ニーチェの思想についてマンガで学べます。
はじめてニーチェの哲学に触れる方に本書はおすすめです。
この記事では、白取春彦監修『まんがでわかるニーチェ』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『まんがでわかるニーチェ』の要約と感想
まずは本書の要約から。
マンガに登場する人々の会話を通して、ニーチェの思想を解説している。
ニーチェのことを知らない女子にたいし、哲学に詳しい男性がその思想を説く、というスタイルで物語は進んでいく。
彼の言葉によって、私たち読者はイチからニーチェについて知ることができる。
ニヒリズムや超人など、ニーチェが目指した理想の生き方を学べる一冊。
以上がおもな内容です。
与えられた価値観を疑いもせずに受け入れて、家畜のように群れている者たちのことを、ニーチェは「畜郡」と呼び、軽蔑しました。
私たちは畜群を抜け出し、超人を目指すべきだといいます。
哲学者ニーチェが考えた「理想の生き方」を知りたい方に本書はおすすめです。
マンガのストーリーについて
悩みを抱えている女子に、哲学に精通しているおじさんがニーチェの思想を説く、というのが本書のストーリーです。
ニーチェがキャラクターとして登場するわけではありません。
このようなストーリーにしたのは、「ニーチェの思想は現代人にも役立つ」ということを示したかったからでしょう。
ニーチェの哲学に触れた女子は、そこから「どのように生きれば良いのか」という悩みにたいするヒントを得ていました。
したがって本書は、
- マンガゆえに読みやすいこと
- ニーチェの思想で現代の悩みを解決していること
これら2つの点で優れているといえます。
ニーチェの哲学とは
ニーチェがどのようなことを主張していたのか、その内容をザックリご紹介します。
同情は卑しいこと
たとえば、ニーチェは同情を嫌っていました。
なぜなら、同情とは相手を見下すことに他ならないからです。
ゆえにニーチェは、優しい人を「人を軽蔑する卑しい人」だと非難しています。
あなたがこれまでの人生で一度でも「優しいね」といわれたことがあるなら、これはあなたにも関係しています。
「優しいこと」は「酷いこと」なのかもしれません。
天国や地獄を無視すべき理由
ニーチェはほかにも、天国や地獄といった世界のことを「背後世界」と呼んでいます。
「そんなことをしたら地獄に落ちる」と脅せば、突拍子もないことをする人間は減ります。
すると、世界の秩序が保たれます。
これにより、ポジションを脅かされずに済む人間が大勢いるといいます。
ようするに、「悪い子のところには鬼が来るよ」と親が子どもを脅すアレとおなじ手法で、私たちは大きな力に飼い慣らされているのかもしれません。
自分の人生を生きたいなら、背後世界に振り回されない強さを持て、とニーチェは説きます。
まとめ
本書のテーマとなっている「ニーチェの思想」は、私たちが力強く生きることを後押ししてくれます。
勇気を与えてくれる哲学です。
生き方や人生に悩んでいる方は、ぜひ本書を読んでみてはいかがでしょうか。
「自分の欲求にしたがってやりたいことをやろう」と思えるかもしれません。
ニーチェの重要な思想については、マンガではなく、数ページを割いて文章のみで解説してあります。
ゆえに、マンガだからといって「浅い内容」に終始しているわけではありません。
ニーチェ哲学の入門書にぴったりの一冊です。
以上、白取春彦監修『まんがでわかるニーチェ』の要約と感想でした。
結論。ニーチェの思想を学びたい方、力強く人生を歩みたい方に本書はおすすめ。