この社会には歪みがあり、歪みから得をする人、損をする人が生まれているといいます。
あなたはどちらのサイドでしょうか?
この記事では、橘玲著『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計入門』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計入門』の要約と感想
まずは本書の要約から。
制度の歪みから生じる恩恵を、著者は「黄金の天使の羽根」と呼ぶ。
歪みのない完璧な制度など存在しない。
ゆえに、黄金の天使の羽根はそこかしこに落ちている。
所得税、社会保険料、生命保険、自営業など。
他人よりも早く黄金の羽根を見つけるには知識が必要である。
情報化社会をかしこく生き抜く術を紹介。
以上がおもな内容です。
会社員が金持ちになれない理由
著者は「会社員は金持ちになれない」と指摘します。
なぜなら、会社員は税金および社会保険料のコストが大きいから。
会社員として1000万円の収入がある場合、税金や社会保険料を引かれた手取りは700万円程度だといいます。
いっぽうで自営業者の場合。
1000万円の収入があれば、国民年金と健康保険に若干の支払い(年間50万円ほど)をし、残り全額を合法的に可処分所得とすることが可能です。
というのも、自営業者は自分で収入や支出(経費)を決められるから。
したがって会社員をやめて自営業者となり、所得にたいして税金を支払わないのが得策なんですね。
著者曰く、最速の資産形成方法は「税金を支払わないこと」だといいます。
脱税は違法です。
合法的に節税をしようと思ったら、自営業者になるのが賢い選択肢だということです。
徴税機関は人も予算も限られている
上のケースのどこに「黄金の天使の羽根」が落ちていたのでしょう。
それは、徴税制度の歪みにあります。
会社員は、自分で収入や支出を決めることができません。
「給与所得控除」として、収入にたいする必要経費の額が一律に決められているからです。
収入と必要経費が決まれば、自動的に税額の計算ができますよね。
税務署はこのようにして、徴税のための人手やコストを省いているのです(しかも会社を徴税代行機関として活用)。
自営業者にこうした仕組みはありません。
したがって収入と必要経費を自ら計算し、税務署へ申告することになります。
この際に所得を少なく見せようとするのが節税。ただし一線を超えると脱税。
つまり、スムーズに税金を集めたい徴税機関のために、会社員が割りを食っているということです。
会社員でいると税金で損をし、自営業者になれば得をする。
ここに黄金の天使の羽根が落ちていました。
まとめ
本書にはほかにも、
- 生命保険が必要な人はだれか
- 失業保険で得をするのはだれか
- 個人が法人を利用して節税する方法
などが詳しく記載されています。
本書を読めば、会社員を辞めて独立したくなるかもしれません。
なぜなら、最速の資産形成方法は「税金を支払わないこと」だから。その実態を目の当たりにするからです。
日本では、会社員が会社を通さずに税を申告することが認められていません。
このような国は世界でもほとんどないそうです。
つまり税務当局は会社を徴税代行機関として使い、物言わぬ会社員からローコストで税金を集めているんですね。
年末調整で必要経費を申告
生命保険料として支払った金額を会社に申請し、年末調整でいくらか戻ってくる。
これは生命保険料が、必要経費として国に認められているからです。
給与所得者でいる限り、特別なものを除き「必要経費」は基本的に認められません。
とはいえ、自営業者のソレにくらべたら、虚しい努力だといわざるをえません。
こうした事実を知っているかどうかは、大きな差です。
完璧な制度など存在しない。ラクに取れるところから安定して取ろう、というわけ。
会社員のままでは、黄金の天使の羽根を拾うのは難しそうです。
むしろ、割りを食わされる側。
誰も教えてくれなかった事実を本書で学んでみませんか?
知って絶望するか、奮起して独立するかはあなた次第です。
以上、橘玲著『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計入門』の要約と感想でした。