成功するためにはビジネスセンスを磨く必要がある、ということを説いた本です。
この記事では、『成功者は、だから努力をせずにセンスを磨く』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『成功者は、だから努力をせずにセンスを磨く』の要約と感想
まずは本書の要約から。
経営者であれビジネスパーソンであれ、成功するにはビジネスセンスが欠かせない。
発想力、先見性、財務センス、法務感覚、リスク管理力など。
こうしたビジネスセンスをどのように磨くべきかを解説する。
各パートはそれぞれの専門家が監修。
以上がおもな内容です。
本書には、疑問に思う点が2つありました。
疑問点1. センスは磨けるものなのか?
そもそも、センスというのは磨けるものなのでしょうか。
「あいつにはサッカーのセンスがある、ない」などという場合、それは生まれながらの素質を指していることが多いように感じます。
たとえば本書のなかには、「アイディアセンスがある人は、普通の人が思いつかないハードルを設定できる」という記述がありました。
ところが、肝心の「アイディアセンスを磨く方法」は書かれていません。
つまり、再現性がありません。
これは監修者が「アイディアセンスは磨けるものではない。天賦の才能」だと認識していることの現れではないでしょうか。
センスが良い人の例だけ見せつけられて、センスの磨き方は教えてもらえない。
そんなのって、あんまりです。
疑問点2. 役に立つのかが不明
本書に記されているのは、明日から使える即効性のあるノウハウではないといいます。
コツコツ続ける地道な努力で身につけていくようなものばかりである、と。
タイトルに「努力をせず」とあるにもかかわらず、本書中では「地道な努力で身につく」と書かれています。
いえ、揚げ足を取りたいわけではありません。
そうではなく、センスの定義が曖昧で、主張がフワフワしている点が問題なのです。
明日から使える即効性のあるノウハウではないから、センスってそういうものじゃないから、しばらく効果は出ないけれど努力して身につけようって、怪し過ぎます。
5年後に成果が出る保証はありません。
だったらいっそ、明日から使える即効性のあるノウハウを教えてもらえたほうが役立ちます。
「すぐに効果が出ない」というのは、本書の内容がクズ同然だから、という可能性もある。だったら永遠に効果は出ない。 変化が速い時代に悠長なものだ。
まとめ
本書ではセンスや感性という言葉が多様されていますが、その定義があやふやです。
たとえば、ビジネスでは「なぜ?」という問いかけが大切だ、とありました。
ですが、これはセンスではありません。
ノウハウです。
「なぜ?」と問いかけを繰りかえす、というテクニックです。
小手先の技術ではなく、センスや感性を磨く方法を紹介したくて本書は生まれたそうですが、なんだかんだいって、小手先の技術ばかりが記されていました。
「センスはセンスだ。センスがある人はこうする」ってなもんです。
そこに再現性はありません。
ゆえに、役立ちませんでした。
以上、『成功者は、だから努力をせずにセンスを磨く』の要約と感想でした。
結論。センスは先天的な部分によるところが大きいということを遠回しに伝えている、皮肉な本。読む必要なし。
センスについて興味がある方には、こちらの本がおすすめです。
知識によってセンスを後天的に身につけられる可能性が示唆されています。