成功したいなら「怒り」の感情は捨てたほうがいい。
そんなことが書いてありました。
この記事では、金川顕教著『年収1億円の人の怒らない生き方 怒らない人の頭の中』を読んだ感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『年収1億円の人の怒らない生き方 怒らない人の頭の中』の感想
怒りは成功の妨げになる、というのが本書の趣旨です。
なぜなら、怒りの感情が周囲の人たちを遠ざけてしまうから。
……本当にそうでしょうか?
短気な性格でも成功する人は成功しますよね。
たとえばアップル創業者のスティーブ・ジョブズ。
彼はすぐに激昂し、気に入らない社員をクビにしたことで有名です。
「成功は短気うんぬんではなく、能力の問題なのでは?」という疑問が拭えないまま、ひとまず読んでみることに。
10年間怒っていない著者
著者はここ10年間で怒った記憶がいっさいないといいます。
著者の記憶力が正常であれば、とんでもなく温厚だといわざるをえません。
じつは私は以前に金川氏の本を読み、批判的な感想を書いたことがあります。
「ちょっとマズかったかなぁ」と内心ヒヤヒヤしていたのですが、著者の仏のような人柄を知って安心しました。
これくらいで腹を立てるような人物ではなさそうです。よかった。
ポジティブシンキング
本書では、年収300万円、年収1000万円、年収1億円という3つの分類で、それぞれどういうふうに考えるのかが紹介されています。
まとめると、
- 年収300万円:すぐにブチ切れる
- 年収1000万円:我慢する
- 年収1億円:前向きにとらえる
こんな感じです。
タクシー運転手が道をまちがえた、宅配便が指定時間に届かない、隣の家の工事がうるさいなど。
こうした腹立たしい状況でも怒らないための考え方が紹介されていました。
個人的には無理があると思いましたが、みなさんはどう感じるのでしょう。
宅配便が届かないときに、年収1億の人は怒らず「事故に遭ったのかな?」と心配するらしいのですが……。いや。
怒りを避ける方法
本書の前半は上記のようなケーススタディです。
年収300万円の人を散々バカにしています、もとい、年収1億円の人のご立派さがよくわかります。
で、後半は怒りを抑える方法論に割かれていました。
10秒置けとか、その場から離れろとか、眺望のいい家に住めとか、朝日を浴びろとか。
板前の話はおかしい
本書のなかに一つ不可解な話があったのでご紹介します。
あるとき、著者は予約していた寿司屋に遅れてしまったそうです。
そしたら板前が腹を立てて、寿司を握ってくれなかった。どうやら短気な板前だったらしい。
が、お店は繁盛している。
そこで著者は「それだけ味がいいということなのでしょう」と述べています。
これが本質ですよね。
ようは「仕事ができるかどうか」です。
成功に必要なのは。
著者は冒頭で「怒るヤツは成功できない」と豪語していたので、ビッグサイズの墓穴を掘ってしまったことになります。
まとめ
本書は「どんな状況もポジティブに解釈しろ」というススメです。
とはいえ、実践するのはハードルが高いように感じています。
もし電車のなかで靴を踏まれたとき、どう前向きに捉えたらいいのでしょう。
「足をマッサージをしてくれてありがとう」ってなもんでしょうか。
空き巣被害に遭ったときは?
「貧困に苦しむ誰かの役に立てて嬉しい」ってな具合でしょうか。
買った本がつまらなかったときは?
「ページをめくって指の体操になった、わーい」ってなもんでしょうか。
それはそれで(気味が悪いので)人が遠ざかり、成功も遠のくような気がしますが……。
以上、金川顕教著『年収1億円の人の怒らない生き方 怒らない人の頭の中』を読んだ感想でした。
もし本書がなんの役に立たなかったとしても、腹を立てるのではなく、「著者は体調が悪かったのかな?」と考えるといいかもしれません。
宅配便のケースとおなじように。