本書は、幸田露伴が書いた『努力論』を編訳したものです。
『努力論』の原文は(漢文や四字熟語など)難解な表現が多いため、現代人が読むには骨が折れます。
『努力論』のエッセンスを学びたい方にこちらの『超訳 努力論』はおすすめです。
この記事では、幸田露伴著、三輪裕範編訳『超訳 努力論』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『超訳 努力論』の要約と感想
まずは本書の要約から。
難解な『努力論』のエッセンスを抽出し、現代人にも読みやすいよう編集したのが本書である。
幸田露伴は100年に1人の頭脳の持ち主といわれる天才。
彼が記した『努力論』は、青年や若者を中心とした人生に悩む者に向けて、どのような心の持ち方をすれば人生を前向きに生きられるかを説いている。
なぜ努力が必要なのか、成功者は何を考えているのか、彼が大事にしていた一物一事主義などを学ぶことができる。
以上がおもな内容です。
自分の人生を肯定したいすべての方に本書はおすすめです。
努力すべき理由
『努力論』というタイトルからもわかるように、本書のなかで幸田露伴は努力の重要性を説いています。
では、どうして私たちは努力をするべきなのでしょうか。
なぜダラダラ過ごしてはいけないのか。
「努力というのは人間本来の姿である」と露伴はいいます。
なぜなら、人間は誰しも「つねに前進していきたいという情熱」を持っているからです。
努力するのは人間本来の姿だから、成果とは関係なくするべきだ、というわけです。
くわえて露伴は「努力以外に我々の未来をよくするものはなく、努力以外に我々の過去を美しくするものはない」とも述べています。
あなたには何か「努力していること」がありますか?
筋トレ、ダイエット、仕事、勉強、子育て、節約、自分磨き、なんでも構いません。
対象は何であれ、努力をしていることが重要です。
成功者の考え方
成功者に共通しているのは、「すべて自分の意志や知恵、勤勉さがあったから成功できた」と信じていることだと露伴はいいます。
いっぽうで何をやっても失敗する人は、自分にはなんの罪もなく、運命のせいで失敗して苦境に陥ったと考えます。
意外に思うかもしれませんが、幸運を引き寄せるには、失敗や過失などの責任はすべて自分一人にあると考えなければならないのだそうです。
他人や不運のせいにせず全て自分のせいにすれば、改善しようと考えるからです。
すなわち、成長できるわけです。
成長に関しては他にも、
- 現状に不満を抱け
- 古いものは敵だと思え
- 昨日の自分を弁護するな
- 運命などとは口にするな
などの厳しい言葉が本書には並んでいました。
努力とは自分を甘やかさないことです。
努力の根底には「現状や過去の否定」があるのでしょう。
まとめ
『努力論』の原文には、難解な漢文や四字熟語が多く使われています。
これらの意味を理解するには漢文や仏教に関する知識が必要ですので、たいていの現代人には歯が立ちません。
そこで、三輪氏がエッセンスを抜き出し、読みやすいように編訳したのが本書です。
本書には幸田露伴の『努力論』と、それから彼の『修省論』が収録されています。
第一部が『努力論』、第二部が『修省論』というようにわけられていました。
幸田露伴という天才から、人生を肯定する生き方を学んでみませんか?
原文を読むのは難しくても、本書を理解するのは難しくありません。
あとは、あなたが読むかどうか、だけです。
以上、幸田露伴著、三輪裕範編訳『超訳 努力論』の要約と感想でした。
結論。心を奮い立たせてくれる本。前向きに生きる力を与えてくれる。物事の本質が書かれているので、時が経っても内容が古くなっていない。