鉄筋コンクリートはいかにも涼しそうな見た目をしていますよね。
夏でもひんやりしている。そんなイメージを持っている方も多いでしょう。
ですが、鉄筋コンクリートの住宅は暑いのです。夏場になると冷房器具なしでは過ごせません。
この記事では「夏場の鉄筋コンクリート住宅事情」について、実際に鉄筋コンクリートのアパートに住んでいる私がその実態を書いてみたいと思います。
「鉄筋コンクリートは夏でも涼しい」は勘違いだった
鉄筋コンクリートは無機質で、触るとひんやりしていて、「この素材でできた家なら夏でも相当快適なんだろうなぁ」などと思ってましたが、実際には暑かったです。普通に。
木造住宅と比べてみても、体感的には鉄筋コンクリートのほうが暑いように感じますね。
鉄筋コンクリート造が夏に暑い理由
鉄筋コンクリート造の特徴として、熱伝導率が高い(断熱性が低い)、という点が挙げられます。
熱伝導率が高いということは、外気や日光の熱を室内へ伝えやすいということ。
……暑くなるのも当然ですね。
ちなみに鉄筋コンクリートにはもうひとつ、気密性が高い、という特徴もあります。
木造の住宅に比べて隙間がないため、室内の空気と外気との循環が起こりにくいのです。
外の熱を室内に伝えやすい。さらに空気がこもりがち。
……暑くなるのも当然ですね。
よって、鉄筋コンクリート造の物件に住んでいると、夏はしんどい思いをします。
(外壁に外断熱が施されている場合などはこの限りではありませんが)
夜になってもまだまだ暑い
私が住んでいる長野県は、夏場でも、夜になると気温がグッと下がります。
そのため、木造住宅に住んでいたころはクーラーや扇風機を使うことなく快適に眠れていました。
ところが、鉄筋コンクリートのアパートに引っ越してからは、夜になっても一向に涼しくなる気配がないのです。
外気はひんやりしています。外気温は22℃くらい。でも、室内は暑くてとても寝られません。
窓を開けて換気を試みますが、それでもまだ暑い。
調べたところ、これはコンクリートの持つ蓄熱性という性質によるものだとわかりました。
鉄筋コンクリート造の住宅には、昼間に受けた日光の熱などを溜めておく特性があるのです。
そのままずっと熱を溜めておいてくれれば問題ないのですが、夜になって徐々に放熱をはじめるんですね(なんて迷惑な)。
ですので、鉄筋コンクリート造のアパートやマンションに住んだ場合、夏は寝苦しい夜を迎えることになるでしょう。
クーラーや扇風機などの冷房器具は必須だといえます。
「鉄筋コンクリートだから涼しいだろう」と油断していると痛い目にあいますよ。
解決策:エアコンがあれば快適
住んでいる地域にもよりますが、鉄筋コンクリートの住宅にはエアコンの設置をおすすめします。
気密性が高いので、クーラーで冷やした空気をずっと室内にとどめておくことができるからです。つまり、鉄筋コンクリートは冷房効率がいいのです。
夏の快適性では残念な鉄筋コンクリート造ですが、遮音性の高さなど、木造住宅にはないメリットも多数あります。
ぜひ物件探しや住宅設計の際の参考にしてみてください。