スポーツカーを「運転しにくい」と思っている人がいますが、それは誤解です。
スポーツカーほど運転しやすい車はありません。
むしろコンパクトカーや軽自動車など、街中に溢れている車のほうが運転しにくいと感じます。
この記事では、スポーツカーが「具体的にどう運転しやすいのか」について、実際にスポーツカー(86)に乗っている私が書いていきます。
スポーツカーは運転しやすい
スポーツカーが運転しやすいのは、思いどおりに走らせることができるからです。
とくにカーブを曲がるとき。スポーツカーなら驚くほどスムーズに曲がれます。
一般的な車だと、思ったよりも小回りや大回りになってしまうことがあります。
速度が出ていると「怖い」と感じて、とっさにブレーキを踏むこともありますね。
スポーツカーは、狙ったコースを思い描いたとおりに走ってくれます。
車高が低いので重心が安定していて、コーナリングも滑らかです。運転していてストレスがありません。
スポーツカーは運転に特化した車
なぜスポーツカーが運転しやすいのかというと、スポーツカーが「運転に特化した車」だからです。
ミニバンは居住性や積載性が優れていますし、SUVなら悪路走破性がバツグンです。
軽自動車は経済的で、セダンは乗り心地がいい。
ではスポーツカーはどうなのかといえば、居住スペースが狭く、荷物もロクに乗りません。悪路を走ったらバンパーを擦ってしまいます。
燃料はハイオクのため経済的とはいえず、同乗者の乗り心地は不快そのもの。
しかし、運転や走りに関してはどんなタイプの車にも負けません。
なぜなら「走り」だけを追求した車ですからね。
コーナリング性能はバツグンですし、走る止まるといった基本動作のレベルが高い。
ドライビングポジションも最適です。
そんなスポーツカーが運転しにくいはずないのです。
「運転しにくい」のありがちな意見と反論
それでもスポーツカーを運転しにくいと感じる人がいるのは事実です。
そこで、よくある意見をまとめてみました。個人的見解を添えてご紹介していきます。
ボンネットの先がわかりにくい
スポーツカーのシートに座ると、沈みこむような格好になります。
つまり視点がものすごく低くなるわけです。
この状態を「前が見にくくて嫌だ」と感じるのだとか。
たしかにボンネットの先がどこにあるのかはわかりません。
でも、たいていの車はそうですよね。
コーナーポールをつけない限りボンネットの先が把握できないのは、スポーツカーに限らずほぼすべての車にいえることです。
それに、たとえボンネットの先がわからなくても運転に支障はありません。
スピードメーターと道路標識、それから前を走る車のブレーキランプさえ見えていれば、ボンネットの先が見えなくとも運転はできるでしょう。
後方が見にくい
すべてのスポーツカーがそうではありませんが、たしかに後方が見にくい車もあるといえばあります。
ホンダのS660は絶望的でした。左後方がまったく(本当にまったく)見えないので、バイパスの合流がとにかく恐ろしかったですね。
ドキドキしながら、ほとんど勘で突撃しました(幸いにも車は来ていませんでしたが)。
これはミッドシップといって、座席のすぐ後ろにエンジンを積んでいるレイアウトに問題があります(たいていはフロントにエンジンを積んでいます)。
スポーツカーのなかでもミッドシップは稀ですので、一概にスポーツカーは後方が見にくい、とはいえません。
現に私はトヨタ86(FR)に乗っていますが、後方はバッチリ確認できていますよ。
なので、S660は後方が見づらくて運転しにくい、ということで犠牲になってもらいましょう。
スポーツカーは運転しやすいです。S660が運転しにくいだけで。
車幅があって運転しにくい
ミニバンやSUVには負けます。
まとめ
走りに特化しているんです。スポーツカーほど運転しやすい車はありません。
空気抵抗が少なくなるよう設計されているので、高速道路も快適に走れます。
個人的にはコンパクトカーや軽自動車のほうが運転しにくいと感じます。
ドライビングポジションは不自然だし、カーブはおっかないし、加速は遅いし、ブレーキの効きはイマイチだし、ハンドルは軽すぎる。
たいていの人は窓が大きくて視界が良いことを「運転しやすい」といいますが、それとこれとは別問題です。
いくら窓が大きくてボンネットが短いとはいえ、さすがにバスは運転しにくいでしょう。
(いくらなんでも……)
運転を第一に考えて設計された車。それがスポーツカーです。
運転しにくいなんてことはありませんよ。