけど……80万円くらいのやつ」
という方がいるかもしれません。
確かに車両価格は安いでしょうが、「故障のリスク」を考えたら、お得な買い物かどうかは微妙なところです。
いきなりデュアロジックがぶっ壊れ、修理代として20万円を失うかもしれません。
安心してフィアット500に乗るなら、
- 新車で買う(保証付き)
- 新車保証継承の新古車を買う
このいずれかがおすすめです。
クラッチディスク交換費用10万円
がしかし、最後に残念なお知らせです。
フィアット500のクラッチディスクは、走行距離およそ3万kmごとに交換が必要になり、その都度10万円ほど費用がかかります。
靴底のように、クラッチディスクもすり減るからです。
摩耗するクラッチディスクは「消耗品」として扱われているため、フィアットのイージーケア(基本保証とはべつの有償プログラム)に入っていたとしても、10万円の出費は避けられません。
クラッチディスクの摩耗は、メーカー保証の対象外です。
タイヤが減るのとおなじで、いわば自然な現象で、故障ではないからです。
つまり、3万kmの走行ごとに10万円の出費が待っている、ということです。
年間1万kmほど走るなら、3年ごとに10万円の出費です。
もしフィアット500の運転が楽しくて、あるいは旅行が好きで年間2〜3万kmほど走り回るなら、毎年10万円かけてクラッチディスクを交換するハメになります。
お伝えした通りクラッチディスクの交換をケチるとデュアロジックが故障するリスクを高めてしまうため、交換しないわけにはいきません。
ちなみに、中古でフィアット500を買った場合、いきなりこの「クラッチディスクの交換10万円」が生じる可能性があります。
フィアットに乗るなら新車ないし新古車に限ります。
まとめ
デュアロジックが壊れたら23万円、クラッチディスクが焼けたら10万円近い修理費用がそれぞれかかります。
これらの出費を避けるには、フィアット500を新車で買うこと、です。
というのも、新車で買えば3年間のメーカー基本保証が標準でついてくるからです。
まるでスマートフォンを買ったらセットで充電器がついてくるようなものです。
FIATのウェブサイトには、メーカー基本保証について「純正部品の不具合による故障を無料で修理」と明記されています。
つまり保証期間内であれば、万が一デュアロジックが壊れたとしても無償でパーツを交換してもらえます。
したがって、私たちオーナーが修理費用を負担することはありません。
ちなみにメーカー基本保証は、お金を払ってさらに2年間延長することが可能です。
ちょうど、テレビを買ったときに「有償の保証延長サービス」に入るかどうか訊かれる、あれとおなじようなものです。
ゆえに、最長5年までは故障に怯えることなく、安心してフィアット500に乗れます。
5年目以降は……、
- それでも乗り続ける
- 新しいフィアットに買い替える
- 他のクルマに買い替える
このいずれかを選ぶことになるでしょう。
「デュアロジックの故障も気がかりだけど、3万Kmごとに10万円かけて交換するクラッチディスクもちょっと……」
という方は、ぜひフィアット500Xも検討してみてください。
フィアット500Xは、フィアット500よりもボディが大きいSUVタイプの自動車です。
これをおすすめする理由はただ一つ、トランスミッションがデュアロジックではなく、一般的なオートマだからです。
ゆえに、デュアロジックの故障やクラッチ板の交換うんぬんを心配する必要がありません。
フィアット500よりも気楽に乗れるのは間違いないでしょう。
クルマの下取り・売却で損をしないためのポイント
クルマの下取りや売却で損をしないために大切なのは、一社ではなく、複数の買取業者に査定してもらうことです。
実際、私がコペンローブを売却した際には、業者によって査定額に31万円の差がありました。
想定を超える査定額が出たら、
- グレードを上げる
- 高価なオプションを付ける
など、つぎのクルマ選びで贅沢ができるかもしれません。
査定=売却確定ではないので、気軽に愛車の価値をチェックしてみてはいかがでしょう。
一括査定:電話ラッシュを避けるには?
クルマを1万円でも高く売るなら一括査定がおすすめです。
たとえるなら、複数の企業から内定をもらい、条件が良いところに就職を決めるようなものだとお考えください。
比較して選べることに価値があります(安く買い叩かれずに済む)。
「一括査定はたくさん電話がかかってくるのでは?」
と不安な方がいるかもしれません。
たしかに一括査定に営業電話はつきものですが、イカプラは違います。
複数の買取店とのやり取りをイカプラが行うため、われわれは最高額を出した一社とだけ連絡を取ればOKです。
一括査定にありがりな"電話ラッシュ"とは無縁です。
- 煩わしい電話対応ナシ
- 比較して最高額で売却
ぜひ一括査定のいいとこ取りをしてみてください。
イカプラの無料一括査定はこちらです。
カーネクスト:現車確認ナシ
なかには、
「一括査定ではなく、気になる買取業社の査定額だけが知りたい」
という方がいるかもしれません。
カーネクストなら、来店不要、電話1本で契約まで行えます。
店舗へクルマを持ち込む必要はなく、実車査定のスタッフが自宅までやってくることもありません(本当に電話だけで完結する。申告と大きな相違がなければ減額ナシ)。
査定コストをカットして買取額に上乗せする、それがカーネクストの特徴です。
売却に手間や時間をかけたくない方におすすめです。
ちなみにカーネクストは、
- 10年以上前の車
- 走行距離が10万kmを超えた車
こうしたクルマも歓迎しています。
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ガリバー:最短35秒カンタン入力
ガリバー無料査定の特徴は、
- 車種
- 年式
- 走行距離
など、カンタンな情報を入力するだけで買取金額の概算を知れる点にあります。
今後ほかの買取業社に査定してもらう際、「ガリバーの提示金額はこれですが……」と交渉材料に使うこともできます(手ぶらで挑むより交渉しやすい)。
愛車の買取相場を押さえておきたい方におすすめです。
ガリバーの査定額に興味がある方はこちらです。
- 一括査定のイカプラ
- 手軽に売却できるカーネクスト
- カンタン入力のガリバー
ぜひご自身に合ったサービスを選んでみてください。
迷ったら一括査定を選んでおけば間違いありません。
以上、フィアット500の故障リスクと対策についてでした。
【結論】フィアット500は新車で買うべき。3年間のメーカー基本保証が標準で付くからデュアロジックの故障も怖くない。お金を出せば保証期間を2年間延長できる。もし中古で買うとしても、新車保証が継承されている新古車がおすすめ。保証のないFIAT500は、いつ"時限爆弾"が爆発するかわからない。
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フィアット500の短所について、当サイトにはこんな記事があります。
フィアット500Cの雨漏り事情に関して、当サイトにはこんな記事があります。
フィアット500Xの購入を後悔するリスクについて、当サイトにはこんな記事があります。