元プロ野球選手である新庄剛志による自伝です。
38歳のときに20億円を騙し取られた彼が、どん底からどのように「超ポジティブな人生」を手に入れたのかが記されています。
この記事では、新庄剛志著『わいたこら。人生を超ポジティブに生きる僕の方法』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『わいたこら。人生を超ポジティブに生きる僕の方法』の要約と感想
まずは本書の要約から。
貧乏な家庭で育ち、プロ野球選手としてスーパースターになり、引退後に20億円を失った男の半生が書かれている。
野球選手を目指した理由、成功し、大金を手にして感じたこと、財産を騙し取られた絶望、バリ島への移住など。
これは、どん底から這い上がった新庄剛志を知るための本である。
以上がおもな内容です。
信用していた人間に20億円を騙し取られた男がなにを考えてきたのか、あなたは興味ありませんか?
成功、どん底、本当の幸せ
本書は自伝にありがちなストーリーです。
まず著者が成功して有頂天になっていたときのエピソード、足をすくわれてどん底に転げ落ちるエピソード、財産を失ってはじめて本当の幸せに気づくエピソード、という構成です。
本書の内容を一言でいえば「人生はお金じゃないよ」といったところでしょう。
ロックスター矢沢永吉も全財産を知人に騙し取られた経験あり。
さすがに20億円を失ったときはショックだったようで、「生きているのか死んでいるのかわからない日々」を彼は過ごしていたようです。
それでもどん底から這い上がってこれたのは、彼がポジティブ思考を心がけているからだといえそうです。
いえむしろ、ポジティブ思考がなければ、20億円を騙し取られたショックからカムバックすることはできなかったに違いありません。
絶望からうつになったり、自殺したり、発狂したり。
本書の端々で、彼の前向きな考え方に触れることができます。
生ゴミ置き場で筋トレ
本書を読んでわかったのは、新庄剛志がユニークな人間だということです。
たとえば彼は、生ゴミ置き場で筋トレをしていたそうです。
どうしてわざわざ、生ゴミ置き場などという臭くて不衛生な場所を、彼は選んでいたのでしょう?
その理由を彼は「厳しい環境に身を置くため」だと語っていました。
生ゴミ置き場で筋トレをするのが趣味なわけではなく、生ゴミのニオイが好きなわけでもなく、彼も「嫌だ」という真っ当な感情を抱いていたそうです。
だからこそ、あえて生ゴミ置き場というツラい環境でトレーニングをすることで、「自分に勝った」という達成感を味わっていたわけです。
筋力だけでなく精神力も同時に鍛えていたのだ、と彼はいいます。
なるほど、面白い発想です。
われわれが20億円を失うことはありませんし、そもそも20億円を持ってすらいませんが、これからの人生で何らかのショッキングな出来事に見舞われる可能性はあります。
そんなとき、そのショックを乗り越えられるかどうかは、私たちの精神力にかかっているといえるでしょう。
たくましいメンタルを手に入れるべく、彼を見習い、生ゴミのそばで筋トレに励んでみるのも悪くなさそうです。
まとめ
プロ野球選手になってから彼は、ランボルギーニやフェラーリなど、高級外車を18台乗り継いだといいます。
高級な家具やテレビも、値段を気にせずバンバン買っていたといいます。
そして「で、これが何なの?」 という虚しさのようなものを感じていたのだそうです。
お金の限界を知っているからこそ、20億円を失ったショックから彼は立ち直れたのかもしれません。
「お金がたくさんあっても幸せではない」ということを、CM1本で1億円稼いでいた彼は、身をもって知っていたわけです。
本書のなかで新庄剛志は「お金ではない幸せ」を見つけていますが、私たちが本書を読み、彼とおなじ感覚を持つのは難しいといえるでしょう。
なぜなら、われわれはまだ「お金の限界」を肌で感じていないからです。
いまお金から逃げ、お金ではない幸せを目指してしまったら、ある種の現実逃避になってしまいかねません。
つまり、見習うべきは彼のポジティブ思考であって幸福観ではない、ということです。
本書を読み、「やっぱりお金じゃないよな」という安易な結論に達しないようご注意ください。
この資本主義社会において、お金こそがパワーであることは疑いようがありません。
以上、新庄剛志著『わいたこら。人生を超ポジティブに生きる僕の方法』の要約と感想でした。
結論。成功してどん底に落ちて本当の幸せを見つけた新庄剛志の物語。読者を前向きな気持ちにさせてくれる。
「やっぱり人生はお金だ」という結論に達した人物の考えはこちらです。
キレイゴトだけでは生きていけれません。お金は大事です。
20億円を騙し取られる人生よりは、20億円を騙し取られない人生のほうが良いに決まっています。
20億円を稼げない人生よりは、20億円を稼げる人生のほうが良いに決まっています。