『奇跡の論文図鑑 ありえないネタを、クリエイティブに!』の要約と感想

当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

NHK Eテレの番組「ろんぶ〜ん」をもとにした書籍です。

学術研究の奥深さや、研究者の努力を知るきっかけに本書がなるかもしれません。

 

この記事では、『奇跡の論文図鑑 ありえないネタを、クリエイティブに!』の要約と感想をご紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

 

 

『奇跡の論文図鑑 ありえないネタを、クリエイティブに!』の要約と感想

f:id:MORIKO:20200726183539p:plain

まずは本書の要約から。

 

世の中にはたくさんの論文が存在している。

最先端のもの、着眼点がユニークなもの、役に立つとは思えないものまで、テーマは多種多様である。

 

なかでもユニークかつクリエイティブな論文を取り上げ、執筆した本人の言葉をもとに紐解いていく。

論文を通して、人間が持つ底知れない好奇心に触れてみて欲しい。

 

以上がおもな内容です。

これまで「論文」を読んだことがない方にとって本書は参考になるかもしれません。

 

これが奇跡の論文なのか?

本書で取り上げられている論文は、

  • ラーメン
  • 漫才
  • アイドル
  • ギャンブル
  • 食欲
  • 幽霊

などをテーマにしています。

 

たとえば、「ラーメンの残り汁でエンジンは動かせるのか」や「猫に思い出はあるのか」などについて論じられていました。

「ありえないほどユニークでクリエイティブな論文を厳選した」と本書には書いてありましたが、それほどユニークでもクリエイティブでもない論文ばかりです。

 

もっと、イグ・ノーベル賞を受賞するような奇抜なテーマを期待していました。

NHKの教育番組が本書のベースになっていることから、それほどぶっとんだ論文は紹介できなかったのだと察します。

NHKは公共放送なので。

 

 

内容は専門的かつ難解

さまざまな論文の内容が本書では紹介されています。

読者にわかりやすいよう工夫されているのでしょうが、それでも内容や用語の専門性、表現の難解さから、論文にたいして堅苦しく難しい印象を受けました。

 

ふだん目にする機会がない論文が「どういうものなのか」を知ることはできます。

ただし、その内容を理解できるかどうかは、読者の知識や理解力しだいだといえるでしょう。

 

ところで本書は、「人々が論文を読まないのはもったいない」とし、その原因を「論文が難解だからだ」と結論づけていました。 

ですが、私たちが論文を読まない理由は「論文が難しいから」なのでしょうか。

 

そうではありません。

そもそも、「論文がどこで読めるのかわからない」ことが、私たちが論文を読んでいない原因だと考えます。

つまり、論文が難しいうんぬん以前の問題だ、ということです。

 

あなたは論文がどこでどのようにすれば読めるのか、ご存知ですか?

  • 書店?
  • 図書館?
  • インターネット?

「論文はどこで読めるのか」について、本書では何の説明もなされていません。 

 

これでは読者がせっかく論文に興味を持ったとしても、次のステップを踏み出す方法がわからず、論文への興味が冷めてしまいます。

論文を読む方法を示していない本書は、不親切だといえるでしょう。

 

まとめ

論文が読まれていない原因を履き違えており、あるいは見落としており、中途半端な論文ばかりを取り上げているのが本書です。

 

「日本型アイドルはどのように生まれたのか」という論文のテーマ設定が、それほどユニークかつクリエイティブであるとは思えません。

ですが、本書に載っているのはどれも「ありえないほどユニークでクリエイティブな論文」なのだといいます。

 

ユニークさおよびクリエイティブさがこの程度だとしたら、論文を読んでみる気にはなれません。

 

そもそも書店に並んでいる本すら売れていないこの時代に、わざわざ(どこで読めるんだかわからない)論文を読みたがる人などいるのでしょうか。

私たちにとって論文が遠い存在であるからこそ、もっとキャッチーでインパクトのある論文を取り上げるべきだったといえそうです。

 

そして、論文のありかを示してくれればバッチリでした。 

 

以上、『奇跡の論文図鑑 ありえないネタを、クリエイティブに!』の要約と感想でした。

結論。ありえるネタを、それなりに。

 

www.shortshortshort.jp

知的好奇心が旺盛なあなたには、こちらの本がおすすめです。