絶望から這い上がるための方法があることをご存知でしょうか。
家族やペットとの死別、失業などといった喪失に向き合い、乗り越えるためのアドバイスが本書にまとめられています。
この記事では、シェリル・サンドバーグ、アダム・グラント著『OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び』の要約と感想をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
『OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び』の要約と感想
まずは本書の要約から。
シェリルは事故で夫を失い、絶望していた。
彼女の友人である心理学者のアダムが教えてくれたのは、「人生を打ち砕く経験から回復するための具体的なステップが存在する」ということだった。
回復する力(レジリエンス)は天賦のものではなく、自分で鍛えることができる。
喪失や困難への向き合い方、逆境の乗り越え方、オプションB(他の選択肢)の使い方について解説する。
以上がおもな内容です。
本書はあなたにも関係しています。
なぜなら、 「完璧な人生」などあり得ず、逆境に立ち向かわなければならないタイミングが、どこかで必ず訪れるからです。
心を強くしたい方に本書はおすすめです。
完璧な人生などあり得ない
本書のタイトルにある「OPTION B」というのは、他の選択肢を意味しています。
希望していたものとは違う選択肢です。
ここには、「人生はすべてが思い通りになるわけではない」という著者のメッセージが込められています。
医者を志したものの、医学部に合格できず、医者になる夢をあきらめる人がいます。
買ったばかりのスマホを落っことし、画面がひび割れてしまうこともあるでしょう。
結婚相手を間違える、パートナーに浮気される、隣の犬がうるさくて眠れないなど、人生にはあらゆる困難がつきものです。
そんなとき、なんらかの形でオプションBを選ぶことになります。
本書は、誰もがオプションBを使い倒せるようにするための本です。
シェリルの体験談がメイン
内容はほとんどシェリルの体験談です。
夫を失ったシェリルがどれだけ絶望したのか、どのようにどん底から這い上がったか、どうやって幸せを感じるまでに回復したかが綴られています。
著者として、心理学者アダム・グラントの名があります。
彼はシェリルの友人としてちょこちょこ登場するくらいで、本書を書いているのはシェリルです。
したがって、アダムの名に引かれて手にした読者にとって、本書の内容は物足りないかもしれません。
シェリルの体験談が延々とつづくからです。
レジリエンスの鍛え方
レジリエンス(心を回復させる力)は、訓練すれば誰でも鍛えられるといいます。
たとえば本書には、「書くこと」がレジリエンスを高めるのに効果的だとありました。
感情を言葉で表現することは、逆境を自分のなかで処理し、克服するのに役立つのだそうです。
あなたは日記をつけていますか?
日記はただ日々の出来事を記録するだけでなく、上記の通り、メンタルにも良い作用をもたらします。
部長の発言に腹が立ったこと、店員の態度が気に入らなかったこと、マヨネーズを買い忘れたことなど、ムシャクシャした気持ちは、日記に吐き出すのが良いのかもしれません。
では、スピリチュアルはどうでしょう?
あなたはスピリチュアルに興味がありますか?
スピリチュアルな信念が強い人は、レジリエンスが高く、トラウマ後の成長も大きいといいます。
胡散臭いからと毛嫌いせず、スピリチュアルの世界を覗いてみるのも悪くないのではないでしょうか。
こちら、スピリチュアル入門におすすめの一冊です。
まとめ
喪失は誰もが経験することです。
ですから、本書の内容を知っておいて損はないでしょう。
パートナー、親、ペット、仕事、車(事故)、家(災害)など、いつどこで、なにを失うかわかりません。
喪失を避けることはできませんが、レジリエンスを高めておくことならできます。
仕事を失い、経済的に追い詰められ、うつや不安などの二次的喪失に襲われることもあります。
さらには自尊心が傷つき、自己価値は脅かされ、ストレスが人間関係にまでおよび、家庭内に不和が生じることも考えられます。
喪失が喪失を呼ばないためにも、ぜひレジリエンスを高め、オプションBを選択できるようにしておきたいところです。
本書のマイナスポイント
ただ、本書の欠点として「体験談がダラダラつづく」ことが挙げられます。
海外の本がたいていそうであるように、本書もまた、呆れるほどシェリルの体験談が延々と綴られており、役立つアドバイスは全体の1〜2割程度でした。
『ウォーリーを探せ!』よろしく、アドバイス探しを楽しめる方に本書はおすすめです。
以上、 シェリル・サンドバーグ、アダム・グラント著『OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び』の要約と感想でした。
結論。大半は著者の体験談であり、読む必要性を感じられなかった。シェリルを存じ上げないので。ただし、ところどころレジリエンスを高めるための有用なアドバイスあり。
レジリエンスだけをサクッと学びたい方には、こちらの本がおすすめです。
著者の体験談がダラダラとつづくことなく、必要な知識だけを得られます。