読書家のみなさん。特定ジャンルの本ばかりを読んでいませんか?
この記事では外山滋比古著『乱読のセレンディピティ』を読んだ感想を書いていきます。
ぜひ参考にしてみてください。
『乱読のセレンディピティ』の感想
著者は本書のなかで乱読をすすめています。
乱読とは、小説、哲学、物理学、ジャンル問わず少しでも興味を持った本を手当たり次第に読んでいくスタイルのこと。
なぜ乱読をすすめるかというと、そうすることでセレンディピティ(思いがけない発見)が起こるから、なんだとか。
偏った知識からセレンディピティは生まれない
思いがけない発見をするためには、なるべく広い範囲の知識を持っていたほうが有利だといいます。
たとえば消防車とグラビアアイドル、株式売買と食器洗いなど(私が考えた例です)。
遠く離れたところにある知識と知識が結びついた瞬間に、セレンディピティは得られます。だから乱読をしろと、こういうわけですね。
これまでにないアイディアが得られれば、経営者なら新しいビジネスに、会社員なら新しい企画に活かすことができるかもしれません。
私は「大富豪の教え」といった怪しげな本ばかり手に取っているため、セレンディピティは望めそうにないといえます。
テーマは読書全般
乱読だけにとどまらず、本書では読書全般について述べられています(乱読だけでは1冊分の文章量にならなかったのかもしれません)。
速読と精読、良書と悪書、それから読書メモなど。
読書が好きな人はぜひ読んでみてください。乱読以外のテーマもかなり充実しているのでおすすめです。
外山氏が読書について「どういう考えを持っているか」がよくわかります。
図書館で借りるな
著者は「本は図書館で借りずに買う」ことを推奨しています。
ですが、理由にイマイチ納得できませんでした。
身銭を切って買った本でなければ本気で読めないだとか(そう?)。
ツマラナイ本を買ってしまう失敗も必要だとか(ツマラナイ本を借りる失敗ではダメ?)。
あまり説得力がなく、ポジショントークに感じられます。
著者は「かつては図書館で本を借りまくっていた」とべつの章で書いていましたし。
図書館で借りるも書店で買うも、読者の自由です。
乱読をすすめるなら、むしろ図書館で本を借りるよう読者に促すほうが親切だと思うのですが。
(ちょっとでも興味があれば読め、と述べているので。ちょっとしか興味がない本はふつうあまり買いたくない)
他の著書と被る内容も
外山氏のほかの著書と内容が被っている箇所もいくつかありました。
たとえば仕事や勉強は朝にすべき、散歩をしろ、など。
具体例までそっくりおなじことが書かれていましたね。
まぁたくさんの著書があるので、被るのは仕方ないのかもしれません。
外山氏の本を読んだことがあれば、「どこかで読んだ内容」が出てくる可能性があります。
まとめ
本書を読んで、「外山氏もすなる乱読といふものを、私もしてみむとてすなり」という気分になり、さっそくドライアイの本、トレイルランナーの本、薄毛の本、ベンジャミン・フランクリンの本などを入手しました。
脳内でどんな化学反応が起こるのか楽しみです。
もしも素晴らしいセレンディピティが得られたらこのブログでご報告します。
得られるかどうかわかりませんが……。
少なくとも、薄毛に詳しくなれることだけは確実です。
以上、『乱読のセレンディピティ』を読んだ感想でした。