フィアット500Xのカタログ燃費は、13.4km/L(WLTCモード)です。
- 500X
- 500X CROSS
- 500X SPORT
どのグレードを選んでも燃費は変わりません。
フィアット500Xの燃費を「良い・悪い」で評価するなら、「悪い」部類に入るでしょう。
たとえば、おなじSUVであるトヨタ・ヤリスクロス ハイブリッドの燃費は30.8km/Lです(フィアット500Xの2倍以上)。
ちなみに、フィアット500Xにハイブリッドモデルは存在しません。
燃費がイマイチなガソリン車のみの販売となっています。
さらにフィアット500Xの燃料は、レギュラーではなくハイオク指定である点にご注意ください。
「月々のガソリン代を抑えたい」
そんな経済性を重視するユーザーには適さないクルマです。
この記事では、
- 使用燃料は無鉛プレミアムガソリン
- ハイブリッドモデルは存在しない
- カタログ値13.4kmはイマイチ?
など、「フィアット500Xの燃費とガソリン代」をわかりやすく解説します。
ぜひクルマ選びの参考にしてみてください。
フィアット500Xの燃費と毎月のガソリン代
フィアット500Xは、可愛らしい見た目に反してパワーがあります。
ただ燃費が悪いわけではありません。
排気量1,331ccの直列4気筒ターボエンジンを搭載し、
- 最高出力:151ps
- 最大トルク:270Nm
ご覧のスペックを誇ります。
ほかのSUVとくらべても、フィアット500Xには「力がある」といって良いでしょう。
たとえば、排気量1,986ccのレクサスUXは、
- 最高出力:174ps
- 最大トルク:209Nm
この通りのエンジンスペックです。
排気量ではレクサスUXを下回っていますが(税金が安いのでむしろOK)、フィアット500Xには過給器がついているため、パワーでは引けをとっていません。
ただし、走りの力強さや軽快さと引き換えに、フィアット500Xはそれなりの燃料を消費します。
だから燃費はイマイチです。
早い話が、フィアット500Xは燃料をガンガン使って元気よく走るクルマだ、ということです。
"燃費は良いが走りはモッサリ"したエコカーとは対照的だといえるでしょう。
- 走りを重視:フィアット500XでOK
- 燃費を重視:ハイブリッド車にすべき
上の基準で判断してみてください。
ただし「デザインに惚れた」という方は、腹を括ってフィアット500Xを買うしかなさそうです。
というのも、フィアット500Xは唯一無二の存在で、ルックスが似ている車はほかにないからです。
ハイオク指定で燃費は13.4km/L
フィアット500Xにかかるガソリン代は安くありません。
コストが高くつく理由は2つあります。
- 燃費がイマイチだから
- 燃料がハイオク指定だから
まず、フィアット500Xのカタログ燃費13.4km/L(WLTCモード)は、お世辞にも低燃費とはいえません。
国産SUVのハイブリッド車なら燃費30.0km/Lを超えますし、ハイブリッドでないガソリン車でも、20.0km/L前後をマークしています。
フィアット500Xの13.4km/Lは"悪い"ほうです。
その代わり、パワーのあるキビキビとした走りを楽しめます。
自宅の電気料金でたとえるなら、
- 電気代をケチってエアコン使用を控える
- 快適さを優先してエアコンを積極的に使う
このような姿勢の違いで、フィアット500Xは「後者」に該当します。
電気代はかかるけど快適、ガソリン代はかかるけど走りが気持ち良い、という具合です。
みるみる減っていくガソリンは「元気の良い走りにかかるコスト」だと割り切って考えましょう。
燃費も走りもイマイチだったら最悪ですが、フィアット500Xはそうではありません。
ハイオクは不可避?
フィアット500Xの燃料には無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)が指定されています。
レギュラーガソリンよりも1リットルあたり10円ほど単価が高いため、そのぶん燃料代も高くつきます。
たとえば、レギュラーが160円ならハイオクは170円、という具合です。
10円の差は大きいのでしょうか、それとも小さいのでしょうか。
フィアット500Xの燃料タンク容量は48Lですので、もし空の状態から満タンに給油するなら、レギュラーとくらべて10円×48L=480円の差額が生じる計算です。
「たいした額じゃないな……」
と感じる方もいるでしょう。
ちなみに、国産車でハイオク指定になっているのは高級車や一部のスポーツカーくらいですが、輸入車はほとんどがハイオク指定です。
フィアット500Xは輸入車(イタリア車)ですので、仕方ないといえるでしょう。
ハイオクは、輸入車オーナーの宿命みたいなものです。
「フィアット500Xにレギュラーガソリンを給油したらダメなの?」
と考えている方がいるかもしれません。
ハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れたとしても、「エンジンが壊れる」ようなことはありません。
が、エンジンが本来のパフォーマンスを発揮できなくなります。
まるでアスリートにジャンクフードを食べさせるようなものです。
ハイオク指定のフィアット500Xには、ハイオクの給油をおすすめします。
月々のガソリン代はどれくらいかかる?
では、フィアット500Xにかかる毎月のガソリン代を計算してみましょう。
- 燃費:13.4km/L
- 月間走行距離:800km(年間1万km)
- ハイオク単価:170円
計算にはご覧の条件を用います。
まず、1ヶ月に消費するガソリンの量を算出します。
800km÷13.4km=59.7L
年間1万kmペースで走るなら、毎月消費するガソリンは約60Lだとわかりました。
つづいて、59.7Lにハイオクの単価をかけます。
59.7L×170円=10,149円
結果、上の条件ならフィアット500Xのガソリン代は月々1万円ちょっとです。
もちろん実際はこの通りではなく、走行距離やガソリン価格によって燃料代も変わります。
そもそも13.4km/Lというカタログ値が出ることはありません。
フィアット500Xの実燃費は10.0km前後でしょう。
したがって、計算したガソリン代は「ひとつの目安」としてお考えください。
毎月の燃料代を抑えるには、
- 急発進を控える
- ムダに走り回らない
- 安いガソリンスタンドで給油する
これらの対策が有効です。
まとめ
燃費がイマイチなフィアット500Xは、そもそも低燃費を売りにしていません。
フィアット500Xのセールスポイントは次のとおりです。
- 内外装の個性的なデザイン
- 元気の良いキビキビとした走り
クルマに上のような要素を求めるならフィアット500Xがおすすめですし、燃費や維持費を重視するなら、国産SUVのハイブリッド車がおすすめです。
もし迷っているなら、
「割高なガソリン代を払ってでもフィアット500Xに乗りたいかどうか」
を考えてみてください。
高級リゾートホテルに泊まるか格安ビジネスホテルに泊まるか、みたいな問題で、正解はありません。
人それぞれの価値観しだいです。
ところで、もうフィアット500Xへの試乗は済ませましたか?
クルマの魅力は数値だけでは理解できません。
もちろん、スマホで画像や動画を眺めているだけでもわかりません。
料理の味は食べなきゃわからないのとおなじで、フィアット500Xの魅力も、乗ってみなければわかりません。
ぜひFIATのディーラーを訪れて、500Xの試乗車を運転してみてください。
試乗予約はFIATのWebサイトで受け付けています。
スマートフォンでフォームに必要事項を入力すれば予約できますので、歯医者や美容院とおなじように、あらかじめ予約しましょう。
中古車ないし新古車での購入を考えている方も、ディーラーでの試乗をおすすめします。
というのも、「試乗不可」としている中古車ショップが多いからです(エンジンをかけるだけなら可)。
フィアット500Xを買うかどうかは、試乗してから決めても遅くありません。
悩んだ結果「買わない」ことになったとしても、フィアット500Xを運転した経験はムダにはならないはずです。
あきらめて国産SUVを試乗したときに、「やっぱりフィアット500Xのトキメキが忘れられない」と購入を決意する、なんてこともあり得ます。
以上、フィアット500Xの燃費とガソリン代についてでした。
【結論】フィアット500Xの燃費は悪い。が、搭載する1.3Lターボエンジンは2.0L自然吸気エンジンに匹敵するパワーを発揮する。スポーツカーのような加速性能ではないが、同クラスで比較したら十分な速さ。フィアット500Xのデザイン性に惚れたなら、経済性には目を瞑ろう。好きな人の代わりがいないのとおなじで、フィアット500Xに似ている車は他にないから。
フィアット500Xの後部座席について、当サイトにはこんな記事があります。