読んだ本の内容について、あなたはどのくらい覚えていますか?
この記事では、印南敦史著『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』を読んだ感想を書いていきます。
ぜひ参考にしてみてください。
『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』の感想
本書は2つのパートからなっています。
前半は、「覚えていなきゃ」という思い込みを捨てるための思考法について。
それから後半は、本の内容を記憶するための具体策について。
つまり、忘れるのはふつうのことだから気にしなくていいよ、と読者を慰めてくれたうえで、こうしたらもうちょっと覚えていられるよ、と提案してくれる。
それが本書のおおまかな流れです。
記憶は量より質
著者は「記憶は量より質」だと述べていました。
これには私も同感です。
連絡先を知っているだけの友人を100人持つよりも、親友と呼べる友が1人いるほうがいい。
本当に自分を助けてくれたり、支えてくれるのは、たった1人の親友ですよね。
これは記憶にもいえることで、量よりも質が大事なんだ、と。
ひとまずそう考えておけば、忘れてしまうことへのやるせ無さを軽減することができます。
感情が大事
どんな本であれ、読めばなんらかの感情を呼び起こすのではないでしょうか。
面白い、驚き、ガッカリ、怖い、気持ち悪い、いやらしい、興奮する、など。
そうした感情こそが大事なのだと著者はいいます。
映画だってそうです。
私は『メメント』の大部分を忘れてしまいましたが、それでも「斬新で難解で面白い映画だった」ということは覚えています。
それから、観たときの興奮も忘れていません。
読書もおなじでいいんですよね。
平凡な毎日をダラダラと過ごすくらいなら、本を読んで感情を刺激したほうがいいんです。
感情を変化させることが大事なので。
内容は忘れてもいい
著者はさまざまな角度から、私たちのメンタルブロックを外そうとしています。
つまり「読書は覚えてなきゃ意味がない」という思い込みを、なくそうとしてくれるのです。
本書を読めば、もっと気軽に読書ができるようになるのではないでしょうか。
少なくとも、肩に力を入れて「書いてあることをぜんぶ吸収するぞ!」なんて姿勢とはサヨナラできます。
それでも記憶するために
前半までの「忘れてもいい」と矛盾するようですが、後半は「それでも記憶するために」ということで、さまざまな工夫が紹介されています。
まぁ、すっかり忘れてしまうよりは、少しでも覚えていられたほうが嬉しいですからね。
「矛盾してるじゃねぇか!」などと反発せず、 ありがたく情報をいただくことにしました。
シチュエーション
提案されていたのは、いつもとちがう場所で読む方法。
電車、バス、ベンチ、山頂など。
ふだんとは異なる場所で読むと、けっこう覚えていられるんですよね。
これは私自身の経験からいってもまちがいありません。
喜多方ラーメンの列に並びながら読んだ『壇蜜日記 』なんて、それはもうバッチリ記憶しています。
喜多方ラーメンの味は忘れましたが。
感想を書く
それから、本を読んだ感想を(1行でもいいので)メモしておくこと。
これも覚えておくためには有効だといいます。
メモを残す行為そのものではなく、「読んだ内容を頭のなかで整理する」ことに意味があるのでしょう。
メモはそのための手段に過ぎません。
ブロガーであれば、本の感想をこうして記事にするのもおすすめです。
まとめ
本書は「読んで忘れてもいいんだな」という気持ちにさせてくれます。
これが一番大きいですね。
人はどうしたって物事を忘れます。
おとといの夕食の内容を忘れ、歯医者の予約を忘れ、結婚記念日すらも忘れてしまう。
そんな脳が、本の内容を覚えていられるはずがありませんし、期待するだけムダです。
私なんて「もう歯を磨いたかどうか」すら覚えていません。まだ20代ですが。
忘れることを受け入れましょう。
そうすれば、読書がいまよりもっと楽しくなるかも。
以上、印南敦史著『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』を読んだ感想でした。
本の内容はともかく歯医者の予約は忘れずに。